小さな成功体験

社員やスタッフ、メンバーのモチベーションアップに課題を感じている経営者の方々が意外と多いものです。

強いチームは、高い成果を上げていきます。

中小企業は人財が全て。優秀なメンバーがいれば、いい商品が作れる(仕入れる)し、お金も稼いでくれます。

縁があって入った人材を、人財に育てたいと願うのは経営者の自然な考えだと思います。

仕事柄、メンバーのモチベーションを上げる方法を深く考えることが多いのですが、難しい課題であることに間違いはありません。

メンバーのモチベーションが、業績に直結することは様々な研究結果から明らかとなっています。

すなわちモチベーションが高い会社は、結果的な業績パフォーマンンスが高いということです。

逆に、業績が悪い会社は、モチベーションが総じて低い。

社員のモチベーションは、定期的に測定していく仕組みを作っておくことが大切でしょう。

さて、モチベーションアップのための手法の一つに、「小さな成功体験」があります。

人は「何かを成し遂げる」ということに喜びと満足感を感じます。何らかのミッションを付与し、そのミッション(ミニマムでいいのです)を達成する喜びを感じる仕組みを作ります。

社内プロジェクトへの参加、企画書の策定、書類の整理業務でもいいでしょう。

何かの”コト”を成し遂げた時の喜びや達成感を感じて、会社として”認め、褒める”社風を創り上げる事が、社員・メンバーのモチベーションを上げる手法のひとつです。

投稿日: 2020年1月11日 | 10:00 am

中小企業診断士は稼げる資格である−10

経営理念の創出支援、経営ビジョン書・単年度経営計画書の策定支援は、中小企業診断士にとって基本中の基本の仕事であり、実現すれば多くのクライアントから感謝される仕事です。

単年度経営計画書は、多くの会計事務所が作る事業計画書と違い、中小企業診断士のプロのなせる技が試される重要な仕事であると言えます。

事業計画書は、単なる業績計画数字の羅列では意味がありません。

数字の計画には、”計画の根拠”が必須です。数字は売上、粗利益(売上総利益=売上ー売上原価)の計画作りが、第一に来るでしょう。

基本的には前年の数字を基準にして策定していきますが、よほどの改革要素がない限り、前年比103〜105%の伸びで策定する方が無難でしょう。

減収時代の今日、前年比110〜120%の売上伸びを策定している計画書をたまに見ますが、全くもってナンセンス。

あまりにも高すぎる売上目標は、メンバーの疲弊を招きかねません。

そして、売上計画は売上の公式(客数×客単価)に沿って裏付けしていきます。

粗利益計画も重要です。粗利益は、売上原価の逆数です。

原価率は、適正に策定していきましょう。原価を下げれば粗利益が上がり、”儲かる”図式になりますが、低減させればいいというモノではありません。

原価というのは、経営にとって最も大切な”クオリティ(品質)”に直結していきます。

原価を下げれば、同時に品質も下げてしまう事態にもなりえます。

このように、より説得力のある、リアル感のある事業計画書が、”中小企業診断士が支援する”技です。

投稿日: 2020年1月10日 | 8:24 am

中小企業診断士は稼げる資格である−9

これまで国家資格ホルダーである中小企業診断士の「姿勢」や「ハート」といった”あり方”について記述してきました。

これからは、仕事をいただく技術(テクニック)について少し考察していきたいと思っています。

何度も言いますが、中小企業診断士の仕事は”無限”です。なぜなら、中小零細企業が抱える課題は、限りがなく、その課題解決に果敢に立ち向かう診断士の仕事もまた、限りがないからです。

中小企業診断士のベーシック(基本的)コンサルティングは、経営理念の創出(策定)支援や経営理念の組織浸透支援からスタートします。

経営理念は、何度も訴えていますがとても重要な経営ファクターです。

理念は、オリジナル性に留意し、美しい言葉で見える化(明文化)する必要があります。

小生は経営理念の策定を、会議研修スタイルで創出していくメソッドを採用しています。手法は企業秘密ですが、決まった方法などはなく、中小企業診断士ならば独自の手法を編み出すことが重要です。

