経営者・幹部はアナウンススキルを磨く…。

”想いを伝える力(パワー)”というものは、リーダーにとって必要不可欠なスキルだと考えています。企業経営を見た場合、意志を奮い立たせるような経営者の発信力は、メンバーのモチベーションを上げるために有効です。

同時に、会議やプロジェクトの内容を社内浸透させるには、アナウンススキルが必要です。会議決定事項が組織浸透するには、社内にムーヴメントを起こす必要があるからです。

「どうせ会議メンバーだけで話し合って決めているないようだろ…」などと、第3者的な空気が組織に流れてしまうと、せっかくの会議内容が無駄になってしまうことがあるのです。

プレゼンテーションといってもいいでしょう。リーダには絶対に身につけてほしいスキルです。

昨今のコロナウィルス蔓延による社会経済情勢の悪化は、社員・構成メンバーの先行き不透明の不安感を助長しています。

こういうときにこそ、リーダーのリーダーシップが試される…。

会社の方向性を決定し、揺るぎない信念のもと戦略を打ち出し、その内容を堂々と社内外にアナウンスしてください。

先行きが不透明なときの不安感は、構成員のモチベーションを下げます。そして、モチベーションの低下は業績の悪化を招きます。

モチベーションを維持し、向上させるためには不安を取り除いて上げることです。不透明感を透明(クリア)にするこです。

今こそ、経営者はじめとしたリーダー(部門長)のアナウンス力・プレゼンテーション力が試されるときです。

投稿日: 2020年4月2日 | 8:40 pm

いい会社プロジェクト−6 〜田島興産のキセキ〜

令和2年4月1日。佐賀市の田島興産株式会社では、新入社員入社式と新年度(第60期)の経営方針発表会が開催され、小生もお招きいただき取材を兼ねて伺いました。

コロナウィルスの集団感染に最大の注意を図り、全員がマスク装着、窓を開ける換気もこまめに行いながらの進行です。

感動したのは、新卒新入社員の挨拶です。まだ20代前半の若者とは思えない、堂々とした発言。今年入社した二人の若者は、それぞれの部署に配属され、独自の育成プログラムで成長していきます。

マスク姿…仕方ないですね。けれども二人ともとてもかっこよかった!

田島興産株式会社には、昨年度の新卒採用枠への学生エントリーが260人を超えています。

その後の一次審査には、47名の学生が応募。何度かの審査を経て、晴れて二人の若者が入社しました。

選ばれる企業には、選ばれる理由があります。人が集まるためには、”いい会社”になること…。このことを証明してくれる会社です。

 

入社式の後は、経営方針発表会でした。

写真は田島社長の方針表明です。

そのほか、各部門長からの方針発表プレゼンテーションがあり、社員全員にシェアされました。

経営方針発表会は初年度の進む方向を指し示して、意志を共有する大切な取り組みです。

コロナウィルスで多くの中小企業が苦境に立たされる中、理念経営を実践していけば”経営基盤は揺らがない”ことを証明してくれるでしょう。

こんなステキな会社にいただいたご縁に感謝して、これからも誠心誠意お手伝いしていきたいと思います。

投稿日: 2020年4月1日 | 8:53 pm

”ご縁”を大切にして生きる…。

昨日、志村けんさんが亡くなりました。コロナウィルスに感染し、肺炎が原因という…。子どもの頃、「8時だよ!全員集合」でどれだけ笑ったか…。若い頃体調を崩し、入院した時も「ドリフの大爆笑!」でどれだけストレスが解消されたか…。

あの志村けんさんが、まさかコロナであっけなく亡くなるなんて…。本当に悔やまれます。

 

中小企業診断士は、「人と会う」仕事です。人に会い、人と話し、人から聴き、人へ助言する…。まさに人間同士のふれあいが最も大切になる仕事です。

だからこそ、ご縁を大切にしたい。

縁あってお手伝い(ご支援)することになった、クライアント様や経営者、スタッフの皆様には須らく幸せが訪れて欲しいと心から願っています。

志村けんさんのような、メディアを通じて本当に大勢の方々を元気にすることは、叶わないかもしれません。しかし少なくとも、小生の世界観の中に生きている方々には、元気と勇気を届けたいと心から思います。

今日は令和3月31日。コロナウィルスが猛威をふるい、政界的な社会問題となっている今日。

自分は何ができるか…?何をもってお役に立てることができるか…?

