リーダー人事は慎重の上に慎重を重ねて…。

リーダー(経営幹部)は、企業業績を担う大切なポジションです。それだけに、人事決定は、慎重の上に慎重を重ねて意思決定していく必要があります。

中小企業経営の現場を駆け回って鑑みた時、かなり間違いを犯しているリーダー人事を散見します。コンサルティングファームや会計事務所などにも、間違いだらけのリーダー人事が横行しているから困ったものです。

リーダー人事は、慎重に議論し吟味して意思決定していく必要があります。何度も言いますが…。

例えば、「生産性を上げるスタッフ=リーダー候補」ではありません。仕事は結果が全て。販売力や営業実績のあるスタッフをリーダーとして昇格した途端、現場スタッフ(部下)のモチベーションが下がって結果としての業績悪化を招いたという例も多々あるのです。

また、仕事のスペシャリストがリーダー資格があるかというと、それもまた違う場合が多い。職人は、仕事の専門家かもしれませんが、人材育成やマネジメントの専門家ではありません。

リーダーは、基本的にマネジメントが専門です。マネジメントの基本は、人間的魅力。人から慕われない、好かれない人がリーダー(幹部)になってしまうと、取り返しのつかない事態を招きかねません。

リーダー人事は、コンピテンシー(あるべき姿)を明確化して、そのコンピテンシー条件を満たしているかどうかで判断、意思決定していくことが大切です。

リーダーのあり方(姿勢やハート)は、部下のモチベーションに多大な影響を与えて、企業業績を大きく左右することを忘れないことです。

投稿日: 2020年7月19日 | 7:01 pm

今時、経営計画書もない会社の行く末

経営者と面談していると、「経営計画書(小生は羅針盤と呼んでいます)」の必要性を感じていない方が意外と多いことに驚きます。この方々の言い分は、「必要性を感じない」がその大半です。

完全受注型の企業(例えば下請が主な収入源)や建設業(入札による受注が主なし収入源)に多いものです。

しかし、先の見えない経済環境である現時代こそ、経営計画書の策定とPDCAは必須経営要件と言えます。

経験上ですが、社員数が10名を超えたら間違いなく単年度経営計画書を策定することが必要です。

経営計画書を策定することは、「最強のリーダー研修」になり得ますし、不測事態に対応するためにも様々な構想を立案しておいくことは、経営者として当たり前のミッションです。

経営計画書を単なる業績計画と位置付けて、売上や原価、粗利益、営業利益、そして経費計画などの”絵を描く”ことだと認識していたら間違いです。

そんなものは、後でいくらでも描けばいい。いや極端に言えば、数値計画など必要ありません。

構想したいのは、

①業界の方向性、外部環境の変化

②我が社の生き残り、躍進のための条件整理

③躍進のためのアクションプラン

④アクションプランの具現化(5W2H)計画

そんなところです。

行き当たりばったりの経営は、非常にリスクの高い時代になりました。特に昨今(コロナ禍)のような非常事態においてはなおさら。

足元を見つめて、経営の基盤を強化していくためにも、『できない、必要ない』と言い訳しない経営計画書を是非とも策定してください。

投稿日: 2020年7月18日 | 10:20 pm

コロナ禍第2波に備える中小企業経営

7月17日時点で、東京都を中心としたコロナ肺炎の新規感染者数は、一日300人弱を継続しています。このままの勢いを維持すれば、間違いなく今年4月〜5月の状況に逆戻りすることになるでしょう。

まだまだ特効薬やワクチンの開発・普及には時間がかかると思われる今日。第2波(定義は定かではありませんが)が来るとすれば、中小零細企業の経営に大きな負の影響を及ぼすことは間違いありません。

では、第2波を構想して、今中小企業がなすべきことは何でしょうか?

