各種経営政策の優先順位

経営政策は大きく分けて4つの種類があります。経営資源別の政策です。経営資源は経営学では「ヒト」「モノ」「カネ」「ジョウホウ」と言われます。

それぞれの経営政策は、個別具体的に立案していく必要がありますが、当然優先順位があります。

どれもこれも同時並行で進めていくには、限りあるマンパワーしかない中小企業にとっては困難な話です。

では、どんな優先順位があるか?

その時の状況による…というのが正解なのですが、基本的なプライオリティはあります。

まず、立案すべき政策・戦略は「人財採用・育成戦略」です。そしてこれに伴う、チーム・組織構築戦略です。モノもカネもヒトが創り出す産物にしか過ぎない…は恩師・坂本光司先生の言葉。

中小企業経営の現場を駆け回ると、そのことを皮膚感覚で実感していきます。

優秀な人財がいれば、いい商品が開発できますし、お金も稼ぐことができます。

この人財採用・育成戦略とチーム・組織構築戦略を実行し、強い経営組織創り上げることが、経営者としての最大の使命であり、最大のミッションです。

この中には、人財が水を得た魚のように、自由にのびのびを自らのスキルや知識をフル活用し、活躍できる環境を整えることも含まれます。

経営者の中には、カネがもっとも大切な資源であると勘違いしている方も、まだまだおられます。

これはこれで価値観でしょうから否定はしませんが、その価値観で経営されている会社に”いい会社”は存在しないのです。

投稿日: 2020年1月21日 | 8:39 pm

損益分岐点から導き出すマーケティング戦略

損益分岐点売上高をご存知でしょうか?「この売上以上になると利益が出はじめるという分岐点」のことです。

英語では、『Break Even Point(ブレイクイーブンポイント=BEP)』といいます。

BEPは、未来会計(未来を描く企業会計)を立案・策定するのに必要な経営指標です。

公式は、

マーケティング戦略を立案する時、売上高の分解公式を念頭に入れなければなりません。

売上は、客数×客単価で算出されます。もっとも重要な(増やしていかなければならないのは)単位は、「客数」です…というのはこのブログでも再三訴えてきたところです。

客数といっても「誰でもいい」というわけではありません。「顧客」と呼ばれるファン層のことです。

小売店や飲食店などでいうと、リピーターと呼ばれる方々のことです。

この客数(顧客数)を、あとどれほど開拓すればBEPをクリアできるか…。これがマーケティング戦略の基本中の基本なのです。

客単価は、いわば「ひとりのお客様が支払うお金」のことです。財布の中身は限界がありますよね。

ですので、客単価を増やす戦略・戦術は二の次です。客数が増えていれば、客単価を上げていくオペレーション(戦術)は無限にあります。

反対に、客数が減ってきていると客単価をあげる戦術は限られてきます。マーケティング戦略においてもっとも避けたい事態は、「打ち手がなくなること」です。

打ち手さえあれば、打開できる…それがマーケティング戦略の考え方です。

投稿日: 2020年1月20日 | 7:13 am

命燃やすとき…

令和2年1月19日(日)。宮崎県新富町で開催された第24回座論梅空手道大会に出場してきました。2年ぶりの出場を決めたのは、40歳代最後の年だからです。

出場した枠は、マスターズ40+という部門です。すなわち、40歳以上男性で競う部門なのです。

宮崎県は、暖かいイメージがありますが、その日はとても寒かった。

大会は、幼児から一般の部、そしてマスターズ50歳以上の部まで、年齢・学年別で行われる組手のみの大会です。

40歳代最後の年(49歳)に、40歳以上の部に出場しようと思い立ったからです。

4年間に出場した時には、準優勝。2年前に出場した時は1回戦敗退でした。

この日も、今度こそは決勝戦に…という意気込みで臨みましたが、準決勝で敗退。

0−1の僅差だっただけに悔しい結果となりました。

反省点はいろいろありますが、今回はなんだか”やりきった感”がありました。この日に備えてしっかり準備してきた自負があったからでしょうか…。

試合自体をとても楽しめましたし、「命を燃やす」瞬間を存分に味わうことができました。

マスターズの部は、大人の試合です。互いにリスペクトしあい、互いに健闘を称え合い、互いに感謝しあいます。試合後は笑顔で握手…。笑。この瞬間が、とても充実感を感じます。だから辞められない。笑笑。

技はまだまだ、発展途上。まだまだ上手くなる自信があります。

習得していない技、ステップ、フットワーク。そして試合の駆け引きと断続的な攻撃…。

次回も絶対挑戦したいと思います。笑。

投稿日: 2020年1月19日 | 11:33 pm

経営基盤強化メカニズム−5

経営ビジョン書は、3〜5年の計画で立案していくことが、現代の経済状況では現実的です。経営ビジョン書を策定し中期ビジョンの方針を見える化した後は、現時点で何を実施していくか…という戦略の立案と実行に入ります。

