”いい会社”になるということ

中小企業経営に関する研究と”あり方”の追求を生業として活動する、中小企業診断士。この仕事は、名称独占の国家資格(経済産業省登録)となっています。

独立してもうすぐ丸5年になりますが、独立間もない頃は”我がミッションとは何か?”で悩むこともありました。

企業経営の目的が「業績ではない!」という信念が揺るがないものになったのは、つい最近のような気がします。

これまでは仮説にしか過ぎなかったこのミッションは、経験を積むにつれ”確信”に変わっていきました。

特に中小企業経営の目的は、”いい会社になること”です。

ではいい会社とは何か??ですが、やはり「社員をはじめ、関わる人たちの幸せを実現する会社」であることに間違いはありません。

これは、経営戦略やマーケティング、財務戦略などの”やり方”が決定するのではない。

経営者の姿勢や、ハート、社員の熱意や”想い”などの”あり方”が決定数するものです。

幸い、現在ご縁があり、ご支援しているクライアント様は、価値観が共有できる会社です。

”類は友を呼ぶ!”とはよく言ったもので、まさにその通りだと思います(こちらでクライアント様をセレクトしていることもありますが…笑)。

「いい会社」を明文化したフレーズが、経営理念(企業理念・社是、etc)と呼ばれるものです。

綺麗な言葉を並べただけで、ミッションとして向き合っていない企業理念は何の意味もありません。

投稿日: 2019年10月8日 | 10:35 am

自責と他責

中小企業経営も”働く”ということについても、外部環境に依存してしまうと現状打破ができません。

外部環境に責任転嫁してしまうことを”他責”と言います。逆に内部環境に変化をもたらし、現状打破を試みる行為を”自責”と言います。

中小企業経営における「景気は、有効需要が決めるのでなく、有効供給が決める」ということを、恩師坂本光司先生から教わりました。

有効需要は、外部環境が決定します。有効供給は内部環境が決定しますよね。

つまり、中小企業が「お客様が喉から手が出るほど欲しがる商品・サービスを開発・提供する」ことが有効供給であるという考え方です。

中小企業の構成メンバー(正社員、準社員含め)は、そのような覚悟と価値観を持つ必要があります。

自らの言動で、課題を解決していくポジティブシンキングとパワー(推進力)が必要です。

そして、ヒトが最大の経営資源である中小企業は、そのような人財を育んでいく使命があります。

今日も、あるクライアント様の人事考課策定会議を実施しました。

評価基準を具体的に文言化、明文化、見える化していくのですが、まさに”自責の考え方”の基に現状打破していく人財を評価する仕組みづくりなのです。

他責でしか考えられないメンバー(社員)は、いつまでたっても成長が望めません。

今の自分の境遇は、所属会社が悪い…業界が悪い…世の中・社会が悪い…という考え方をしてはいけないのです。

いつの時代も、どんな環境においても”自責=自らの責任において言動する”ことが大切なのです。

 

投稿日: 2019年10月7日 | 10:26 pm

素敵な休日…

10月5日の土曜日は、早朝から友人と海釣りに行きました。

出発は早朝3時。友人のてっしゅうさんと落ち合って、呼子まで行きました。

見てください。この景色…。竿出しは5時半くらいだったでしょうか。今はアジゴがサビキ釣りで釣れるシーズンの真っ只中。

朝マヅメ時はほとんど入れ食い状態で、晩御飯のおかずを確保できました。

朝8時ころだったでしょうか?こんなモンスターがかかりました。ざっと30cmのカサゴ(アラカブ)です。

サビキ釣りのハリに、こんな大きなカサゴが食いついてました。とても珍しい。

いやあ、楽しいひと時でしたね。友人のてっしゅうさんは、同じ中小企業診断士の国家試験に立ち向かった親友です。

気の合う友人との楽しいひと時…。生きることの意味を噛み締めます。

 

