業績計画の立て方ー3

経営計画書は、現場幹部やスタッフを巻き込んだ中で策定していくのがベターです。僕は基本的に、「経営計画書策定研修」というスタイルで、2日間にわたって策定する方策を推奨しています。最近ではコロナで実現しなかった、宿泊スタイルでの研修ですが、結束力が高まること間違いありません。

年に一度は、きっちりと計画を練り策定する時間を持ちたいものです。特に最近では、1年間の計画ではなく半期計画(半年)を立案する方がいい。超情報化社会の今日では、1年間が劇的に変化していきます。

単年度経営計画書は、出来上がって終わりではない、むしろスタートです。そこで、毎月の経営会議でPDCAを回していくことが重要です。

よくありちな経営会議のパターンですが、P(計画)→D(実行)までは、できているのですが、C(検証)→A(改善)が立案できていないことです。これでは全く意味がない。

PDCAを実直に回していき、確実に成長していくことが、企業業績の向上につながります。

経営に、はじめから奇策はありません。奇策が生きるのは、手堅い計画を実直に実行して、検証していくことが経営の基本なのです。

そのために、無理な計画は絶対に策定してはいけない。頑張れば届く…頑張り方も分かる。そんな計画が理想です。

また、業績が今どき120〜130%UPで大喜びする経営者もナンセンス。低成長時代の今日。このような急激な業績拡大は、むしろリスクです。

あくまでも無理のない成長が理想。確実に毎年103〜105%で推移する方が、健康的な経営と言えるのです。

投稿日: 2023年1月12日 | 5:54 am

業績計画の立て方ー2

前回に引き続き、経営計画書に関する主張です。何度も言いますが、経営計画書なき経営は、リスクが高い。どんな小さな商売でも、年度の初めに的確な計画書を策定する必要があります。備えあれば憂いなしは、道具ばかりのことではありません。経営計画書に関することでも、同様なのです。

今回は理想的な経営計画書の「姿」について書きます。

1…経営者の決意表明が書かれている経営改革書

年度のスタートは、社員も高揚感を覚えます。そこで経営の責任者たる社長の決意表明が、文言として書かれておるととても説得力が増します。

2…中期ビジョンが書かれている経営計画書

単年度(1年)だけでなく、向こう、3年〜5年のビジョン(あるべき姿)を考察して策定しましょう。優秀な社員であればあるほど、我が社の中期的方向性が気になるものです。

3…前期の振り返りが書かれている経営計画書

前期の振り返りから導き出された、あるべき姿とのギャップ(差)を明確にしておきましょう。

4…課題を解決するための具体的戦略が書かれた経営計画書

課題があるから成長するシーズがあるのです。課題なき経営は成長の余地がない。課題を解決するための具体的スケジュール(行動計画)を見える化しましょう。

5…数値(業績)計画

業績は最も重要な策定要素です。ただし、絵に描いた餅にならないようにしないと…意味がない。頑張れば届くような数値計画が理想です。

次回は、経営計画書の運用方法について書きます。

投稿日: 2023年1月11日 | 5:44 am

業績計画の立て方ー1

3月決算を迎える中小企業は、全体の20%ほどだという数字が出ています。世間で言う年度末の方が、何かと利便性が高い理由なのでしょう。いつであれ、決算を迎える企業にとっては、次期の経営計画を立案しなければなりません。

経営というのはエンドレスです。決算を迎えて、商売が終わり…という訳ではないのです。

そこで経営計画書(僕はこれを羅針盤と呼んでいます)を”必ず”立案する必要があります。

単年度経営計画書の重要性については、長くなりますので割愛します。今回は、その立案・策定方法について書きたいと思います。

まず、経営計画書の「あり方」について、散見する”拙い状態”を羅列しましょう。

1…数値(業績)計画だけの経営計画書

数値計画は必須ですが、それだけの計画は、計画とは言えない。数値の羅列だけなら、何の知恵も必要ありません。重要なのは、具体策です。

2…スローガンや方針だけの経営計画書

方針だけでは、スタッフやメンバーが何をしていいのか分かりません。戦略や戦術レベルまで落とし込まれた、経営計画書であることが大切です。戦略とは「何をどこに?」、戦術とは「どうやって?」を指します。