問題なのは、企業理念が経営者(役員)のみで策定する一方的なモノであってはならず、メンバーの”想い”が反映されていなければ意味がないのです。

経営理念の策定支援の後は、経営ビジョン書・単年度経営計画書の策定支援が基本となります。

この支援も、研修スタイルで主要メンバー(最大12〜13名)で策定していくことが重要です。

経営ビジョン書は、到底不可能な”絵に描いた餅”のようなモノでは意味がありません。頑張れば到達できるような将来像(ビジョン)を具体的に明確化することが大切です。

投稿日: 2020年1月9日 | 8:23 pm

起業予備人が心得る(備える)こと

超情報化時代の今日。また、働き方の多様化が加速している今日。”起業”を志す人も少なくありません。

前述したように、日本の開業率は約5.2%(2017年統計 中小企業白書)ほどであり、欧米諸国と比較して決して高いとは言い難い現状です。

とはいえ、企業を志す人は実在し、商工会議所などの経済団体が主催する”創業塾”などの参加者も毎年存在しています。

がんばる中小企業を応援する立場の小生としては、起業して創業し、自己実現を図ってもらいたいと心から願っています。

起業は、成功するというより”失敗しない”ということが大切です。失敗とは”事業の断念”を意味しています。

起業することを構想している人(=起業予備人)は、あえて失敗しない準備をぬかりなく実施してもらいたいと切に願います。

起業を志す人が、不安を持っているファクターは「カネ」→「モノ」→「ヒト」の優先順位で表されると推察されます。

まずはカネの心配です。当たり前ですが、経営の血液たる「カネ」がないと事業がスタートできません。

また毎月の試算表で現状認識して対策を打っていかないと、たちまち資金が枯渇していきます。資金繰りという重要な課題です。

売上が思うようにいくか…?これもいわばカネの問題でしょう。

次にモノの心配。思うようなモノ(商品)が造れるか?仕入れることができるか?供給できるか?などです。

最後にヒトの問題でしょう。飲食店などを開業する場合、スタッフの確保も重要な課題です。

起業家(創業者)のみでオペレーションを進めていくことなど、まず不可能に近いからです。

投稿日: 2020年1月8日 | 6:46 pm

営業力・販売力の本質

中小企業経営の究極のあり方は、営業部を置かずに商品が勝手に売れていくようなブランディング構築だと考えています。

つまり、プッシュ型の営業展開ではなくプル型の「お客様からの引き合いが継続的にある」状態を作ることです。

とはいえ、売上を作り出す営業部門(販売部門)の強化は、一般的な中小企業経営には必須と言えましょう。

零細企業の場合は、営業という仕事を社長が担うことが多いですが、社員が増えていくにつれて営業(販売)スタッフを育成する必要があります。

では、営業(販売)力の本質は何でしょうか?