日頃、中小企業診断士として現場で活動していると、休日も有意義に過ごしたいと思います。

仕事をしばしの時間忘れることで、新しいアイデアが浮かんだり、感性を磨くことができるからです。

 

また行きましょう。てっしゅうさん。

次は、カワハギでも狙おうかね。

投稿日: 2019年10月6日 | 7:42 am

起業家が軌道化するために−17 〜起業後のマーケティング考察〜

月次決算は、起業後の軌道化モニタリングのためにとても重要なタスクとなります。

経営の血液たる”資金”の流用結果が、どうなっているのか?を観察するためです。

「月次決算?会計事務所に入ってもらってやっています」とは、聞こえのいい文句です。経営者であるならば、起業後の毎月の試算表(最低でも損益計算書=P/L)くらい自分で作成できるくらいのスキルが求められます。

「数字に弱いもんね。」は経営者としてどうか??と思いますよ。

簡単な計算(足し算、引き算、掛け算、割り算)さえ分かっていれば、大抵わかります。

もしも、それでも数字が苦手ならば「任せられるブレーン」と一緒に事業を展開するべきです。

なんども言いますが、月次決算は結果現象です。

商売(経営)のパフォーマンス向上のために、”どんな努力を、どれだけしてきたか”が問われるのです。

私は一生懸命やっている…でも結果が現れない。。。という経営者に時々会いますが、努力のベクトル(方向性)に間違いがある場合が多い。

起業家が軌道化するために、最も考えるべきベクトル(方向性)は「一人(一社)でも多くのお客様(取引先)を開拓するし、リピートしてもらうための施策・戦略」に他ならない。

最低でも、営業利益までの計画立案と管理(マネジメント)手法は身につけましょう。

営業利益が、「本業でいくらの利益が稼げたか?」を図る指標です。

もしも営業利益がマイナス計上する月が続くようであれば、商売が成り立っていないと判断し、大胆なアクションプランの改善が必要になります。

投稿日: 2019年10月4日 | 6:00 am

起業家が軌道化するために−16 〜起業後のマーケティング考察〜

商工会議所や経済団体が主催する「創業セミナー」。セミナー自体は意義のあるものだと思っています。

起業家にとって創業するためのマインドやノウハウは、学に値する課題だからです。

しかし、本当に大変なのは起業後…です。

起業してから軌道化するための道筋(ロードマップ)と考え方、戦略や手法です。

ですので、「起業後の軌道化セミナー」への参加をお勧めします(そんなセミナーがあるならば…ですが)。

起業後の軌道化は、何と言っても「事業計画書(経営方針書ともいいます)の策定が大切です。

よく、会計事務所などがすすめる事業計画書は「数字の羅列」で終わっているのを目にしますが、そんなものは何の価値もありません。

数字(業績)はあくまでも目標と結果にしか過ぎず、結果を生むための戦略とアクション(実行)プランがモノをいうからです。

事業計画書は、各月のマーケティング戦略、スタッフ育成戦略、商品開発戦略、財務戦略を盛り込みます。

「ヒト、モノ、カネ、ジョウホウ」に関わる戦略を”前もって計画”することが重要です。

事業計画書は、策定したら終わりというモノではなく”運用”しないと意味がありません。

日々、C&C(チェックアンドコントロール)していくことです。

これをPDCA(マネジメントサイクル)と言います。P=Plan(計画)D=Do(実行)C=Check(検証)A=Action(改善)を実直に繰り返していくのです。

