経済の緊急事態に対応する中小企業経営−2

「仕事は創り出すものである」…これは、緊急事態に至っても変わらない考え方です。いつなんどきでも、”仕掛け”という戦略は萎縮してはいけません。

”仕掛け”の考え方、手法が違ってくるだけです。

マーケティング活動の場合、無理な訪問アプローチによる営業活動は、今の時期に自粛するしなかない。なぜなら、取引先も”その状況ではない”ことが予想されるからです。

緊急事態のマーケティング活動は、マンツーマンマーケティングの実践と徹底です。例えば、「お得意様にニュースレターを発行する」「自社製品・サービスのオンリーワンを訴求するための写真・動画を撮影し、ホームページにリンクさせる」…などなど、打ち手は無限にあります。

今現在ホームページがないという事業者は、作成に着手することもいいでしょう。

幸い、令和元年補正「小規模企業持続化補助金」第一弾(令和2年3月31日締め切り)も発動されています。

新商品開発や新サービスの開発も、今の時期に実行すべき戦略です。極端に言えば、この緊急事態を逆手に捉えて、普段なかなかできないことに着手するのです。

そして人財育成・人財教育です。

前回の記事で書きましたが、資金確保は緊急事態には最も最優先する戦略です。資金計画表を絶対に策定してください。

その上で、やるべきことを粛々とやる…考え方に変わりはありません。

もちろん、それどころではない…と対応に追われている経営者もいらっしゃるでしょう。

一方で、緊急事態には対応した経営戦略があり、平常時と比較して優先順位が違ってくるのです。

投稿日: 2020年3月13日 | 9:01 pm

経済の緊急事態に対応する中小企業経営−1

コロナウィルスの蔓延で、苦しい経営を強いられている中小企業も多いことでしょう。このような緊急事態には、その環境に対応したオペレーションを考えていく必要があります。

まず、経営体力のバロメーターである「カネ=資金」を確保することです。幸い日本政府が緊急事態融資を奨励していますから、すばやく資金確保に着手することが最優先事項となります。

そのためには、的確で分かりやすい資金繰り計画表を策定して、現状の売上推移予想で大丈夫なのか?または、いつまで資金が持つのかを計画・構想します。

大切なのは収入(売上)を昨年比よりもダウンとして予想することです。人が動かず、経済(世の中のお金の流れ)が停滞することで売上は減少傾向です。

資金繰り計画を策定したら、早めに資金確保に動きます。この際、借り入れは”可能額いっぱい”で申請することが大切です。小生は、「中小企業無借金経営奨励コンサルタント」ですが、今は緊急事態です。

資金難で倒産することを考えた時、潤沢な資金(借入金)から返済をしていけばいいのです。

この経済緊急事態が収束し、自粛ムードが改善していけば持ち直していくでしょう。

コストも見直す必要があります。

コストには「未来型コスト」と「現在型コスト」があります。このブログでも何度も訴えてきましたが、

「未来型コスト」…人件費、広報費、開発費、営業費など…これを削減すると経営体力が落ちていきます。

「現在型コスト」…水道光熱費、消耗品費、交際費、地代家賃など…ちょっとしたカイゼン活動や削減意識の積み重ねでコントロールします。

タブーは、取引先に過度の減額要求や打ち切り要請をすること…です。緊急事態はいつまでも続きません。この厳しい経済環境は必ず終息します。

来たるべきときに備えて、やるべきことを粛々とやる…それだけです。

投稿日: 2020年3月12日 | 10:55 pm

家業から企業、そして軌業へ

経営(商売)は、成長過程があります。まず、商売のはじめ(スタート)は家業と呼ばれるフェーズです。

社長がひとりで事業をスタートさせるステージは、この家業と呼ばれます。それは、個人事業であれ法人であれ一緒。姿形は法人という形態を取っていても、実際は個人事業的なオペレーションをとっている場合も多いのです。

これは考え方ですが、”ずっと個人商店(家業)のままでいい”という経営者もおられます。また、拡大戦略を取って、人を採用し、企業へ成長させることを目標としているひともます。

