個人面談という診断手法

中小企業経営の実態に肉薄し、正しい現状を認識することがコンサルティング(処方)に入る初段階です。

よく、予備調査として財務諸表のみで現状を把握されようとする方(結構、税理士や会計士に多い)も見られますが、財務諸表だけでは企業経営課題の仮説(の一部)しか分かりません。

経営コンサルティングのプロフェッショナルである、中小企業診断士の手法は違います。

様々な手法を駆使して、クライアント企業の実態調査を進めるべきですが、そのひとつに”個人面談ヒアリング”という手法があります。

な〜んだ、ただ話を聞くだけか…と思うなかれ。

ヒアリングという手法は、プロのなせる技(高度な技術)なのです。

現場社員や幹部、経営者に至るまで話を聞いていくわけですが、そこに信頼関係がないと本音を話してくれません。

いわゆるラポール状態を構築する必要があるのですが、これがなかなか難しいのです。

特に現場社員のヒアリングの場合、警戒心からか、なかなか本音で話をしてくれない傾向があります。

ヒアリングの際に重要なポイントは、

①共感を生む”うなずき”や”返事”

②PCではなく、ノートやメモ帳を使用するアナログ性の演出

③なんのための面談・ヒアリングなのかを説明する動機付け

④面談者の話をできるだけ遮らない”傾聴力”

などが重要です。時間的には40〜60分が目安でしょう。

投稿日: 2019年6月7日 | 11:00 pm

人材流出は最大の機会損失である

中小企業経営にとって唯一で最大の経営資源は”ヒト=人財”です。このブログでも再三主張していることです。

人財の売り手市場(企業側の募集人数を人材の応募人数が下回る)、人手不足の環境はこれからも大きく変わることはありません。

少子高齢化により、労働人口は急激に減少しているからです。

AIなどの研究が進み、これまでヒトが担ってきた”作業部分”を代わりに実施してくれる時代の到来は、ある意味必然だったのでしょう。

しかし経営が、人間の営みである以上、人財が企業経営の趨勢を決めることは変わりありません。

特に中小企業においては、「ヒトが集まる、ヒトが辞めない、ヒトが育つ」経営をブレずに実施していくべきです。

例えば、人件費300万円で雇用した人財が、1年後に退職してしまったとしましょう。

1年間で投じた300万円という人件費は、すべて水の泡です。

その300万円を別の経費・投資として運用できたら??…。

中小企業にとって、どんばパフォーマンスを可能にできたか測れません。

それが将来有望な人財であったら、まさに機会損失(チャンスロス)ということになります。

人件費の考え方と”経費”と捉えている経営者は意外と多い…。

人件費は、”未来型経費=投資”という捉え方をしないと、経営判断を誤ってしまいます。

”人財流出は最大の機会損失”なのです。

 

投稿日: 2019年6月6日 | 11:00 pm

中小企業診断士は表現者である。

表現者という言葉を辞書で引くと、芸術などを通じて表現をするひと…だそうてす。

中小企業診断士をはじめ、経営コンサルタントを、生業とするひとは表現者でなければなりません。

何をもって表現するか?

ツールは五感です。コンサルタントの視覚、嗅覚、聴覚、味覚、感覚です。

表現方法は、話すことと書くことです。

この表現者という例えは、他の法律系士業とは明らかに違うポイントです。

完全に、未知の未来志向型専門家士業の最大の特徴と言っても、過言ではないでしょう。

また、経営コンサルタントや中小企業診断士には、それぞれの主義主張があります。

法律のように決まった定義などがない経営の世界では、正解というものは存在しません。

また、価値観も多種多様です。

経営コンサルタントの中には、「コンサルタントの使命はクライアントを儲けさせることである」と断言する人もいます。

コンサルティング手法においても、ビジネス書に書かれているノウハウをそのまま使用するコンサルタントもいます。

以前の小生の上司のように、部下・後輩のノウハウをそのまま使う輩もいます。

少なくとも、表現者である中小企業診断士であるならば、ノウハウは自分の経験に基づいてオリジナルを開発していくべきです。

開発し、確立した主義主張やコンサルティング価値観などを、表現者として発信していくことが必要なのです。

投稿日: 2019年6月4日 | 6:00 am

学ぶということ…。

働き方改革が叫ばれる今日です。

真の働き方改革とは、愉しく働ける企業風土の醸成と、愉しく働くための個人努力の成果である、と以前に書きました。

個人の努力とは、当然のことながら仕事に向き合う姿勢や課題を解決していくスキルアップになります。

その努力をせずに、仕事かが苦痛だとかつまらないなどという方々を結構見かけます。

愉しくなければ仕事じゃない!