戦略は、経営資源に基づいて立案していきます。

つまり「ヒト」「モノ」「カネ」「ジョウホウ(情報)」という切り口から立案していきます。

この経営資源別の立案方法は、並列であはりません。

最初に来るのが、「ヒト=人財戦略」です。つまり、ヒトを活かすための各種戦略立案と制度構築です。

組織構築戦略といってもいいでしょう。

内容は様々あります。組織図を構築し、指示命令系統を明確にする。

役職ごとのコンピテンシー(あるべき姿)を明確にして、その内容に徹底して沿った役職登用を決めていく。

モチベーションを上げるための人事考課制度を作る(あるいは整備する)。

社員教育制度を作り、人材を人財に育て上げる仕組みを作る。

様々な戦略がありますし、戦略を実行していくことが重要です。

組織構築戦略に繋がって(イメージとしてはぶら下がって)立案するのが、「カネ=財務戦略」「モノ=商品開発(調達)戦略」「ジョウホウ=情報発信(PR)戦略」です。

この3つの戦略は、ヒトが動かし組織全体で取り組むべオペレーションです。

よく、経営資源別の各種戦略を人財戦略と並列と位置付けるコンサルタントもいますが、全く間違いです。

経営資源で最も上位に来るは、「ヒト」(人財)です。他の資源戦略は、ヒトによって動かされるものだからです。

 

投稿日: 2020年1月18日 | 8:00 am

荒ぶる…

今年の大学ラグビー選手権大会決勝戦は、本当に面白かったですね。

昨年12月1日に開催された対抗戦決勝では、36−7の大差で敗れた早稲田大学が、1月11日に行われた大学選手権決勝で45−35で下し大学日本一に輝きました。

いちラグビーファン(にわかではありませんよ)としても、とても楽しめた、感動した試合でした。

今は社会人トップリーグが開幕したところです。

 

中小企業の組織構築や組織運営は、ラグビーチームのそれに似ています。

というより、大いに参考にすべき点が多くあります。

トライという最大の得点獲得に向けて、チーム一丸となって突き進む目標到達努力。

一人のトライゲッターのために、恐れずにタックルと挑む犠牲の精神は、経営においてのチームワークに必要な要素です。

15人という構成員(メンバー)が、それぞれの強みを生かした役割を認識して、向き合う役割分担認識力など…。

「One for ALL ,All for One」というラグビー自体に流れるスポーツ訓。昨年のW杯で流行語となった「One Team」という数々の言葉も、中小企業経営のエキスにつながる意味を感じます。

それにしても、今年の早稲田大学ラグビー部は強かった。たった一ヶ月で修正してくる修復力。チャンスを確実にものにする集中力。ミス(反則)のない試合運びをする締まった試合構成力…。

ラグビー素人の小生でも、強さが分かるチームでした。

優勝した時にだけ歌うことが許される、第二部歌「荒ぶる」もかっこよかった。

投稿日: 2020年1月17日 | 11:30 pm

中小企業診断士は稼げる資格である−11

AI(人工知能)の発展により、業務の存続が危ぶまれるということが囁かれている士業業界の中でも、中小企業診断士はサバイバリティが高いと言われています。

たしかに、未来志向型の経営コンサルティング国家資格である中小企業診断士は、過去のデータから仮説を出すAIが不得意な分野を担っていることが多いと感じています。

しかし、中小企業診断士でも”未来志向型の価値を創造する仕事”をなされていない方々も、結構な確率で発見されます。

中小企業診断士という国家資格を持っている「プロの経営コンサルタント」を自負する小生も、未来志向型を常に追い求めなければならないと、兜の緒を締めているところです。

中小企業診断士は、「価値と価値を掛け合わせて新しい価値を創る」仕事です。

そのスキル・姿勢・熱意をもち合わせることができれば、その守備範囲は無限である…このことはこのブログで再三訴えているところです。

”稼げる診断士となるために”…我々は、クライアントに対して満足度を担保しなくてはなりません。

「このコンサルタント(中小企業診断士)と縁があって良かった」と思ってもらえるようなパフォーマンスを提供していかなければなりません。

クライアント様と関わる理想的な形は、やはり経営顧問(参謀)として課題解決にあたることです。

中小企業経営は課題の連続です。個別具体的な課題を、個別具体的な手法で、個別具体的な解決をしていく…このことがクライアント様から最大限の信頼を勝ち取る方法です。

投稿日: 2020年1月16日 | 9:19 pm

見せ方・伝え方もクオリティ。

新商品開発や新規事業の立ち上げ・軌道化をお手伝いすることがあります。むしろ、この分野では負けたくないというのが本音であり、”ホンモノを創り(仕入れ)、ウリ出し”ていくためのコンサルティングを得意としています。

