自責と他責を考える…。

中小企業診断士として活動していると、さまざまな経営者や幹部・社員とご縁がります。

経営コンサルタントはまさに、”人と逢い、人を見つめる”仕事であるとつくづく思う今日です。

そして、経営者や社員の方々にも様々なタイプがおられ、毎日、自らのお仕事に向き合われていることを実感します。

経営も仕事も、究極「人が幸福になる活動」であると思っています。

幸福とは、「他人から認められ、感謝されることによる自己実現」ということができます。

また、経営や仕事を”愉しむ(向き合い、解決していく楽しみ)”ということも大切です。

しかし、仕事を通じた幸福を実現している人と、仕事を愉しんでいない人との間位には「自責と他責」という隔たりがあると考えています。

自責…自分の責任で環境が創られていくという意識

他責…自分の環境は、周囲が創っているという意識

明らかに、自責の意識を持たなければ”幸福”追求できません。

経営学でいうと「企業経営の業績は、有効需要(他責)が決めるのでなく有効供給(自責)が決めるものだ」(坂本光司先生)ということなのです。

また、他責感は癖になっていきます。

その癖はなかなか治りません。企業経営でも同じです。

他責グセが染みついてしまった経営者や社員は、同じ悩みでずっと悩み続けます。

結果的に、経営や仕事による喜びや幸福を掴み取ることはできないのです。

投稿日: 2019年9月1日 | 10:46 am

中小企業診断士として生きる−17 〜その価値とあり方の考察〜

中小企業診断士としてフィールドで活動するとき、『未来型の思考と行動』は絶対に不可欠です。

”生き物”である中小企業経営は、刻一刻と変化していきます。

まさに”現在は1秒後には過去”という意識を強めることが重要なのです。

中小企業経営者と対峙していくためには、未来をどう創っていくか?を寄り添いながら考えていかなければならない。

そして、プロの経営コンサルタントを生業としている中小企業診断士は、さまざまな”こだわり”を持つ必要があります。

人生を豊かにするための”趣味”にも、こだわりが必要だと思います。

読む本もこだわりましょう(正直、経営のノウハウ本は読まなくていいです)。

それよりも、中小企業経営者の物語・歴史を知った方が、タメになります。

そこには、深く熱い人間のドラマがあります。

中小企業診断士は、経営者の熱い想いに共感できるハートが絶対に必要です。

仕事ばかりではなく、趣味も多様な”人生を愉しんでいる”社会人であることも重要です。

社会人として百戦錬磨の経営者と、語り合い、心の融和を図りながら”未来を共に創り出していく”ためには、人生経験の豊富さが必要だからです。

ましてや、”やさぐれ感”や”ネガティブ思考”はタブー。

精神的にもタフで、明るく、元気でポジティブな人間性を備える…そんな診断士が望ましい。

自分も中小企業診断士として登録し、独立・活動して5年を迎えましたが、まだまだ人間性を磨き上げてさらなるステップアップを模索しているのです。

投稿日: 2019年8月31日 | 11:00 pm

中小企業診断士として生きる−16 〜その価値とあり方の考察〜

中小企業診断士の”価値とあり方”を改めて再考しています。

プロコンである中小企業診断士の理想的なビジネスモデルは、”定期訪問による長期的な顧問支援”です。

しかも、3年以上の中・長期的な顧問支援が望ましい。

そのためには、真摯で謙虚な同じ目線・姿勢でのクライアント支援を継続していく必要があります。

前回、中小企業診断士は”稼げる資格”であるという主張を改めてしました。

どのような国家資格においても、持ってるだけで稼げるわけではありません。

最難関の国家資格である弁護士も、事務所開設して看板を掲げただけでクライアントが途切れない…なんてことは絶対にないのです。

中小企業診断士の、クライアントを獲得していく手法はテクニックでは語れません。

