中小企業診断士は稼げる資格である−4

中小企業診断士(経営コンサルタント)は、受注(契約)が難しい仕事であると言えます。営業活動は極めて難しいからです。

とは言え、お仕事を頂戴していかなければ、生活していけません。ましてや、フリーランスの診断士や独立法人化している経営コンサルタントであればなおさらです。

よく「どうやったらクライアントを開拓できますか?」と聞かれることがあります。

この質問は答えに困ります。

なぜなら、「クライアントを獲得するテッパン手法などありえない」からです。

中小企業診断士や経営コンサルタントは、クライアントに増収政策・戦略(つまり売上を上げていくための施策)を提案しなければなりません。

その専門家が、クライアント獲得戦略を考案できないとは、”医者が、治療法が分からない”ということと同じではないでしょうか?

クライアント獲得のテッパン手法はありませんが、仕事のご縁を広げる方法はあります。

中小企業診断士(経営コンサルタント)も差別化(オンリーワン)戦略が必要です。

コンサルタントの商品は、経験に基づいた提案力や人間力・問題解決力です。ですから、課題解決するための”価値観”を打ち出す必要があります。

つまり、コンサルタントもコンサルティング理念(価値観)をフレーズ(見える)化ことです。

その価値観に経営者が共感してくれた場合、お仕事につながる可能性は高まります。

小生のコンサルオフィスは、「叡智を導き、人幸福の企業経営を支援する」を理念としています。

社名の”エイチ”はここから来ていて、常にこの理念に向き合っているか、自問自答しています。

投稿日: 2019年11月30日 | 12:27 pm

広告戦略について

今日は、クライアントと広告代理店のマッチングをしました。中小企業診断士は、コーディネーターとして様々な専門家とネットワークを持ち、課題解決に当たる必要があります。

ですので、紹介する専門家のスキルや人間性を診ておかないといけない。

今回は北九州のクライアント様を、佐賀市内の広告代理店に紹介(マッチング支援)しました。

広告業界は、この20年間で大変貌しました。インターネットという怪物の出現で、それまで4大媒体とされてきた価値が一気に下落しました。

小生が携わっていたラジオ業界は、そのあおりをまともにくらい、今では広告費の中のシェアは2%ほどだとされています。まさに価値の下落です。

しかし、4大媒体の中でも地上波テレビのインパクトはたくましく、未だに1/4ほどのシェアがあると言われています。

企業が広告戦略を展開する場合、よくよく戦略を練っておく必要があります。

広告手段は多岐にわたり、さまざまな立体的な展開が可能になっています。その分、選択肢も無限なのです。

広告代理店は、広告展開のプロなので、話を聞いてみることも大事です。ただし、その際はコンルタントなどの専門家を同席させましょう。

不必要な広告商品を平気で提案する、広告代理店もときどきあります。

瞬発力ある短期型広告戦略、時間をかけてイメージ浸透させる長期型広告戦略…戦略立案によって、使用する広告手段をセレクトしていきます。

また地域性やターゲッティングなども十分考慮しながら、戦略を考案していきましょう。

投稿日: 2019年11月29日 | 11:39 am

中小企業診断士は稼げる資格である−3

AI(人工知能)の急速な発展で、士業と呼ばれる職業の大半が失われるという見解があります。特に過去のデータから解を導き出すような仕事の士業は、かなりリスクが高まると言われています。