家業から企業への転換は、人(家族以外の第三者)を採用して時点からスタートすると考えます。

人を採用し、人材を育て、人財と共に経営を営む…これが企業というものでしょう。

ただ、人を採用して育てていくと、様々なシステム(制度やガイドライン)が必要になってきます。

就業規則を整備するのは当たり前ですが…。

経営理念を創出し、中期ビジョンを明確にし、単年度経営計画書を策定する。そして、各種戦略をスタッフを巻き込んで立案していく…。

教育制度や人事考課を設置するなどなど…。

これは、軌業(きぎょう)と呼ばれるフェーズだと考えています。

”軌”は、わだちとか通った跡などの意味があります。ですので、跡を残す業となる成長段階が軌業です。

もし、経営者が自社の成長(拡大戦略)を取ろうと思ったとき、その中心資源である”人=ヒト”を成長させる各種システムを構築していくことが重要です。

その着手と整備・構築を怠ると、いつまでも家業・企業(家業的経営)から抜け出すことは困難になります。

投稿日: 2020年3月11日 | 9:55 pm

いい会社プロジェクト−4 〜田島興産のキセキ〜

佐賀の元気印企業、田島興産株式会社にご縁をいただいて間もなく1年になります。この1年、訪問するたびに感心することが多かったこと…。あらためてご縁に感謝しています。

田島興産には、採用プロジェクトというものがあります。毎年、大卒の新入社員を採用すべく1年にわたるプロジェクトを走らせるものです。

このプロジェクトがスタートしたのは6年前。

田島興産には、プロジェクト支援でお伺いしていますが、CS(顧客満足度)とRS(関係先:協力会社満足度)の向上プロジェクトに参加している新卒2年目(間も無く3年目に突入)の女性スタッフがいます。

名前は、松尾明日香(あすか)さんと言います。

入社以来、総務部の所属で顧客管理システムなどを担当してましたが、来年度4月からは営業部に所属する彼女。営業を希望したのは、お客様の直の声を聞きたかったからだとか…。いや〜しっかりしています。

明日香さんは、佐賀大学文化教育学部出身の現在24歳。

彼女が田島興産に入社しようと思ったきっかけは、「佐賀県になくてはならないこの会社(田島興産)を、幸せにしたい」と思ったからだそうです。

今回、明日香さんをこのブログで取り上げた訳…それは、いつも彼女の目的意識と課題意識の高さに感心しているから…です。

プロジェクトに臨む姿勢、熱意、現状に満足しない意識の高さ…将来が本当に楽しみ人財です。

直属の上司(田島みゆき専務)に聴きました。

彼女の特徴は「自分で動き、周りをいい方向に変えていく”うねり”を生み出すことができること」だそうです。

さて、田島興産が新卒採用をスタートさせてから、社内の空気が変革していったそうです。理念を大切にして、理念に向き合う社風が形成されていった…。

経営理念を社内外にまで行き渡らせ、実直にひたすらに理念に向き合っていく経営を実践する田島興産株式会社。

支援者として、誇りに思う会社です。

投稿日: 2020年3月10日 | 10:48 pm

商売・経営・ビジネスの目的…。

以前経営に関するセミナーをさせていただいた時の話…。セミナー終了後に、参加者から問われた質問を思い出します。

「あなたは、商売の目的は◯◯◯と言われましたが、私はそうは思わない。商売は”いかにお客さんをその気にさせ、お金をもらうこと”です。」

その参加者は、若い女性の起業家で保険代理業をされている方でした。今日、車の運転移動中に、なぜだかシーンを回想したのです。

あの時の方の商売が、後にどんな状況になったか定かではありませんが、何とか商売が軌道に乗っていることを祈るばかりです。

商売というのは、儲けてナンボという類のチープなものではありません。それは、経営もビジネスも一緒です。何度も訴えていますが、”儲けは商売を頑張った結果現象”にしか過ぎません。

「お客様をその気にさせてお金をもらう…」これもひとつの価値観だとは思います。しかしこの考え方は、いつかお客様に伝わり、客離れというもっとも避けるべき事態に陥ることになります。

特に日本という国内で生まれた我々は、独特の企業文化と人間としての価値観があります。

「困っている人に手を差し伸べる」「損して得取れ」「利他の心」「おもてなし」…。日本的経営の特徴を表している言葉は本当に美しい。

日本における商売・経営・ビジネスの目的は、「社員・お客様・関係先(仕入先・外注先など)」を幸せにすることです。

その価値観に向けた経営理念を掲げて邁進する企業が、お客様から選ばれることになり、結果として”儲ける”ことができるのは、歴史が証明していることなのです。

 