実は、”いつもと変わらぬオペレーション”以外にありません。

ただし、正しい経営をされているならば…です。正しい経営とは何か?このブログでも再三訴えていますが、「人を大切にする経営」です。

まず社員を、お客様を、関係先・取引先を大切にして、良好なリレーションを構築しましょう。そして、支え支えられる経営を確立することです。

どんな状況下でも、”正しい経営は滅びない”というのは、恩師・坂本光司先生の言葉。まさにそうだと思います。

コロナ禍が、最も厳しかった時期(4月〜5月)を過ぎた時、正しい経営に向き合っていた企業は、業績回復も早い。実例が示しています。

もっと具体的に言いましょう。

社員の雇用と生活を必死で守り、一件の(一人の)お客様を心から大切して、関係先・取引先に圧力をかけない(パートナーとして認め合う)オペレーションを徹底することです。

特に、人財(社員)を守り抜く経営をされていることが、収束時の明暗を分けるということを肝に銘じましょう。

投稿日: 2020年7月17日 | 10:12 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【26】

【中小企業診断士としての健康維持】

中小企業診断士は、”診断士”という名前からいる意味ビジネスドクターとしての役割を担っているものと考えています。このブログでも、中小企業診断士は「町医者漢方医」であると定義して、主張してきました。

プロである以上、当たり前ですが中小企業診断士は自らの健康維持にも留意する必要があります。心身ともに健康であることが、クライアントの信頼を勝ち取る第一歩です。

なぜか?逆説的に考えてみてください。精神的に病んだ診断士に、経営者は自社の秘密情報を全て曝け出して、相談などしますか?

中小企業診断士は、タフなハートを持たなければなりません(経営者もですが)。強靭な精神力と、タフな思考力が絶対条件です。

また、中小企業診断士(経営コンサルタント)は体力的に消耗する仕事です。日頃から体の健康を維持するために、食生活や運動にケアが必要です。見るからに不健康そうなコンサルタントは、経営者に信頼されません。

ましてや、経営の課題に真正面から向き合うことができないのです。

そして、さらに言えば快活さが条件です。はつらつとした言動は、それだけでも周囲を明るくします。

究極的には、クライアント企業を元気にすることがミッションですから、自らが明るく振る舞っているいないと、ミッションは遂行できません。

クライアントに信用信頼され、仕事を依頼される中小企業診断士(経営コンサルタント)は、マネジメントのプロですから、自らの健康・身体もマネジメントしている訳です。

投稿日: 2020年7月16日 | 9:24 pm

日常を忘れてみませんか? 〜夜灯見荘(やとみそう)新室オープン〜

佐賀県太良町竹崎。ここに、この地域で最も老舗の旅館・夜灯見荘(やとみそう)があります。この旅館は、小生が放送局勤務時代からお世話になっている、ご縁の深い会社なのです。

コロナ禍の中でも、後継者である専務が知恵と努力を惜しまず、この度3階の改装を実施。お洒落な部屋として、改装・オープンしました。

夜灯見荘は、もともと県外(特に福岡県)からの来館が多く、たくさんのリピーターに支えられてきました。名物・竹崎かにを使った、心のこもった料理と、スタッフの温かい接客がウリの旅館です。

これまで、様々な施策を展開して、お客様に喜んでいただくために努力されてきました。その中にあって昨今の、コロナ情勢は痛恨でした。

痛恨の中でも、負けずに経営努力を怠らなければ、必ず道は開ける…。そんなことを教えてくれる旅館です。

今回の改装は、3階の海側部屋です。

どうです!オシャレでしょう。こんな部屋で、非日常を味わいたいですよね。

料理は、食事処で味わえます。

別の部屋です。同じく3階です。ここもいい!

この部屋の壁模様も、専務のこだわりが溢れています。

3階から望む、竹崎港です。晴れた日はなおさら景色がいい。海を眺めるだけでも癒されますよ。

夜灯見荘は、古くからの顧客様に支えられて、ここまで来ました。顧客様(リピーター様)を大切にして、「また来てくれる、温かい旅館」を目指しています。

行ってみたい!と思われる方は、公式ホームページを検索してみてください。

いろんなプランが用意されていますよ。ぜひ!!

https://www.takezakikani.com

 

 

投稿日: 2020年7月15日 | 7:29 pm

アパレル業界を取り巻く逆風…。〜逆張り経営を考える〜

日本の生活文化といえば、「衣食住」に代表されるものです。世界中にそれぞれの民族に代表される、衣食住文化が存在しています。人間が人間である以上、文化的な生活をしたいと願うのは至極当然の現象なのでしょう。特に女性は、年齢にかかわらず「オシャレしたい」や「違う自分を発見したい」という願いを持つものです。