3…無理のある経営計画書

できもしない施策や、到底届かない数字を羅列しても全く意味がありません。計画(目標)というのは「頑張れば届く、頑張り方も分かる」であることが大事です。

4…経営者や経営陣だけで策定した経営計画書

現場・現状をもっとも皮膚感覚で分かっているのは、幹部やスタッフ(社員)です。経営者だけで策定した計画書は、現場の志や魂が入らず、実行力が著しく落ちます。

他にもありますが、この辺で。次回は、理想的な経営計画書の姿を書きます。

投稿日: 2023年1月10日 | 5:23 am

ブランディング・コンサルタントが考える人事の話ー3

報奨的昇進制度が、中小企業の人事戦略に多大な負の影響を及ぼすことを、前回主張しました。人材を人財に成長させる人事考課制度に関して提唱していきます。

多くの人事評価制度を見てきましたが、100点満点の制度などあり得ないことをお断りしておきます。特に人事関しては、なおさらです。人間は単純な生き物ではない。複雑な感情を持ち合わせています。些細なことが、大きくモチベーションに関わってくるのです。モチベーションは、中小企業経営のパフォーマンスに多大な影響を与えます。そういった意味で、人事評価制度というのは、練りに練った制度をオリジナルで創らないと諸刃の剣的な制度になってしまうのです。

まず、「人事評価」という言葉がよくありません。あくまでの「考課」です。課題を考えるという意味での「人事考課」という言葉が相応しい…と僕は考えています。

間違った人事制度は、評価項目(文言)が曖昧で、実に使いにくい。考課者(考課をする人:上司)の主観ができるだけ入らないような、評価項目を策定すべきです。これには、時間と手間が必要です。だからこそ、出来上がった制度が使いやすく継続しやすい制度に仕上がるわけです。

また、5段階の評価も良くない。段階はあくまで偶数にすべきです、そこで、僕が推奨する人事考課制度は6段階で制定します。

その方が中心化傾向を回避できます。奇数だとどうしても、中心の点数に集中しがち(5段階の場合3)になります。これでは、被考課者(考課される人:メンバー、スタッフ)のモチベーションも上がりにくいのです。

投稿日: 2022年12月29日 | 5:20 am

ブランディング・コンサルタントが考える人事の話ー2

人財という言葉は、昔からあったわけではありません。いまでこそ定着した「人財」という言葉ですが、以前は普通に「人材」と書いていました。それだけ、近年の中小企業経営においては、人の活躍にフォーカスした戦略を取る必要があります。作ったら売れるという時代が終焉を迎え、より「ヒト=人財の知恵や行動力」でオンリーワン化(ブランディング化)する環境になったことが伺えます。

中小企業経営にとって、人財活躍の環境づくりがとても重要です。だからこそ、間違った戦略実行は、取り返しのつかない事態を招きかねません。

今回は、間違いやすい戦略のひとつ「人事の昇進戦略」について提唱します。

よくある間違い戦略の代表的事例に「報奨的昇進制度の導入」があります。つまり、実績をあげたから昇進させるといった内容。ここに大きな間違いがあります。ここで昇進の定義をしておきましょう。昇進とは「役職がつく」ことを意味します。つまり幹部・リーダーとして活躍してもらうことを意味するわけです。

幹部・リーダーというのは、人間的な魅力(熱意や信用信頼、リスペクト)が必須です。実績をあげたからといって、安易に昇進させてしまうと、”ふさわしくない人財”が幹部・リーダーになってしまう場合が多い。こうなると組織的な不幸を招きます。

あくまでも昇進というのは、コンピテンシー(あるべき姿・ハートやマインド、スキル・知識)などを決めて、そこに到達した人財を登用するべきなのです。

ふさわしくない人材が、幹部になった結果、スタッフ(社員)の成長を鈍化あるいは阻んでしまった事例は、中小企業経営にあるなるな現象なのです。

 