そして、月の終わりには必ず月次決算をしましょう。

投稿日: 2019年10月3日 | 6:00 am

起業家が軌道化するために−15 〜起業後のマーケティング考察〜

事業が始まってしまうと、日々追われる業務に忙殺され、経営にとって大切なタスク(仕事)を忘れがちになってしまいます。

日々の業務は大切ですが、経営者として様々なPDCAをまわしていかなければ、たちまち困窮してしまう事態になります。

起業後特に大切なのは、資金繰り管理でしょう。

例えば飲食店の場合、現金で収入(売上)金が入ります。

そして、翌月に材料費などの支払いが来ますので、入ってきた現金をプールしておく必要があるのです。

資金繰りを的確に計画立案できていないと、入ってきたキャッシュを使ってしまったりするものです。

資金繰りのコツは3ヶ月後、半年後の資金繰り計画表を作り、月末に必ずチェックします。

これを怠るとやもすれば、資金ショートに陥る可能性があります。

資金ショートは金融機関からの借り入れを依頼して凌ぐことになりますが、金融機関はいつでも融資してくれるものではありません。

資金マネジメントができない経営者として、金融機関から見られてしまうと印象が良くありませんよね。

起業後は、できれば1年間の資金繰り計画概要を策定して、キャッシュフローマネジメントを実施していきましょう。

事業にとって、カネは血液です。

貧血気味の経営は、動き(戦略)に余裕が生まれません。

また、血液が不足すると輸血(融資)が必要になりますが、これも限界があります。

日々の商売(経営)の中でいかにキャッシュを生んでいくか?を日々考案し、どこにカネを使徒するか?を考えることが経営者の大切なタスクです。

投稿日: 2019年10月1日 | 6:00 am

起業家が軌道化するために−14 〜起業後のマーケティング考察〜

ブランディングは「高品質・高価格・高付加価値」経営のことである述べました。

では、次に確立しようとする、あるいは確立したブランドを”社会(お客様)にどう伝えるか?”を考案しなければなりません。

それは、設立・創業した会社(お店)のコンセプトをフレーズ化するという戦略です。

自分の会社は、社会に対してどんな価値を投下するのか?

自分の会社がもっとも大切にしている価値観は何か?

自分のお店は何を売っていくのか?何をお客様に提供するのか?

様々な”企業価値”を深く深く考えて、フレーズ化しします。これが、企業理念と呼ばれるもの…です。

企業理念はとても大切です。

中小企業経営はオンリーワン経営を実現しなければなりません。さもなくば、たちまち大企業の物量戦略に飲み込まれてしまうからです。

自社のオンリーワン経営を”一言で表現した言葉”。これが企業理念です。

それは、錦の旗。その旗のもとにスタッフが集い、お客様が来てくれます。

当然、企業理念は「たてまえだけのただの言葉」ではありません。

企業やお店の大切な価値観として共有しなければ、意味がないのです。

インターネットから引っ張ってきた、美しい言葉を繋ぎ合わせたようた”薄っぺらなもの”ではないのです。

企業理念や企業(店舗)コンセプトが出来上がったら、そのフレーズを打ち出す必要があります。

名刺に、お店の看板に、社長室に、スタッフルームに…いつも見える場所に掲示して、価値観として組織浸透していきましょう。

投稿日: 2019年9月30日 | 8:30 am

起業家が軌道化するために−13 〜起業後のマーケティング考察〜

企業した後は売上を伸ばしていくために、様々なマーケティング戦略を立案する必要があります。注視すべき点は、コストカットに固執するあまりに、機会損失(チャンスロス)を招いてしまうことです。

以前、会計事務所のコンサル部門に所属していた時の話です。

赤字を解消するための施策として、会計監査担当がアドバイスをしていました。

出てくる言葉(助言)の全てが、コストダウンに関することです。これでは、企業は疲弊していきます。

正直に言って、コストダウンは「いつでも、だれでもできる限りなく優先順が低い施策」です。

まずは、売上(収入)を上げていくための戦略を立案し、投下していくことが重要であり、最優先施策です。

中でも、取り組まなければならない最大の課題が「企業ブランディング」というものです。

ブランディングというのは、一言で言うと「高品質・高付加価値・高価格の実現」です。

ブランディングを広告戦略が大切とか、PRが大切などと”勘違い”する経営者もいます。これが大きな間違い。

ブランディングというのは、宣伝広告費をかければ簡単にできるというシロモノではありません。

定義にある「高品質」がもっとも重要な要素です。

極端に言えば、間違いのない「お客様が喉から手が出るほどの高品質」を実現し、ファンを獲得できれば広告や営業などの販促活動なしで、お客様は向こうからやってきてくれます。