日本国内のアパレル業界を観察した時、その大きな特徴として「二極化現象」、「消費者支出の減少」、「販売形態の多様化」が挙げられます。それぞれについて説明しましょう。

「二極化現象」は、SPAと呼ばれる「製造小売業」の台頭によるところが大きい。低価格志向で勝負をかける大手企業(F社がその代表)が、巨額の広告費を注ぎ込み、”それなりの品質”のものを低価格で提供します。そして、国内のみならず海外での販売拡大により”一人勝ち”していく現象です。

業界の販売額シェアも、大手10社が総販売額の1/3以上を占めるほど二極化が進んでいると推察できます。

一方で、中小零細のアパレル販売(小売)企業も、地域に根差して粘り強く経営されている現場もあります。まさにそこは群雄割拠。それぞれのアパレル店舗が売上増に努力し凌ぎを削っている状況です。

次に「消費者支出の減少」を考察してみます。消費者は、被服に遣う所得は減額の一途を辿ります。それは、ファストファッションが業界を席巻し、低価格で”ある程度オシャレな服”が手に入るようになったことが大きいと考えられます。

最後に「販売形態の多様化」があります。ここ数年、ECサイトで洋服を購入する消費者が激増しました。わざわざ実店舗に出かけることなく、接客も受けることなく、洋服を購入できる仕組みはインターネットビジネスの普及とともに市民権を得ました。

このようにアパレル業界は、経済的な逆風に晒されているのです。しかしながら、この逆風に果敢に立ち向かい、独自の経営手法で業界に風穴を開けようとする中小企業があります。

株式会社ダケシタ。長崎市に本社を置く中小アパレル小売企業です。店舗名は「mare’t  me’t(マレットメット)」「ruchu(ルーシュ)」と言います。現在長崎県内に4店舗。福岡県内に7店舗を擁しています。スタッフ数は約60人。平均年齢は30代前半という若いスタッフが活躍する会社です。

これからもこのブログで、詳細に紹介していきます。

 

投稿日: 2020年7月14日 | 9:20 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【25】

【中小企業診断士の収入アップ戦略 〜基本(ベーシック)と専門特化(プロジェクト)のバランス〜】

収入がなかなか上がらない、思うように稼ぐとができない…とお悩みの中小企業診断士も多いことでしょう。明らかに言えることは、「稼ぎ方という方法は存在しない」ということです。

このブログで再三にわたり、主張していますが大切なのは「想い」や「姿勢」といったハート(心)です。

いかに、クライナントの立場に寄り添い、現場・現実を注視、観察して正しい現状認識をする。その上で、経営パフォーマンス向上のための支援を個別具体的に提案して、実行していくこと…が重要なのです。

中小企業診断士として、理想的なクライアント様との関わり方は、基本的(ベーシック)なコンサルティングを提供して”伴走”していくこと。ベーシック・コンサルティングとは、経営理念を見つめ直し(策定し)、中期経営ビジョンを策定(見える化)し、単年度経営計画書を作ってPDCAを回すことに他なりません。

中小企業経営は、課題の連続です。次から次に発生する経営課題に、真正面から対峙して解決に導くためには、経営計画書のモニタリング会議(経営会議)への関与は必須です。

その上で、コストと手間と時間を要する大規模な経営課題(各種制度づくりを含む)には、専門特化ソリューションを提供するプロジェクト型支援を実施します。その際には社員をプロジェクトメンバーとして巻き込み、社員教育を兼ねた取り組みをしていくことが理想です。

あくまでも、ベーシックコンサルティングとプロジェクトコンサルティングのバランスが重要なのです。

投稿日: 2020年7月10日 | 11:04 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【24】

【中小企業診断士のタブー戦略 〜圧力型コンサルティング〜】

これは、プロとしての姿勢が問われる問題なのですが、中小企業経営者に対して”上から目線で”説教する、中小企業診断士がいます。とても残念な光景です。そこには、中小企業経営者に対する”敬愛感”も”リスペクト感”もありません。

このような支援を”圧力型コンサルティング”と言います。何度も何度も訴えますが、中小企業診断士は”先生”でも”教授”でもありません。

経営者を伴走型でサポートする、パートナーです。中には”先生として指導してほしい”と言われる経営者もいらっしゃいますが、小生はそのような経営者と、お仕事をしないようにしています。経営の意思決定は、あくまでも経営者の仕事だからです。