まずあるのは、「ご縁があったクライアントの”お役に立ちたい”」というマインドです

次にテクニックなのですが、”鉄板手法はない”ということを心得る必要があります。

あえていうならば、クライアント様の経営パフォーマンスを向上させるための施策企画を”絶えず”行っていくことです。

そのためには、四六時中「クライアント」様の”次の一手”を塾考することが重要です。

小生も、長時間の運転中やリラックスタイム(コーヒーブレイクや入浴中)は、常にクライアントの現状と”ネクストストラテジー(次の戦略)”考えています。

正解は、当然見つかりません。当たり前です。中小企業診断士は神でも万能でも、スーパーマンでもありません。ましてや先生でもありません。

クライアントに寄り添い、とことん悩みぬくことで、”正解に近い答え”を導き出すことしかできないのです。

投稿日: 2019年8月26日 | 11:00 pm

中小企業診断士として生きる−15 〜その価値とあり方の考察〜

経営コンサルタントとして唯一の国家資格である中小企業診断士。

取得・登録し、独立して思う様コンサルティングサービスをクライアントに提供していきたいと思っている仲間も多いと思います。

しかし、診断士は仕事をしながら取得するビジネスマンが多い現状があります。

また、とある情報では「稼げない資格」として、風潮されている現実もあります。

明言できますが、中小企業診断士は「絶対に稼げる資格」です。

問題は、「稼ぎ方」なのです。

表題の「その価値とあり方」にその答えはあるのですが、そこに気づいていない仲間があまりにも多いような気がしています。

中小企業診断士は「経営課題解決のプロ」ですから、クライアントの課題解決に向き合う必要があります。

その覚悟も必要です。

中小企業経営は、課題・問題発生の連続ですから、プロたる中小企業診断士はクライアント様と中・長期的な「課題解決のための顧問契約」で支援することが理想です。

課題は、短期的な処方で対処し解決できるほど甘いものであはありません。

短期的な処方の代表が「リストラ=人員整理」ですが、中小企業診断士の仕事としては絶対に禁じ手です。

実際に、「業績悪ければ、即リストラを提案する」エセコンも大勢います。

人を不幸にするリストラは、ある意味「どんなコンサルでもできる」手法ですよね。

中小企業診断士は違います。

リストラを回避し、あらゆる制約条件を考慮しながら、「人が幸福になる中小企業経営の処方箋」を提案しなければならないのです。

投稿日: 2019年8月24日 | 11:00 pm

人はお金では動かない。

ある経営者の言葉を思い出すことがあります。曰く「人財が集まるのは、給料がいいからだ…」ある意味正解だと思いますが、大間違いだとも思います。

給料の高さにつられて入社した人財は、給料の不満で去っていきます。

日本的経営は、「義理と人情」の経営です。

はっきり言いますが、人(経営資源としてのヒト=人財)は、お金では動きません。

経営者として、高い給料を払ってあげたいと思うことには経緯を払います。

そして、企業内ではびこる「稼ぐヒトがえらい」という社風がもしあるならば、その社風は払拭する必要があります。

本当に企業にとって必要な人財は、「お金」では集まってきません。

人財が魅力を感じる要素は、多岐に渡ります。

経営者自身の人間的魅力、扱う商品の価値、企業の将来性、企業風土、働きやすく頑張り安い社風…など多様なのです。

実際に、業績連動型給与の比率が極端に高い企業は、社内にギヅギス感が漂います。

そして、業績(成果、売上)を上げるためにどんなことでもしてしまう、いびつな人材を育む傾向があります。

数字は頑張った結果です。だからといって数字だけで評価し、給与に反映してしまうとモチベーションを帰って下げ、大切な人財が流出してしまいます。

いつの時代も、ヒトがヒトを評価するということは難しく、だからこそ企業の理念に即した正しい人事考課制度を構築し、数値以外の評価(定性評価)を盛り込むことをお勧めします。