数ある士業の中でも、中小企業診断士はAIに変わることがない資格として位置づけられています。

理由は簡単。

クライアント企業の未知なる未来を、共にクリエイト(創造)していく仕事だからです。

クリエイト力は、AIが苦手とする領域です。

そして、中小企業診断士の最大の武器は”五感”だからです。このブログでも再三書いていますが、経営コンサルタントは、感覚(五感)こそがツールとなります。

五感は、現場型のコンサルティング活動において磨かれ、研ぎ澄まされていくのです。

中小企業診断士の試験で、マーケティングや経営戦略立案のための各種フレームワークを学びます。

過去の先人が研究・開発してきたフレームワーク(各種分析方法や戦略立案手法…ここでは詳細は省きます)。

フレームワークはあくまでも机上での立案ツールです。

中小企業診断士が、クライアントの課題解決を立案するときに最も大切なタスクは”現場での事実確認”です。

常に現場に赴き、起こっている事実を確認し、解決のための仮説を立てる。

その仮説を立証し、実践していき、また新しい施策を投入していく…これがコンサルティング活動です。

現場型のコンサルタントは、収入が高い。

机上の空論型コンサルタントは、クライアントから飽きられ見透かされます。結果、顧問契約の解除となる可能性が高いのです。

投稿日: 2019年11月28日 | 11:00 pm

人とファッションをこよなく愛します…1

「私たちは人とファッションをこよなく愛します」…この言葉は、大切なクライアント様の経営理念です。

この会社は、長崎市を本社に持ち、福岡・長崎に12店舗を展開するアパレル(セレクトショップ)企業・マレットメットといいます。

月に2〜3度の訪問支援をしている、とても素敵な会社です。

今日も店長会議支援のため、福岡市内に赴きました。

アパレル業界は、多分にもれず厳しい逆風にさらされています。企業の体質も、昔ながらの気合と根性で販売するという気運が残っています。

また、お洋服を造るメーカーも激減し、仕入先が集中してしまうこの業界は、差別化(オンリーワン)経営が難しい。

大手のアパレル企業が、軒並み苦戦している業界なのです。

中小のアパレ企業においてはなおさら…。そんな逆風吹き荒れる業界の中で、逆張り経営を徹底して実践し、躍進している会社です。

経営理念「人とファッションをこよなく愛す」というフレーズの意味はとても深い。

人財を心から大切にして、ファッションの素晴らしさを信じ、伝えていく…。その価値観にブレはありません。

理念経営は確かに難しい。特に販売会社にいたっては、日々の売上目標に捉われてついつい「目的」というものを忘れてしまいがちです。

現場(店頭)でいかに「理念と向き合った(理念を裏切らない)」販売をしていくか?

この命題に、皆で立ち向かっている素敵な素敵な会社です。

マレットマットでがんばっているメンバーとのご縁に心から感謝しつつ、これからもずっと応援していきたいと思います。

投稿日: 2019年11月27日 | 11:00 pm

人生は逆転できる…

『人生は逆転できる』この言葉は、親友であり戦友である中小企業診断士仲間の、てっしゅうさんが聞かせてくれた言葉です。

14〜15年前に、国家資格・中小企業診断士の資格試験に立ち向かった時からの友人の言葉。

この前、一緒に魚釣りを楽しんだ後、風呂に入りながら語ってくれた言葉。

何となく、小生の心に突き刺さり、抉って行きました。

「人生は逆転できる」…まさにその通りだと思う。

地方の放送局にサラリーマンとして勤務しながら、将来や今後の人生に悶々としていた日々。

33歳で挑戦をスタートした、国家資格・中小企業診断士。

最初は、クジラに挑むような絶望感しかありませんでした。難解な専門用語、難しい財務会計問題、幅広い試験範囲…。

紆余曲折がありながら、5年で取得・登録することができました。

この資格を取得して、本当に「人生は逆転できた」と思う。

そして、これまで社会人として様々な経験をしてきた日々が、今日の中小企業診断士(経営コンサルタント)という仕事につながっているのだと実感できます。

人にとって、幸せとは何か??時々考えますが、行き着く答えは「日々を愉しく生きること」だと思う。

そして、社会人としての幸せは何か??それは、「やり甲斐のある、愉しい仕事を全うする」ことではないでしょうか?

投稿日: 2019年11月26日 | 10:00 pm

中小企業診断士は稼げる資格である−2

中小企業診断士は、小生の大切なアイデンティティであると考えています。アイデンティティではありますが、職業は?と聞かれると「経営コンサルタントです。」と答えます。

そうです。中小企業診断士は、ただの看板。自分が何者かを表す「名称」です。

ただし、経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士のインパクトは強烈です。

高度な知性を要する、経営コンサルタントの知的蓄積とスキルを裏付ける説得材料となります。また、詐欺まがいの犯罪が、マスコミのニュースとなる「コンサルタント」も存在します。

国家資格・中小企業診断士は「自称コンサルタント」と一線を画す経営コンサルタントとしての、信用力にもなるのです。

中小企業診断士として収入を上げていくためには??様々な方策がありますが、理想は何と言ってもクライアントの経営参謀として、様々な課題を解決するミッションだと断言できます。

講演会やセミナーなどの収入源もありますが、講演会で稼いでいる経営コンサルタントは、かなり希少な存在です。

母校・法政大学経営大学院の同期生で、経営ジャーナリストとして活躍する女性コンサルタントがいますが、彼女こそまさにその理想像と言えます。

小生は、地を這うような泥臭いコンサルティング活動で、顧問先の経営課題を解決し、”いい会社”になるための支援家として活動している自負があります。

その仕事は、とてもドラマチックで刺激で、達成感と感謝感のやりとりが実感できる、とてもやりがいのある仕事です。

稼げる資格…中小企業診断士。事例を通じて、クライアント様とご縁をつくる手法を考察していきましょう。

 

 

投稿日: 2019年11月24日 | 9:23 pm

ブランディング戦略の落とし穴

中小企業が躍進していく秘訣は、ブランディング戦略にあると言っても過言ではありません。

ブランディング戦略の正体は、”こだわり”や”USP=他社商品にはない強み”を浮きだ立たせることにありますが、ブランディング戦略には大きな落とし穴があることに注意する必要があります。

ブランディングは、時間をかけてじっくりと創り上げていくことが必要ですが、ある時期を過ぎると一人で走り出していく傾向があります。

ユニークな取り組みや、輝くようなブランディング・シンボルにはマスコミも取り上げる傾向にあり、大衆の目が集中していくためです。

現代ような超情報化社会において、自ら媒体情報を発信していけるような環境では、なおさら”ブランディングの一人歩き”が加速しています。

ブランディングには様々な落とし穴がありますが、最大の落とし穴は「人財力が追いついていかない」ことです。

な〜んだそんなことか…と思うことなかれ!