考えさせられた、志村けんさんの訃報でした。

これから社会全体がどうなってくのか…まだ不透明で分かりません。

以前のブログにも書きましたが、「今やれること。やるべきことを粛々としっかりやり、来たるべき終息に備える」ことが最も大切なのです。明けない夜明けはありません…。

投稿日: 2020年3月31日 | 9:01 pm

新規出店、新事業所進出の判断基準

7年ほど前のことです。小生はある飲食店のコンサルティングに携わっていました。その飲食店は、3店舗目を出店し、すごい勢いで売上を伸ばしている新進気鋭の会社でした。

独立を機にご縁がなくなりましたが、その後の勢いもとどまることを知らず、令和現在約10店舗に広げているそうです。

先日ある知り合いから、その会社が”危ない…”という情報を聞きました。新規出店の連続で、資金繰りが行き詰まり、倒産のリスクにさらされているとのことでした。

ほんの数年前までは、勢いの止まらなかった会社の業績も、落ちていくのはあっという間です…。

コロナウィルスで、さらなるリスクにさらされておられることを察します。本当に頑張って立ち直って欲しいと思います。

さて、新規出店や新事業所進出の判断基準は、”損得”であってはなりません。千載一遇のチャンスとばかりに新規出店を決断し、資金繰りに困窮して事業自体が失敗したというケースは枚挙に暇がありません。

その判断基準は何か…答えは”人(ヒト)=人財”です。

この人間になら、新しいお店(事業所)を任せられる!といった自信と経営者としての覚悟が必要です。

間違っても、任せる人財もいないのに「立地がいいから…」とか「家賃が安価だから…」などといった損得の理由で進出を決めないようにしてください。

断続的な新規出店(拠点)は資金繰りの悪化とともに、経営理念の希薄さというソフトリスクも伴います。そこが大きな大きな落とし穴なのです。

 

投稿日: 2020年3月30日 | 10:54 pm

大胆で徹底的な差別化を…。

ブランディング戦略が、中小企業の経営戦略において中心になることは間違いありません。コロナウィルスが、大きな影響を及ぼしている昨今においても尚更です。

自粛ムードが拡大している今日においても、流行っている飲食店は満席ですし、人気の小売店は昨年比を大きく落とすこともある程度回避しているからです。

昨今においても、行列ができる店は存在しています(東京や大都市圏は違うかもしれませんが…)。福岡市内などもまだまだ、元気なお店は元気です。

さて、このようなブランディングの源泉は何なのでしょうか?小生は、長いコンルティング業務の経験から、それは「大胆で徹底した差別化戦略」であると答えを導き出しています。

差別化は「こだわり」や「譲らない想い」などが根幹となるわけですが、もっとも避けたい戦略はやはり価格競争であると断言します。

つまり、ブランディング戦略を日頃から手がけて努力を惜しまないことが大切です。そのような企業が、この厳しい環境の中を生き残れる。

大胆で差別化された経営戦略は、”逆張り経営”とも言えます。我が社は”何”で差別化し、大胆な経営戦略を投下していくか…今こそ経営手腕が試されます。

今はまさに淘汰の時…。

「人(社員、お客様、取引先)を大切にした経営」を実践しているか?

「損得でない善悪判断の意思決定」をしているか?

「経営理念を我が社の目的として組織浸透」をしているか?

「”やり方(テクニック)”ではない”あり方(姿勢やハート、マインド)」を大切にしているか?