投稿日: 2019年8月22日 | 11:00 pm

会議は企画議論を盛り込んで…

経営会議を始めとした、企業内での各種会議のあり方を考えてみます。

究極には、会議は「明るいもの」でなければなりません。そして、会議後は「また、がんばろう!」と前向きになれるような終わり方が望ましいです。

しかし、まだまだ圧迫感のある会議を推奨している企業が多々あります。

数字の詰めしかしない営業会議。責任ばかりを追求する幹部会議…など、悪の会議をこれまでたくさん見てきました。

はっきり言うと、時間の無駄です。

参加者のモチベーションが下がるような、また、悪い空気感で満たされるような会議は、やらないほうがマシ…というものです。

ましてや、企業のトップ(社長や会長)の独壇場(説教の場)となる会議は、コストと時間がもったいないです。

もちろん、喧々諤々の議論は推奨されます。

会議の目的をしっかりと共有できていれば、議論が頓挫することもないでしょう。

会議は、建設的な議論を推奨します。ですので、企画立案の内容を盛り込んで議論しましょう。

今まで取り組まなかったような企画や取り組みを、作り上げていくようなアイデア。それを形にする議論を前向きに展開していくのです。

参加者の高揚感も上がりますし、会社を良くしていくような企画は、何より立案・実行していく楽しさがあります。

スタイルは「ブレスト形式」が望ましい。論点が外れていない意見は、真摯に耳を傾けて、決して否定しないことが「明るい会議」のコツです。

投稿日: 2019年8月21日 | 11:28 pm

オススメ本の話

たまには…最近読んだ本の話をします。

趣味の一つが読書という小生は、仕事でもプライベートでも本をよく読みます。

書店に行くと平気で何時間でも滞在できますし、図書館も大好きです。

中小企業診断士として経営コンサルタントの仕事をしている以上、本を読んで語彙力や執筆力を磨いていくことはとても大切なことです。

ただ、こんな書籍はつまらない…という本も多く存在するのでご注意を。

最近読んだ本でオススメ…コンサルタントしては…

『売上を、減らそう。』(中村朱美著)です。

京都でステーキ丼専門店を営む経営者の話ですが、業績至上主義からの脱却や、スタッフを大切にする独特の経営手法で大繁盛店を作り上げるお話です。

テレビ東京放送「ガイアの夜明け」でも紹介されました。

彼女(中村さん)の信念「スタッフの幸せは、家族と食事をすること」だそうです。だからこの会社、実働営業時間3時間半。14時30分には営業終了(1日100食限定)なんです。

社員のインセンティブは金銭ではなく、「早く帰ること」。とてもユニークですよね。

もう一つ。

『夏の騎士』(百田尚樹著)も面白かったですね。あまりの面白さに2時間で完読してしましました。

まさに時を忘れる面白さです。そして、40代〜50代の方々は、なんだか勇気が湧いてくる…そんな話。

詳細はあえて言いません。ぜひご一読を!

読書は、人生に刺激を与え、人生を面白くしてくれる最高のビタミン剤…だと思っています。

 

 

投稿日: 2019年8月20日 | 9:33 pm

ビジネスはフェイストゥフェイスで…

ITやAIが目覚ましい発展をしている今日。ビジネスの形も大きく変貌しています。

インターネットビジネスで大きく利益を上げる企業が出てきたり、クラウド上で金銭のやりとりができる環境は、これからもとめどなく発展していくと思われます。

実際の金銭取引も、カードや携帯電話で可能となり、キャッシュレス化が進んでいます。

中小企業もこの環境に適応していく必要がありますし、順応していく必要があります。

しかし、ビジネスは結局のところ「フェイストゥフェイス」ではないでしょうか?