つまり、”わざわざ選んでくれる”のです。

このブランディングをいかに確立するか…企業後は速やかに深く深く考案し、立案実行していかなければなりません。

投稿日: 2019年9月29日 | 9:13 pm

離職率について考える…。

離職率の計算方法は、法律で定義されているわけではありません。しかし、一般的に企業が離職率を算出する方法を示しておきます。

ある一定期間に退職した社員の人数を、起点となる日の社員総数で割り、100をかけます。

1月1日を起点にした場合、その時点での社員総数が100人だったとしましょう。

そして、その年の12月31日までの退職者が5人だったとすると離職率は、5÷100×100=5%ということになります。

小生は離職率いうものは、「低ければ低いほどベター」と考えています。

経営者によっては、低すぎるのも考えもの…という方もおられます。いいでしょう。人それぞれの価値観ですから。

ただし、企業側には「雇用した責任」というのがあります。

縁があって入社した人材は、育て育成して人財にしていかなければ企業の社会的責任を果たせたととは言えません。

人材が退職するのには、必ず理由があります。

第一は「会社・上司に対する不信感」です。

第二は「人間関係」

給料に関する理由は以外と低い。近年は特にそれが顕著な傾向があります。

ある経営者が、「人財を集めるには、高い給料を用意すること」と言ってましたが、間違っていますね。

確かにその企業は「優秀な稼げる人財」はいましたが、「優秀な人間力ある人財」はいませんでしたから。

話を元に戻しましょう。

離職率は、「いい会社」のひとつのバロメーターだと考えています。

離職率が低いということは、所属企業に誇りを持ち、自分の企業が「大好きだ」と思うメンバーが大勢在籍している証拠。

人本主義を貫く必要がある中小企業は、「ヒトを大切にする経営」に特化する必要があります。

投稿日: 2019年9月28日 | 9:15 am

起業家が軌道化するために−12 〜起業後のマーケティング考察〜

起業後のマーケティング戦略における方向性は、「リピートされる様々な施策」であることはお伝えしました。

次に、新規のお客様を開拓していく方策について考察します。

リピータを維持することが、プライオリティの第1であることに間違いありません。一方で、新規のお客様を獲得していくことも大切なマーケティングです。

新規のお客様は、基本的に広報展開(広告戦略、PR戦略)で獲得していきます。

先ほども書きましたが、限りある販管コスト(特に広告宣伝費)を知恵を絞って駆使していく必要があります。

つまり「できるだけコストをかけない新規開発戦略」を考案するのです。

もっとも説得ある広報展開をご存知でしょうか?

TVコマーシャルでも新聞広告でもありません。

それは「口コミ」と呼ばれるものです。

一説によると、広告の40倍の効果が見込まれるという研究結果があるほどです。

予算を投下する媒体広告は、現在あまり説得力を発揮していないと考えられます。

人間は、感動的な体験(コト)や買い物(モノ)をした時、大切な人に伝えたくなる心理があります。

その心理は女性の方が強い傾向があり、女性客のハートを掴むことができるか?が口コミを誘発する際のポイントといえるでしょう。

次に、説得力のある広報戦略は「記事広告(パブリシティ)」と呼ばれるものです。

ニュース性をもたせた情報バリューを、マスコミにリークして記事広告を依頼します。

取り上げる判断はマスコミ側にありますが、面白い試みや商品(メニュー含む)開発に成功した場合は、記事広告を仕掛けてみるものいいでしょう。

ただし、待っていてもマスコミは取り上げてくれません。

こちらから情報を提供する「仕掛け」が大切です。

 

投稿日: 2019年9月27日 | 8:29 am