営業力とは、営業トークやプレゼン力を身につけて磨き上げること…ではありません。もちろん、それはテクニック(技術)として必要なファクターではあります。

以前、とある保険営業マンと「営業力」についてディスカッションしたことがありましたが、彼女は「お客様をいかに”その気(買う気)”にさせる話術”と主張していました。

正直言って、そのチープで自分勝手な主張に、とても違和感(嫌悪感)を抱いたことを今でも覚えています。

営業(販売)力というのは、人間力(人間的魅力=人格力)です。

営業スタッフが、魅力に溢れ、この人から買いたいと思ってもらえる人格力を備えているか?が全てです。

そして、優秀な営業スタッフが訴える会話の内容は、”商品説明”ではありません。

自分の所属する企業の努力(例:その商品がどんな努力で開発(仕入れ)されたか?)や価値(所属企業がどんなにいい会社か?)を訴えることに他なりません。

お客様が、「あなたの在籍する企業はきっといい会社なんでしょう。その会社で取り扱う商品はきっと素晴らしいはず…」と思ってもらえるかどうかが決めてなのです。

投稿日: 2020年1月7日 | 9:03 am

知性は知識を集め、知識は知恵の温床となる

知性というのは、物事を知り考え、判断する能力と一般的に理解されています。この知性は、社会人にとってとても重要なスキルだと考えています。

まず”知らないことを知る”喜びを、喜びと思うか何も考えないかでは、学び方・働き方に多く影響してきます。

知性があれば、豊富な知識を得ることができます。知識は情報そのものです。

そして豊富な知識は、”知恵”を育みます。

社会では知恵がもっとも大切であり、知恵は中小企業経営にとってとても大切な財産となりえます。

経営資源に乏しい中小企業経営にとって、構成員(メンバー)の知恵こそが武器となりえます。

 

中小企業の社員教育を考えた場合、経営理念に沿った「ものの見方考え方を統一する」内容を盛り込むことと同時に、知性を磨き、知識を集めて知恵に変換する内容を盛り込むことが重要です。

中小企業の社員教育は、手法やテクニックを学ぶ前に、姿勢や意思を強化する(気づかせる)ようなプログラムが望ましいです。

「売り方」や「作り方」などの「…な方法」だけを学んでしまうと、テクニックに走る社員が出来上がります。

「策士策に溺れる」という言葉があるように、テクニックだけの仕事は限界があります。

まず大切なのは、自ら知性を磨く社員を育てること。

知性を磨けば、知識を集め始めます。そして、知恵に変える具体的な啓発プログラムを立案し、実行していくことが重要です。

 

表題の「知性は知識を集め、知恵の温床となる」は、現場で社員教育に携わる上で出した結論です。

投稿日: 2020年1月6日 | 9:07 pm

経営基盤強化メカニズム−3

「経営理念創出会議」は小生のコンサルティングサービスとして、確立することができました。何度も言いますが、経営理念は起業の「共通の価値観」として創出し、起業を構成するメンバーの行動指針としてマインド浸透させる必要があります。

経営理念の創出会議を演出するファシリテートは、中小企業診断士(経営コンサルタント)としてプロのなせる技であると断言できます。

小生のオフィス(エイチ・コンサルティング)では、研修スタイルでの創出会議を推奨・提供しています。

ざっと15時間(5時間×3日間)のプログラムです。一例を示しますので、是非参考にしてみてください。

一日目)

⒈レクチャー「経営理念の意義」「躍進起業の経営理念」

⒉ワーク「経営理念とマネジメント」

⒊SWOT分析によるグループワーク「我が社の強み」「我が社の弱み」→キーワードの創出

⒋SWOT分析によるグループワーク「我が社を取り巻く機会(チャンス)と脅威(リスク)」

二日目)

⒌外部環境の変化予想→経営者から発表→我が社の向かう市場に関するグループワーク

⒍経営者による講話「創業(事業承継)の経緯と創業時の価値(大切にしていること・マインド)」

⒎我が社の中期ビジョンの見える化・明確化→明文化ディスカッション

⒏行動基準の創出「社員への約束」「お客様への約束」「関係先への約束」

三日目)

⒐行動基準の決定・調整・完成

10.経営理念(一言フレーズ)の創出・完成

11.経営理念全社浸透戦略のディスカッション

以上です。

全行程にわたりブレーンストーミングスタイル(発言しやすい空気感の演出)で実施することが肝心です。

投稿日: 2020年1月5日 | 5:53 pm

”起業”を考える…。

2020年は、起業家の創業支援に注力しようと思っています。日本社会において、欧米諸国と比較した時起業率は5%台を推移しており、決して高いとは言い難いものがあります。

特徴的なのは、「周囲に起業家がいる」「周囲に起業に有利な機会がある」「起業するために必要な知識・能力・経験がある」という指標が極めて低いことが分かります(中小企業白書より抜粋)。

どうやら日本社会は、常に安定志向が根付いており、起業=リスクと捉える傾向があると思われます。

同時に廃業率も低く(3.8%前後)、国民性としての”起業せず”というマインドが基本となっているのでしょう。

しかし、小生は思うのです。大学生が”就活”という仕事探しがあるように「起業活」なるものがあってもいいのではないかと…。

大企業に就職することや公務員試験に合格することが、決して美徳とは言えない。

大学生の時に起業してベンチャー企業を立ち上げ、大成功した人もたくさんいます。

起業して会社という”船”を創り、市場という”大海原”に漕ぎ出すことは、とても魅力的でかっこいいことではないでしょうか?