ITやAIは、人間の営みにである「商売=経営』を便利にするためのツールにしか過ぎません。

どんな人が、どんな価値を創造し、どんな方法で提供しているか?ものやサービスの売り買いは、そこに携わる人間の姿と想いを汲み取ることから始まると考えています

インターネット空間での商売(ビジネス)は、人と人とが同じ空気を吸いながら価値の取引をする行為の一部を担うことはあると考えられます。

だけど、人間同士の価値のやりとりに取って代わることはないでしょう。

一方でAIの発達は、多くの”作業的”仕事を人間から奪う可能性も指摘されています。

今後10年以内に大きく労働・仕事環境は変わっていくでしょう。

ですので、ますます”本物の価値=人を幸福にするモノやサービス”の創造と提供が求められる時代になると考えられます。

投稿日: 2019年8月19日 | 11:02 pm

中小企業診断士として生きる−14 〜その価値とあり方の考察〜

中小企業診断士として、報酬よりも嬉しいことがあります。それは、何よりクライアントの社長、幹部、スタッフの方々からの言葉です。

ただ、「あなたのおかげで儲かった」とか「おかげで利益が出たよ」などという言葉はあまり嬉しくはありません。

利益はあくまでも結果現象であり、それはコンサルタントの功績ではないからです。

利益は、クライアントのメンバーの皆様(社長、幹部、スタッフの方々)が頑張った結果なのですから。

利益が出てよかったよ…と言われて喜ぶのは、一部の税理士先生くらいでしょう。

中小企業診断士として、もっとも嬉しい言葉は「会社が良くなったよ(いい会社に一歩近づいたよ)」という言葉です。

社風が良くなってきた(会社の空気感が洗練された)とか、スタッフが生き生きしてきたなどという言葉も嬉しいものです。

中小企業診断士の最大のミッションは、「クライアントを元気にすること」なのです。

クライアントを元気するための第一条件は、経営に関する知識やマーケティングのテクニックではありません。

自ら明るく、元気に振る舞い、常に謙虚で経営者を敬い、約束を守り、前向きな提案をする…そのあり方(姿勢)です。

今日はご縁があった、尊敬すべき社長の誕生日でした。

お祝いのメールを送ったところ、「ご縁に感謝です。いい会社になっていってます。」との言葉をいただきました。

報酬よりも、プロコン(中小企業診断士)として心から嬉しい、「生きている意義を感じる」瞬間です。

投稿日: 2019年8月17日 | 11:14 pm

中小企業診断士として生きる−13 〜その価値とあり方の考察〜

最先端のサービス業ともいうべき経営コンサルタントは、”自分自身”が商品なんだという意識を特に高めていなければなりません。

ですので、人間性を磨くことも、とても重要な”品質向上戦略”ということになります。

ノウハウや情報が商品ではありません、絶対に。

「クライアントに寄り添って課題解決に向き合う姿勢と実行力」に報酬を払ってくれるのです。

チープで稚拙なコンサルタントは、フィー(報酬)の額ばかりを気にしています。

以前勤務していた会社では、コンサルティング契約を上司に報告すると…

「その仕事、いくら(金額)で引き受けたの??」と真っ先に聞いてくる上司(女性)がいました。

普通、「おめでとう。どんな仕事でお役に立つの?」と聞きませんか?

また、ある展示会でMR(マーケティングリサーチ)の仕事をしている時に、大手コンサル会社(F総研)のコンサルタントがやってきて名刺交換。ここまではよかったのですが、次に出てきた言葉が…

「ちなみにそのリサーチの仕事、いくらの報酬ですか??」。

普通コンサルタントのプロならば、報酬のことは後の事です。

まずは、何の仕事をして報酬をもらうのか?どんな価値をクライアントに提供するのか?が一番大切です。

中小企業診断士は、「この仕事いくらで引き受けようか?」ではなく「この仕事でどんなにお役に立とうか?」という発想を、まずは持つ必要があります。

国家資格を持った経営コンサルタントなのですから。

いつも、常に「極上のコンサルティングサービスの先に、フィー(報酬)がある」という誇りと気概を持ちたいものです。

 

投稿日: 2019年8月16日 | 11:00 pm