ブランディングで最も大切なのは「品質=クオリティ」であるというのが変わらない主張です。

例えば食品であれば「美味しい」。お洋服であれば「かわいい、美しい」。住宅であれば「おしゃれ感や丈夫さ」などなど。

商品によってクオリティの内容は違ってきますが、”間違いのない品質”というのは、中小企業経営のおけるブランディング戦略の中枢と言えます。

品質は、最も大切なブランディングのファクターであることに間違いはない。

そして、その商品の見せ方・伝え方にも”こだわり”を持つことは、単なる販促であるだけでなく”品質=クオリティ”の一部であるということに気づいてきました。

間違いのない美味しさや美しさを追求するたけでなく、その商品やサービスをお客様に訴求させるかという戦略も同様同等に重要であるということです。

モノやサービスが溢れている現代。差別化のためには、お客様に「まず最初に手に取ってもらう仕掛け」はとても大切な戦略です。

ですので、中身にこだわりを持つことと同様、見せ方のデザインやロゴ、キャッチコピーも”創り込み”が必要です。

たまたま手に取った商品を、お客様が”ワザワザ”手に取ってもらうようになる(リピート)ためにも、まずは最初の瞬発力ある見せ方・伝え方も同時に情熱を持って取り組みたいものです。

投稿日: 2020年1月15日 | 11:30 pm

”人から好かれる”という強み

仕事柄、人財とは一体どんなものか?という疑問を持つことがあります。主体的・自律的に物事を考え、押し進めることができる人材…と聞こえはいいのですが、なかなか育たないのが現実です。

はっきりしていることは、業務処理能力が高い人や営業成績が良い人が、必ずしも人財であるとは限らないということ。

経営者はそんな人たちを”人財”と勘違いして、重用しがちになる傾向があります。

小生が経験した中でも、そんな会社がありました…というよりそんな会社ばかりでした。

業務処理能力や営業成績は、人財にとって必要条件ではあっても十分条件でありません。すなわち、それは業務上のことであり、コミュニケーション力や協調性に欠けていれば、その人は決して人財とは言えないのです。

最近、人事考課制度の見直しや新しく創る仕事が増えてきました。

一時、成果主義型賃金制度という名のもと、かなりのコストをかけて創った人事考課制度。

全く使えないものが目立ちます。

成果を上げることは、なるほど自社に貢献度が高いことになるでしょう。

しかし、周囲の人に好かれない人は人財とはいえない。なぜなら、企業はチーム力が試される営みであり、人から嫌われる社会人は、逆に”人罪”となってしまうからです。

過去、たくさんの”そんな残念な方々”を見てきました。共通点は、「周りに責任転嫁する」「成果に対して貪欲すぎ」「ワンマンプレーが目立つ」「部下の手柄は自分の手柄」といった自己中心的なもの。

”人から好かれ、人から支えられ、人の役に立つことを信条とする貢献型人材”は、立派な人財なのです。

投稿日: 2020年1月14日 | 10:13 pm

遅ればせながらの初詣

今日は、家族で”遅ればせながらの初詣”に出かけました。行き先は、数年前から太宰府天満宮と決まっており、渋滞が予想される中のドライブとなりました。

令和になっての初めての正月ということで、まずは令和ゆかりの神社「坂本八幡宮」に行きました。

坂本八幡宮は、大宰府から2kmほど離れた場所にありました。

この神社周辺は、奈良時代の太宰府の長官であった大伴旅人(おおとものたびと)の別邸であったという説があるそうです。

坂本八幡宮を後にして、太宰府に向かいました。太宰府は我が家にとって何となくパワースポットになっている気がします。

しかし、今日も参拝客が多かった。

参道でご当地グルメの”梅が枝餅”を頬張りながら…。

1日1万個以上の梅が枝餅が焼かれるそうです。すごい…。それだけで120万円以上の売上です。

どうも、こんなところでも”商売”や”経営”を考えてしまう…職業病でしょうね(笑)。

息子が引いたおみくじも”大吉”でしたし、今年も楽しい一年になりそうです。

仕事に、趣味に、思い切り”生きるを愉しむ”一年にしたいと思っています!!

投稿日: 2020年1月13日 | 6:32 pm

経営基盤強化メカニズム−4

経営理念(企業理念、社是、クレドなどとも言います。以下経営理念)を進むべき方向性を示すベクトルとした時、理念に沿った中期ビジョンや事業計画を立案していきます。

今回は、中期ビジョン策定について記述します。

中期は概ね3〜5年計画のことを言います。近年は経済情勢がめまぐるしく変化していき、10年先の情勢は全くもって不明です。

例えば、およそ10年前までにクラウド会計がここまで進化し、会計事務所の存続を左右する技術として発展することを(予言する人はいたとしても)予想できたでしょうか?

ですので、中期ビジョンは3〜5年のスパンで計画立案していくほうがベターであると考えています。

中期ビジョン書の策定意義ですが二つあります。

ひとつが、企業の未来像を見える化して「経営者の指針とする」こと。その際、策定は「3〜5年後にはこうなっていたらいいな…」という願望を”届く範囲”で明確化することです。

「こうあらねばならない」という義務感的な策定や、「とうてい到達できない」という幻想的な策定もナンセンス。

ふたつめは、”社員スタッフの目標として見える化する”ことです。

所属する会社が3〜5年後に到達予想している未来像を示すことで、社員・メンバーのモチベーションは上がるものです。

そして経営ビジョン書は、単年度事業計画書と同様に数字の羅列だけでは意味がありません。

未来像を、各種政策ごと(人事政策、商品政策、財務政策)や拠点展開、投資予定などを盛り込んだ魅力あるモノに仕上げることが大切です。

投稿日: 2020年1月12日 | 11:51 am