投稿日: 2020年3月9日 | 9:23 pm

仕事ができる人の仕事ができる条件。

経営コンサルタントとして、毎日のように中小企業経営の現場に赴き、そしてサポート活動をしていると様々なことに気付きがあります。

近年の”働き方改革”という国家方針のもと、実態に即さなな制度に困惑する中小企業。また、働くことは喜びであるはずなのに、被害意識が芽生え始める企業人。

仕事というのは何のためにするものなのか…?この命題が腑に落ちていない人は、仕事自体の喜びや愉しみを味わうことがなく、疲弊感がつのっていく傾向にあります。

仕事は”できる”ほうが都合がいいに決まっています。”できる”とは、「ミッションに対する信頼感を周りから得られるような頑張りをすること」であり、決して”捌ける(時間内にこなす)”ことだけではありません。

では、その信頼感はどんなタスク(業務)から来るのか?

それは、「事前準備」というものだと考えています。

例えば、会議に臨み自らの発言(議案)を説明・プレゼンできるための資料を”事前準備”すること。

お客様に訪問する際に、お客様情報を頭に入れて、プレゼンのシミュレーションをしておくこと。

明日の事務のために、帰宅前に資料を整理しておくこと。

次の作業工程のために、今現在できる工程表を事前策定していくこと。

どれもこれも事前準備と呼ばれるタスクです。

中学・高校瀬の頃…予習をしておくと、授業が何となく楽しみであったように、仕事も予習がもっとも”できる人”の条件なのです。

また、スケジュール管理も大切です。決まった納期(提出日)に書類を出すのは当たり前。できる人は、数日前に提出し、加筆修正のアドバイスを受けてさらに高品質なものに仕上げるものです。

学習もスポーツも仕事も、事前準備を徹底することが、仕事ができる最大の条件なのです。

投稿日: 2020年3月8日 | 11:00 am

中小企業診断士(経営コンサルタント)の品位…。

マスコミを賑わす”自称経営コンサルタント”の不祥事。これは結構な確率で発生しますよね。法に触れるような詐欺や詐欺まがいの仕事をするコンサルタントが存在すること…これ自体大迷惑な話です。

特に我々のような国家資格・中小企業診断士を名乗っている専門家は、相手が中小零細企業である場合がほとんであり、悪質なコンサルティングは死活問題となりかねません。

経営コンサルタントという職業は『企業のお困りごとや課題を解決支援する専門家』として、誇りをもって仕事をしたいものです。

品位…まさにこれを保ち続け、高品質なコンサルティングサービスを提供することに挑戦しなければ、プロとは言えませんよね。

ところが、同じ経営コンサルタントを名乗る専門家のホームページなどを見ていると、「コンサルティング実績」と題して、「私が関わり、売上150%達成!」とか「営業利益◯◯円増額で、V字回復!」などとあたかも自分の”手柄”を公開、ひけらかしている輩が多いことに気づきます。

小生には、リスペクトする経営コンサルタントが何人かいますが、そのような表現はしません。絶対に!。

これこそ品位というものでしょう。名医というのは、自分の治療実績を自分で発表することはありません。

経営コンサルタントの立ち位置を常に振り返り、業績結果はクライアントの功績であることを忘れてはならないのです。

このようなチープで安っぽい表現を自社のホームページに掲載する、品位の低さ…。

同じ業界人として恥ずかしくなります。

投稿日: 2020年3月7日 | 10:10 am

中小企業診断士は稼げる資格である−20

中小企業診断士の仕事は経営コンサルティングです。当たり前ですが…笑。では経営コンサルティングとは一体なんぞや?と問われて、一言で回答できるプロは…?意外と少ないのが現状ではないでしょうか?