ブランディング戦略を構築していくのは、ブロックを一つ一つ積み上げていくことに似ている、地道な作業です。

そして、このブロックを積み上げていく主人公は、人財そのものです。

注目されていた企業ブランディングが、メンバーの不祥事で一気に崩れ落ちる現象は、今までの歴史で繰り返されてきたこと。

特に中小企業は財力に限界があるため、ブランディング戦略は社運かけた一大戦略のはずです。

商品や企業ブランディング戦略を推進していくことは、人財力を上げていく施策を併用することが重要なのです。

投稿日: 2019年11月23日 | 6:02 am

中小企業診断士は稼げる資格である−1

以前にもこのブログで書きましたが、中小企業診断士は「足の裏のごはん粒」という資格である…という俗説があります。

曰く、持っていても”食えない資格”であるということです。

士業(◯◯◯士という職業)は、すべからく「足の裏のごはん粒」であると言えます。ただし、何もしなければ…という条件で。

看板をあげたら客が来るというのは妄想で、一生懸命勉強して取得した国家資格も、そのスキルを磨き上げて、プレゼンテーション(プロモーション)していかなければ、クライアントは獲得できないのです。

特に、中小企業診断士は「名称独占」の国家資格です。他の法律系国家資格のように、既得権益は全くありません。

「中小企業診断士法人」という組織も設立できません。

中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格ですので、コンサルティングファームとして法人化する必要があります。もちろん、法人化はマストでなく、個人事務所としてもありえます。

中小企業診断士を登録して12年になりますが、中小企業診断士は高収入が見込める立派な国家資格であると断言できます。

中小企業診断士には、企業内社員として保有している方、経済団体(商工会議所、商工会)職員として保有している方、金融機関社員として保有している方、独立している方…様々な形態があります。

せっかく大変な努力をして、登録した資格スキルですから、困っている中小零細企業のために活かしてほしいと切に願っています。

中小企業診断士がいかにして収入を得ることができるか…を考察していきます。

投稿日: 2019年11月21日 | 6:00 am

経営者としての最大の仕事

経営者の仕事といえば、社長業ということになります。ある税理士の主張では、経営者の最大の仕事は営業だと…。

たしかにトップセールスという言葉があるように、経営者による営業活動はインパクトが違います。

あらゆる局面で即断即決できる権限を持てば、交渉(ネゴ)もスムーズに進めることができるはずです。

しかし、多岐にわたり深い経営者の最大の仕事は、”営業活動”ではありません。

経営者ならではの仕事…それは、社員が働きやすい環境、モチベーションが上がる環境をつくることです。

この仕事は経営者にしかできない。

他の業務は、優秀な社員がいれば代替可能です。

社員が働きやすい環境づくりは、例えば

①物理的環境を整備する(建物、設備)。

②研修制度を整える、あるいは新しくつくる。

③人事考課制度をつくり、運用する。

④人事配置戦略を考案する。

⑤社員や幹部との面談をしてモチベーションを上げる。

⑥事業計画書を創って、社員に方向性を示す。

⑦新規事業を構想して、次の事業の柱をつくる準備をする。

⑧人財採用・育成戦略を考案する。

などなど…。他にもたくさんありますが、どれもこれも経営者しかできない仕事です。

大企業であれば、権限を持った取締役がお進めていく事柄でしょう。しかしながら、人財が慢性的に不足しがちな中小零細企業は、社長の仕事ということになります。

そこで右腕と呼ばれる幹部を育てて、権限を委譲していくことが重要になります。

 

投稿日: 2019年11月20日 | 8:07 am

経営数値を拒絶する経営者

経営者である以上、経営数値(業績数値)の最低限の知識は持つ必要があります。

業績管理は会計事務所任せ…といった会社に「利益をあげている(儲けている)」会社は存在しません。

特に中小零細企業にとって、日々の売上・経費・利益は、経営の舵取りに直結します。

なので、大枠の経営数値管理は、経営者の必須業務ということになります。

「私は数値に弱いから…」「経営分析などは分からないから…」と言われる経営者に時々会いますが、とてもリスキーです。

 

経営者として最低限知っていてほしい経営数値知識は…

①売上の意味(公式)

②粗利益率の意味(仕組み)

③固定費の最低限の種類(勘定科目)

④営業利益の意味

⑤損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)の仕組み

⑥損益分岐点の算出方法

⑦資金繰り表の仕組みと策定方法(自分で策定できるレベル)

⑧経営分析指標(自己資本比率、売上高経常利益率)

⑨簡易キャッシュフローの残高

⑩借入金の返済計画と月次キャッシュフロー計画

以上です。

これだけの知識とスキルを要すれば、あとは会計事務所とのリレーションができます。

毎月の月次決算(収支実績)は、会計事務所の仕事ではありません。会計事務所はあくまでも確認・相談機関です。

毎月いくらの収入があり、いくらの収益(儲け)ができ、いくらのキャッシュを使うことができるか?

零細企業からスタートする場合に、失敗(事業の断念)しないためにも、最低限の係数知識は身につけましょう。

投稿日: 2019年11月19日 | 7:11 pm