この主張はずっと変わらないと思いますし、愉しく働くためには、学ぶという行為が不可欠です。

人間は生涯学ぶ必要があります。

学ぶとは何か?単純です。

「知らないことを知る、その喜びも知る」です。

仕事と学びは切り離すことはできません。

学ぶことに向き合わなければ、愉しく働くことはできっこないのです。

投稿日: 2019年6月3日 | 6:00 am

”いい会社をつくりましょう”ーFantastic Companyへ

”いい会社をつくりましょう”という言葉…小生がセミナーなどで表題とさせていただいているフレーズです。

このフレーズは長野県伊那市に本社を置く、伊那食品工業株式会社の社是として掲げられている言葉です。

現場型経営コンサルタントとして、日々活動している時に、この言葉の意味を噛みしめています。

いい会社とは何か?よく考えます(セミナーではきとんと分析・定義してますが…)。

英語で言うと、Fantastic Companyだと考えています。

Good Company とか Excellent Companyということもありますが、もっとも躍動感や感動的なイメージを受ける「ファンタスティックカンパニー」という言葉がピッタリきます。

企業経営の目的は、儲けるためではありません、絶対に!

強いて言うなら、社是や経営理念に掲げた理想に少しでも近づく努力をすることです。

そこに働く人たちが、幸せに仕事に向き合い、価値を生む…そして物心両方の豊かさを得ること…です。

儲けているからといって、いい会社とは限らない。いい会社だから結果的に儲かるのです。

同時に、営業成績がいいからといって、いい社員とは限らない。いい社員だからこそ営業成績がいいのです。

ご縁があってお手伝いしている企業様には、”いい会社=Fantastic Company”になってもらいたと心から思いますし、それが中小企業診断士(経営コンサルタント)のミッションだと信じています。

投稿日: 2019年6月2日 | 9:18 am

顧問契約こそ診断士のミッションである

中小企業診断士として、プロの経営コンサルタントを生業とする場合、クライアントとの顧問契約を締結していくべきだと言えます。

自治体や経済団体からの委託事業や専門家派遣事業での収入も見込めますが、比較的低価格であることや、報告書の策定や提出が義務付けられている点など、拘束されることが多いです。

そして、やもすれば価値観が違う経営者への支援を強いられたり、経営改善計画書などもフォーマットが決まっていたりと、何かと不自由な点がストレスです(あくまでも所感です…笑)。

このような理由から、中小企業診断士としての仕事のダイナミズムは、経営顧問先支援なのです。

顧問契約での定例支援に入ると、クライアントの社外役員や経営参謀として、経営の舵取りに携わることになります。

そこには当然、大きな責任感が伴います。

同時に、経営者の参謀・サポート役を担うという意味で、権利も発生していきます。

スポットでの研修や期間限定のプロジェクト契約もいいのですが、必ず顧問として機能するような立ち位置を取りましょう。

顧問契約で支援すると、プロコンとして収入も安定していきます。

毎月の顧問計画による定期的な収入があればこそ、クライアントへの魂を込めた支援が実現するものです。

経営コンサルタントは、さまざまなタイプがいます。

しかし、国家資格ホルダーである中小企業診断士は、「町医者型」を追求するべきです。

支援の目的を「クライアントが儲かること」ではなく「クライアントがいい会社になること」という位置付けが最も重要です。

投稿日: 2019年5月27日 | 6:00 am

つかの間の愉しみ…

佐賀市内某所。昼過ぎ3時頃から、ただいまシーズンの手長エビ釣りに出かけました。

主に汽水域に生息する手長エビは、これから7月中旬くらいまでがシーズンです。

釣具屋さんに行けば、200円くらいで仕掛けも売っています。また、10gほどの砂虫を購入するだけで楽しめる、まさにローコスト・フィッシングなのです。

ポイントはこんなところです。このゴロタの間に、彼らは潜んでいるのです。

餌を沈めて、ウキの動きをじっと見つめていると…わずかに横動き、浮き沈みをし始めます。

頃合いを見て、ゆ〜〜〜っくり引き上げると…。

きました〜〜。小さな手長エビが〜〜〜!!