様々なホンモノの経営手法の真価が問われるとき…です。

投稿日: 2020年3月29日 | 9:43 pm

計数管理は経営(商売)の基本

コロナウィルスの猛威により、とてつもなく厳しい経済環境にさらされている今日。資金の確保は、中小企業にとって最優先戦略であることに間違いはありません。政府系金融機関を中心に、緊急融資を発動させていますが、制度を利用した早めの資金確保をお奨めします。

一方で、資金は管理が重要です。資金管理は、日頃の経営計数管理が必要不可欠です。時々、計数管理ができず、経理任せ会計事務所任せにしている経営者を見受けますが、とても危険です。

「私は数字が苦手で…」というのは、一昔前までは通用した考えです。モノを作れば売れた時代や、美味しいモノを作ればお客様が来てくれた時代のもの…。

現在のようなマーケティングや人財重視の経営が大切な時代においては、計数管理は経営にとって絶対条件となっています。

押さえておくべき計数知識を列挙しておきます。

①”売上”の意味と分解公式 ※詳細は本ブログを検索ください。

②粗利益(売上総利益)の意味と原価管理、原価計算

③コストマネジメント(現在経費と未来経費のバランスマネジメント)

④営業利益の意味と向上管理

⑤損益分岐点売上(BEP)の算出方法

⑥キャシュフローマネジメント 資金繰り表の策定よる現金管理

⑦バランスシート(B/S)の仕組み(簡易的な)と理解

⑧自己資本比率(安全性)算出方法

⑨売上高経常利益率(収益性)算出方法

⑩借入金返済計画管理

以上です。最低限の10点の計数管理ポイントです。起業家・経営者・商売人であるならば、資金リスクの管理は最低限の知識・スキルです。

投稿日: 2020年3月28日 | 8:39 pm

単年度経営計画書…作っていますか?

3月が決算月という中小企業が多いと思います。決算というのは、1年間の総括をするいいチャンスではありますが、過去は戻れないという現実もあります。

決算の捉え方は、「次年度の戦い方を考案する日」と意識したほうが賢明です。

そこで、経営計画書が必要になるわけですが、これを策定していない中小企業があまりにも多い。

経験上、最低でもスタッフが5名以上になった場合は、単年度経営計画書の策定が絶対に必要です。実際は、代表者一人で手がけるビジネスも経営計画書があったほうがいい。

小生は、単年度経営計画書を「羅針盤」と呼んで策定を推奨しています。当然、策定するだけではなくそれをもとにPDCAを回していくマネジメントサイクルが重要となるわけですが…。

会計事務所が作る経営計画書は、残念ながら数字だけの羅列である場合が多い。数字だけの計画書は、全く意味がありません。

経営計画の「計画」とは、数字の計画ではなく”数字(業績)を達成するためのアクション”計画なのです。

安定した業績を叩き出す中小企業は、この経営計画書を策定して運用しています。常にPDCAの”C=Check:検証”と”A=Action:改善”が大切であることをよくよく認識しています。

また、このようような時勢だからこそ、不測事態に対応するためにも経営計画書の策定・運用をオススメします。

単年度経営計画書…?それどころじゃないよ〜〜なんて思われている経営者の皆様。言っているうちは、安定的な経営基盤ができず、10年後も同じことで悩んでいますよ。

投稿日: 2020年3月27日 | 11:31 pm

依存型ビジネスモデルの危険性

「中小企業経営と大企業のそれは、根本的に違う。生きているステージが違うのだ。」というのは、恩師・坂本光司先生の言葉です。中小企業には、中小企業の”やり方””生き残り戦略”があります。逆に、中小企業経営の禁じ手もあります。

中小企業経営で、”やってはならない禁じ手”の代表格は「価格競争」。中小企業経営の基本戦略は「高品質・高価格・高付加価値」戦略だからです。できるだけニッチな市場を狙い、一点突破の特化型戦略がふさわしい。

しかし、大きな落とし穴に気づく必要があります。それは、ニッチを責めるのと特定市場(お客様)に依存することとは全く違うということです。

中小企業経営は、適度な分散戦略が必要不可欠です。特定の市場(お客様)、特定の仕入先・外注先、特定の支援先(金融機関など)…。依存していると、外部環境に大きく左右されます。