投稿日: 2022年12月28日 | 5:21 am

ブランディング・コンサルタントが考える人事の話ー1

中小企業経営者が抱える多くの課題は、「カネ=資金・財務・業績」に関する事、または「ヒト=人財、採用と育成」に関する事に集約されると考えています。ただし、優先順位から言うとやはり「ヒト」の課題が第1であることに変わりはありません。

中小企業の経営資源は、唯一「ヒト=人財」であるからです。優秀な人財が揃っていれば、「カネ」も稼げますし、「モノ=商品・サービス」も開発・揃えることができるからです。「カネ」は全てが結果現象。優秀な人財採用と育成こそ、経営者最大の責務といえます。

中小企業経営において、「ヒト」の課題が最重要事項である以上、中小企業診断士も人財に関する課題と対峙する必要があります。

僕は日頃からブランディング・コンサルタントを自称していますが、人事制度や評価・考課制度に関する課題の多さを実感します。それだけ、人事に関する課題は、変数が多い。中小企業経営の主人公は明らかに「ヒト=人財」ですから、人財が活動活躍しやすい環境づくりこそ、大切なのです。

これまで多くの中小企業支援に携わってきましたが、間違った人事戦略の実態を散見するたびに、そこで働く社員の将来を憂いてしまうこの頃です。

社会保険労務士が中心となって策定した、あるいは人事関係のコンサルタントが支援して作られた人事評価・考課制度。中には素晴らしい出来栄えのものがありますが、多くの場合(8割以上)が、「なんじゃこりゃ?」と思ってしまう制度になっています。

次回から少しづつ、紹介・改善・方向指南の提唱をしていきます。

投稿日: 2022年12月26日 | 5:00 am

対処療法と予防療法

中小企業診断士をはじめとした、経営コンサルタントはある意味でビジネスドクター的な存在として比喩されます。なるほど、中小企業経営の課題ポイント(病状・症状)を診断して、見つけ出し処方箋やオペレーションを提示することは、医者的な存在と酷似しています。

ところが、中小企業診断士(経営コンサルタント)の存在は、医療的専門家(医者)と違う概念が必要です。それが、予防療法というものです。患者は医者にかかるとき、症状が出てからかかります。逆に言うと健康な時は、医者にはなかなかかかりませんよね。

歯科医がときどき予防歯科診療を勧めていますが、それも実生活では浸透していないのが現状です。

中小企業診断士はどうでしょうか?明らかに、予防療法の推進者ということが言えます。

中小企業経営では、対処療法を実施する時は、長期的な療法投下をしなければならない場合が多い。下手すると、手遅れという事態もあり得ます。

以前から主張していますが、中小企業診断士は「町医者」であり、また「漢方医」でなればならない。

町医者は、庶民のかかりつけ医として様々な病気に向き合います。また、漢方医は体質改善を信条としながら、長期的に患者に向き合います。漢方医学は、病気に負けない体質づくりを目指して、療法を施します。

まさに予防療法です。

病気にならない企業体質づくり、体質改善…。処方箋の提示…。これはまさに中小企業診断士のミッションと言えましょう。

逆にコストカッター的な経営コンサルタントは、外科医と言えます。対処療法を施す内科医とも違うのです。

投稿日: 2022年12月21日 | 5:11 am

M&Aは事業承継の一形態である!

先日のこと。僕のクライアントの社長から相談がありました。曰く、「最近大手コンサルティングファームが頻繁にやってくる。主な案内は、M&Aなんです」…と。そのコンサルティング会社は、かなり有名なM&A推進企業でした。あえて社名は伏せますが…。

資料を見せてもらいました。そこには、クライアント企業自体の推定金銭価値と、売却先候補企業のリストが書かれていました。

僕はM&A自体を否定していません。しかしながら、最初からM&Aありきを推進するコンサルティング企業には、違和感しかありません。このブログで何度も訴えていますが、M&Aは事業承継の一端にしか過ぎません。企業はあくまでも、優秀な社員(御子息含む)に承継していくべきなのです。