小生も44歳の時にコンサルティングオフィスを創業し、起業しました。自分自身で切り開く”経営”は、とても魅力的でダイナミズムに溢れています。

何より、何のしがらみもなくお客様(クライアント)のお役に立つことに集中できます。

サラリーマン時代には味わえなかった、”やればやっただけの評価(=報酬)”を手に入れることができました。

投稿日: 2020年1月4日 | 3:40 pm

”働き方”がもっと見直される時代(とき)。

現在、政府が提唱してる”働き方改革”というものが、中小企業経営の実態に即していない場合がずいぶん見受けられます。

賛否両論あるのが実情なのですが、およそ10年前から見れば、就労者にとって良い条件となっていることは確かでしょう。

2020年は、”働き方”というものがさらに見直される年になりそうな気がしています。

真の働き方改革とは、「働いて愉しい会社を創り上げること」というのが小生の主張です。

小生の大切なクライアント様において、”いい会社プロジェクト”というものを進めている企業があります。

社員教育にとことん注力し、社員の会社へのロイヤルティ(忠誠心・愛社心)も高く、顧客満足度に誠実に向き合っている素晴らしい会社です。

本当の働き方改革とは、時短の制度や賃金規定などのガイドラインを整えることだけではない。

どちらかというと、制度整備は中小企業の経営を圧迫してしまう事態も兼ね備えています。

働く人が、「時間も忘れて夢中になり、仕事自体を愉しむ環境づくり」こそ真の働き方改革と言えるでしょう。

どうやら日本的経営の負の面として「働くこと=きつくて苦しいこと=お金をかせぐための行為」などという風潮が根付いているような気がしています。

働くということは「人のお役に立つこと=喜びを得られる行為=愉しいこと」であるはずなのです。

中小企業経営は、機動性があります。様々な取り組みが機動的に展開できる特徴があります。

2020年度は、がんばる中小企業がますます脚光をあびる年となるでしょう。

投稿日: 2020年1月3日 | 9:13 am

乾坤一擲

乾坤一擲(けんこんいってき)という言葉が好きです。意味は、「最大限の準備をして、運を天に任せた一世一代の勝負をすること…」と理解しています。

中小企業経営を達観していると、乾坤一擲の勝負をする場面が多々あります。

大切なのは、”最大限の準備をすること”であり、勝負をすることではありません。

今、自分のコンサルタント人生における乾坤一擲の勝負をする準備を着々と進めているところです。

発動は4月の初めでしょうか…笑。自分自身も楽しみにしている取り組みです。

 

経営資源に限界がある中小企業が、新規事業をスタートさせる時…創業して新しいビジネスを始めようとする起業家…など、乾坤一擲の場面は多々あります。

徹底した準備は、ぬかりなきよう進めたいところです。

準備は、あらゆる局面をシュミレートすることですが、「根拠のある事業計画書」もその一つでしょう。

また、経営にとっての血液である「資金」の準備をどうするか…。

人材をどう配置するか…。そして、撤退戦略を想定しておくことも必要です。

 

中小企業は、戦略・戦術(打ち手)を断続的に投下していく必要があります。

とはいえ、価格競争はさけなければなりません。価格ではない、価値をいかに創造するか、価値をいかに市場に伝導させるか…。

受け身の経営は、外部環境に翻弄され、業績悪化の一因となっていきます。

2020年のスタート。今年も新しい経営者、元気な中小企業とのご縁があるでしょう。

乾坤一擲の場面に、どれだけ遭遇し支援する機会があるか…これから本当に楽しみです。

投稿日: 2020年1月2日 | 7:16 am