特に現在のようなコロナウィルスに影響された緊急経済環境においては、なおさら依存を避けてリスク分散を図りましょう。

市場(お客様)の依存は、B to Bビジネスの場合”連鎖倒産”のリスクがあります。下請け企業のリスクが、その代表例です。

また、ビジネスモデル自体の一本化もリスクが高い。中小企業と言え、複数のビジネスモデルを立ち上げて軌道化する必要があります。

金融機関もそうです。リレーションシップバンキングを、複数の金融機関と展開したほうがベター。

仕入先・外注先も、複数の良好な関係先を構築しておきましょう。関係先のセレクトは損得判断でなく、我が社の理念・価値観にマッチするか、我が社の品質を厳守してくれるかなどの基準で判断していきましょう。

投稿日: 2020年3月26日 | 8:32 pm

知的財産経営が推奨されるとき。

中小企業の経営資源は、経営学上では「ヒト」「モノ」「カネ」「ジョウホウ」…と言います。設備投資なをして、効率化や生産性向上を狙うことはとてもいいことだと言えます。

たしかに、機械設備や情報設備(ITツール)などを取り揃えて、経営パフォーマンスの向上をさせることは企業の業績を向上させる可能性が大きいですよね。

一方で機械や情報ツールの設備投資は、コストがかかります。金融機関融資で、投資コストを賄おうとする場合は資金繰りを圧迫する場合があります。

そこで、中小企業こそ知的財産開発経営を奨めます。

知的財産は、「特許」「実用新案」「商標」「意匠」「著作権」などがあります。

「特許」と「実用新案」は発明を保護するものです。保護期間が違い、高度なものが特許、比較的簡易なものを実用新案で保護します。

「商標」は、サービスや商品のマークや文字保護。「意匠」はデザインの保護をします。

「著作権」は出版や音楽制作、絵画などの創作物を保護します。

この知的財産経営は、人間の知恵(叡智)がモノを言います。競合他社に圧倒的な差をつける、インパクトの強いオンリーワン戦略と言えます。

中小企業こそ、設備投資の前に知的財産開発に対する投資をすべきだと思います。

今、コロナウィルスの影響で厳しい経済環境にさらされている中小企業は、このような時にこそ知的財産開発を進めてはいかがでしょうか?

自社のノウハウや独自のサービスなどを法律で保護し、オンリーワン経営(ブランディング)を確立することができかも知れません。

 

投稿日: 2020年3月25日 | 8:14 pm

利益よりも大切な経営要素

例えば目の前に多額の利益が見込める事業案件があったとします。その利益を獲得するために、全社一丸となって取り組むことはとても貴重で、価値のあることだと思っています。

一方で、リスクも発生します。

経営というのは、いついかなる時も長期的な視野に立って思案し、戦略実行していく必要があります。

長期的な視野に立つ場合、利益よりも優先しなければならない経営判断が発生するのです。

例えば、大切な経営会議やスタッフ教育が予定されている場合、業務(事業)優先で会議を延期・中止するということは、長期的な経営判断とは言えません。

”経営が明日にでも傾く危険がある”ならまだ分かりますが(その場合は、事業よりもむしろ資金確保が最優先ですが)、「行き当たりばったり」経営は大変なリスクが発生します。

経営は「足元を固めてじっくりと取り組む」ことが理想であり、強固な経営基盤はスタッフのモチベーションや意志の共有・共感が不可欠です。

モチベーションを上げて、スタッフ・メンバーの成長を促す社員教育や、意志と情報の共有を図る会議などは、売上や利益を上げることと同等の(いやそれ以上の)価値ががある経営要素なのです。

コロナウィルスの蔓延による経済環境の激変で、売上・利益確保のための戦略実行はもちろん大切です。しかし、一方で会議や教育に関する時間とコストの確保は、長期的視野に立った経営として外せないファクターと言えます。

このような時期にも、あわてず焦らず、できることを粛々と実施し、来たるべき終息時期に向けて準備をする。経営基盤の強化にブレずに取り組んでいくことです。

投稿日: 2020年3月24日 | 11:09 pm