企業(特に中小企業)は、想いの集合体です。土地や建物のように無機質な物体ではないのです。右から左に売り捌き、手数料を受け取るM&A推進企業には、中小企業診断士として怒りさえ覚えます。

宇宙に行った大金持ちのように、さっさと企業を売却し、莫大なキャッシュを手に入れる…これも人生でしょう。

「うちの会社には、有望な後継者はいない。独自のノウハウや資産はあるが、後継者がいないために今後の運用が心配だ…」そんな悩みに初めて登場する選択肢が、M&Aなのです。

M&Aを成立させて、売り手買い手から手数料を受け取るコンサルティング会社。数内やデータ、業績で査定し、売り買いを成立させる…。一見美しいようですが、まずは自社が永続発展できる「自社内承継のための施策」を考えてみませんか?

 

投稿日: 2022年12月19日 | 8:31 am

粗利益率1%の重み

減収時代の昨今、高付加価値経営への転換は中小企業経営において、生き残るための絶対条件であると言えます。安易な低価格経営は、百害あって一利なし…。自社の経営を圧迫していくだけです。

業績拡大路線を考案する前に、優先順位として取り組む価値のある戦略が「粗利益率向上」経営です。粗利益率(売上総利益率)というのは、ブランディングにも直結する勘定科目です。

例えば売上高が、1億円あったとしましょう。業態は小売。粗利益率が30%の経営をしていたとします。粗利益額は3000万円ですね。

この粗利益率を1%上げてみましょう。300万円の利益が創出できる訳です。2%粗利益率が向上すれば、600万円の利益貢献ができます。

売上至上主義で推進するよりも、粗利益率向上・確保経営が中小企業には相応しい。

基本的な戦略は、「無理のない増収戦略(売上拡大戦略)を取りつつ、ブランディング経営で価格主導権を握り、高付加価値経営を推進する」です。

間違っても増収傾向の見栄えを良くするために、低価格戦略を展開しないようにしましょう。中小企業経営は、長期的視野でオペレーションしていくのが基本であり、一度低価格戦略に慣れてしまうと、それは麻薬のように社風に蔓延していきます。

粗利益率1%…たかが1%ですが、されど1%です。粗利益を上げるためには、商品・サービスのブランディング・シーズを磨き上げて、高付加価値経営を実現するようにしましょう。

投稿日: 2022年12月14日 | 5:46 am

売上を短期で上げるって???

決算期が近づいていくにつれて、計画予算との業績乖離が目立っていき、途方に暮れるような気分になる経営者がおられます。毎月の業績PDCAを実施しているのいるのは、とてもいいことです。しかし、目標が高すぎるとさまざまな経営判断を誤ってしまう要因になることは、本ブログで主張しているとおりです。

経費や利益目標との乖離が、激しくなってくると、短期間で売上を上げるような行動を取りがちになります。中小企業経営において、短期で売上を急激に上げる方法があれば、正直教えて欲しいと思います。

あるとすれば、一点です。それは、安売り…あるいは、低価格販売につながる販促戦術です。実はこれ、最大の禁じ手です。

売上という勘定科目は、膨張指数です。つまり、いくらでも膨らませることができるのです。プライスダウン戦略で、短期的に売上をあげたとしましょう。行き着くところは、粗利益が確保できない経営。つまり、利益を圧迫していく、負の循環経営ということになります。

短期間で売上をあげるような、無理あるオペレーションは、無理あるコスト管理につながり、いいことはひとつもありません。

売上という収益源は、長期的な視野でじっくりと上げていく取り組みこそが重要なのです。

短期的に売上を上げる???って、莫大な広告費をかけますか?それも、中小企業経営は限界があります。

以前のブログにも書きましたが、業績が苦しくなると、作戦会議もそっちのけで「全員営業!」を掲げ、現場で売上を上げることに注力していく経営者の末路は悲惨ですよ。

 

投稿日: 2022年12月12日 | 5:02 am

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