この命題はさておいて、後述しようと思います。

今回は、中小企業診断士の報酬の形について書こうと思います。これから、フィールドに出て中小企業診断士(経営コンサルタント)として活躍しようと思ってる方々に、少しでも響けば…と思っています。

成果報酬型コンサルティング(?)という言葉を使う輩がいます。経営コンサルティングに”成果”の定義はありません。

以前、公認会計士の先生に「クライアントを紹介したい。社長は成果報酬でフィーをお支払いしたいと言っている。どうか?」と言われたことがあります。その時は、即答で「お断り」しました。

ずいぶん甘く見られたものです。中小企業診断士のミッションは、クライアントの成果(これが売上や利益とするならば)を目的とするものではありません。

成果(売上や利益)は、あくまでもクライアント様が一生懸命頑張った末の結果現象なのですから。

経営コンサルタントが成果を上げたのではないのです。

中小企業診断士の基本的報酬の形は、固定報酬もしくはスポット報酬になります。

固定報酬は顧問もしくは定期プロジェクトの実施支援報酬として。スポットは、一時的な研修や期間限定の実施報酬として発生します。

売上や利益が◯◯%上がったから、報酬を◯◯にする…などの成果(?)報酬型契約は、締結しないようにしましょう。

成果というのは、測定が難しい。

先述したように、売上や利益の向上というのは様々な要因が絡み合い実現するものです。

”コンサルタントの成果だけではない!”ということを断言しておきます。

投稿日: 2020年3月6日 | 8:30 pm

コナイくんⅢ型誕生!

今日は熊本のクライアント、株式会社あんらくにお伺いしてきました。かねてよりの新開発商品「コナイくんシリーズ」のⅢ型が誕生し取材も兼ねて、打ち合わせにお招かれしたのです。

コナイくんシリーズは、株式会社あんらくの安樂英行社長が、鳥獣撃退と防犯を目的として開発した器具のシリーズなのです。

今回開発したⅢ型は、プロトタイプを改良して新誕生したスグレモノです!

こいつ…手のひらサイズなのです!

不審者を感知して、警報を発します。そして赤色灯が光り、訪問者ありとの報告を通信で送ってくれます。

防犯カメラや録音装置は付いていませんが、そんなものは不要。

要は、不審者(窃盗犯など)があきらめて侵入しないようにすれば良いのです。独居高齢者のご自宅や、長期留守にする人達向けの防犯器具「コナイくんⅢ型」。本当にかわいいやつです。

コナイくんシリーズを紹介しておきましょう。

Ⅰ型…鳥害・獣害対策用(ベランダ、庭、屋内設置型)

Ⅱ型…鳥害対策用(樹木設置型)

Ⅲ型…不審者、侵入者防犯用(屋外、玄関など設置型)

Ⅳ型…大型獣(アライグマ、ハクビシン、イノシシなど)対策用。

このシリーズは、新しい価値を創造し、新しい市場を開拓していくことを確信しています。

株式会社あんらくは、鳥害対策を手がけてきました。その過程で、獣害や防犯などのお困りごとに対処すべく、シリーズ化して「コナイくん」が開発、誕生しました。

今後の活躍とお役立ちがとても楽しみです!

投稿日: 2020年3月5日 | 11:07 pm

新しいご縁と喜びと幸せ…中小企業診断士の本懐。

今日は小生の古巣である、内田会計事務所(長崎市)の紹介で、ある経営者とお会いすることができました。

いつも思うのですが、新しいご縁は本当に嬉しいものです。それも、前職所属の会社からの紹介…。在職中は少しはお役に立てたのかな…。

前々職のコンサルティング会社では、上司と衝突ばかりしていました。価値観の全く違う上司(自称コンサルタント)から指示される悶々とした日々。

転籍した内田会計事務所では、本当に愉しく自由にお仕事をさせていただきました。今も時々、お声かけをいただきます。本当にありがたいです。

経営者から”お困りごと”をお話しいただき、小生の経験・研究から導き出した事例やアウトプットを助言いたします。

ご縁があった経営者から「勉強になりました」とか「考えか整理されてよかった」などと言われると、本当に嬉しいし、この仕事をしていて良かった…と思います。

仕事というものは、「喜びと喜ばれ」に溢れていたいものですね。それが人間の幸せというものではないでしょうか?

実際に報酬をいただくためには、この後の提案が大切なのですが、それは二の次。ご縁があれば経営のお手伝いをさせてただくことになるでしょう。無理強いはしません。

価値観の合う経営者との仕事は、本当にやりがいに溢れています。

ご縁があった中小企業が”いい会社”へと成長し、経営者・幹部・スタッフ・お客様が幸せになるプロセスをサポートして見守る…。これぞ中小企業診断士の本懐です。

 

投稿日: 2020年3月4日 | 10:44 pm