もちろん、中小企業診断士はその全知全能と経験、ネットワークを駆使しながら全力で経営のサポートを担う覚悟が必要です。

ですので、上から目線の圧力型コンサルティングはナンセンスなのです。

中小企業診断士は、経営コンサルタントのプロであり、経営のプロではないからです(法人化している中小企業診断士は別です)。

伴走型コンサルティングと圧力型コンサルティングは、根本的に発言(助言・アドバイス)が違ってきます。これはとても大きな違いであり、「書き、話し」を生業とする中小企業診断士にとっては生命線なのです。

そして、圧力型コンサルティングは限界がきます。限界が来て、経営者に飽きられます。なぜなら、正解のない経営の世界で、ただ一つの答えを提示するのは至難の技だからです。

投稿日: 2020年7月9日 | 9:39 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【23】

【中小企業診断士のタブー戦略 〜総論提案と丸投げ支援〜】

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士は、そのミッションの対して常に高い理想と価値を求めなければならない…と考えています。コンサルティングとは何か?「個別具体的な経営課題に対して、個別具体的な手法(経営戦略)で、個別具体的に解決すること」です。ところが、多くのコンサルタントを名乗る輩(中小企業診断士にも散見されるから厄介です)が、総論的な経営提案に終始していると思われます。

この現象は、同志として非常に残念なことであり、質の高いコンサルティングは、”ハンズオンでクライアントに寄り添う”ことなのです。また、経営コンサルティングの基本姿勢は、「経営の実態に”肉薄”し、その事実を観察確認すること」からスタートします。

文字通り”肉薄”ですから、コンサルタントの”眼”が生命(いのち)です。目だけではない、五感です。五感は、「視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚」を指します。つまり、「自らの目で見て、味見して、匂いを嗅いで、耳で聴いて、触ってみる」という行為自体を”肉薄”と言います。

総論型コンサルタント(中小企業診断士)の具体的助言例は「◯◯ができていないので、できるようにしましょう。」「⬜︎⬜︎が不足しているので、補うようにしましょう。」です。

一方で、具体的提案型コンサルタント(中小企業診断士)の具体的助言例は、「◯◯ができていないので、できるように具体的なアクションプランを立案し、スケジュール化しましょう。一緒につくりますよ。」です。

全く違いますよね。中小企業経営者が、信頼してくれるのはもちろん後者です。

投稿日: 2020年7月8日 | 10:48 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【22】

【中小企業診断士のタブー戦略 〜社員締め付け戦略〜】

以前所属していた会計事務所時代の、上司の言葉。「業績向上計画を策定するためには、人件費削減が最も最優先される…。」このような人件費削減戦略は、はっきり言って愚策です。

プロの中小企業診断士ならば、まずは業績向上戦略(増収戦略)を考案しなければ価値がありません。

利益の源泉は「売上」にありますから、まずは売上をアップさせるためのマーケティング戦略立案が最優先戦略となります。あたりまえですが…。

このように、「社員締め付け戦略」を経営者に提言・提案する中小企業診断士は、プロではないのです。ところが、このような3流戦略を平気で、提案するコンサルタントがいるから困ったものです。

人件費削減だけではありません。営業成績や販売実績を検証する際、3K(勘、根性、経験)を打ち出してスタッフにプレッシャーをかける戦略も全時代的に実施している企業もあります。

現在のように成熟した経済環境において、全時代的に社員にプレッシャーをかける営業戦略手法は、もはや化石と言えます。

 

企業の業績は、全社(できればボトムアップ型)で戦略を立てて、的確・確実にPDCAを回していく…。対策をチームで考察し、実行していく仕組み作りが必要です。

企業の業績責任は、100%経営者にあります。

 

社員を締め付けるよりも、モチベーションを上げて「頑張ってもらう」戦略立案の方が、よっぽど価値がありますし、良策なのです。

そのための個別具体的な戦略を提案し、スケジューリング、見える化して実行支援できる。そんな診断士を目指したいですね。

 

投稿日: 2020年7月7日 | 9:00 pm