ピンボケがおしい〜〜。

こんどは、大型のオスがかかりました。

自撮りはむずかしいですね〜〜。それにしても、1時間ほどの釣りでしたが、本当にリフレッシュできました。

決して派手ではない、シブい釣りですが、これがなかなかハマる面白い釣りなのです。

ウキが沈んで、アワセを入れてビビビっという抵抗を見せる中、引き上げる時のドキドキ感はたまりません。

中小企業診断士、経営コンサルタントとして、仕事も趣味もとことん愉しんで人生を謳歌したいと思いますよね。

 

投稿日: 2019年5月26日 | 5:53 pm

志の航跡 〜仲間たちへのエール〜

このブログでは、中小企業診断士やプロのコンサルタントを志す仲間たちのために、少しでも気持ちの糧となるよう、体験談を綴っていきたいと思います。

この仕事を通じて、困っている中小企業のお役に立つ仲間が増えていくことを祈念して、体験・経験・培った価値観・ノウハウを赤裸々に語っていきます。

 

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平成18年8月。3回目の第一次試験チャレンジの日がやってきました。

さすがに3回目の挑戦です。模擬試験の結果は抜群に安定してきました。

この年、中小企業診断士第一次試験制度が大きく変わりました。

これまで「新規事業開発」という科目がありましたが、無くなっています。

そして、総合点数の満点が1000点から700点になりました。中小企業経営・政策科目中の「助言理論問題」が削除されました。

また、企業経営理論と中小企業経営・政策が100点満点になりました。すべての配点が100点になったのです。

科目別合格制度や、3年間で7科目合格制度が導入されたのもこの年です。

従来の総合6割合格も継続されました。

小生は、狙うのはもちろん総合点数6割の1発合格です!

 

会場は、忘れもしない昨年の屈辱感が詰まった西南学院大学です。

1時試験のカタをつける覚悟で乗り込みました…気合十分、気力充実です。

試験が終わりました。

その年、診断協会は模範解答なるものをインターネットで公開し始めました。

試験終了後は、終わった充実感で満たされましたが、やはり結果が気になります。

翌日は仕事をさぼり、ジョイフルで自主採点に入りました。

経済学…52点(う〜〜ん、まあ健闘した方か?) 財務会計…50点(ん、やばいかもしれんな…)

企業経営理論…74点! (OK!想定内) 運営管理…62点(切り抜けた!!)

経営法務…66点(よし!) 経営情報システム…82点!(よっしゃ!)

中小企業経営・政策…72点!(そりゃそうだろ!)。

合計458点。

3回目のチャレンジで、1次試験を突破できました。

国家試験は、自分自身との壮絶な戦いです。

すべてのエネルギーを試験対策に向けないと、合格という結果を掴み取ることはできないでしょう。

小生も、身を削る思いで中小企業診断士第一次試験に向き合いました。

本当ににつらい時期もありました。

自分のモチベーションを支えていたもの…それは「中小企業診断士になりたいという夢」。

困っている中小企業経営者のお役に立ち、自分自身も感動的で面白い仕事がしたい…というビジョン…。

一次試験合格の余韻に浸ってはいられません。

第2次試験の10月は目の前でした。

~to be continued~

投稿日: 2019年5月25日 | 9:30 am

中小企業診断士(経営コンサルタント)とコピーライター

コピーライティングスキルは、中小企業診断士として少しは持ち合わせたい能力(スキル)だと感じるこの頃です。

商品開発プロジェクトを推進していく際にも、ズバリと商品コンセプトをキャッチフレーズ化したりする場面があります。

ただ、このコピーライティングは、最終的には前回申し上げた様に「餅は餅屋」という専門家に依頼することがベターです。

素人感があるコピーは、やはり稚拙です。残念ながら…。

では、中小企業診断士(プロコン)としては、何をするか?

「大枠のコンセプトに込められた、開発者や経営者の想いをフレーズに変換すること」です。

そしてインパクト性のある、ユニークで面白いキャッチコピーは”腕のいい”コピーライターとの提携を推奨します。

小生も提携して、よく相談するコピーライターがいます。女性ですが、彼女のコピーライティングは、つくづく感心する出来栄えです。

特に、食品などは「シズル感」たっぷりなコピーを毎回創出してくれます。

中小企業診断士は、そんなブレーン、ネットワーク、提携先を日頃からチョイスし、リレーションを構築しておくことが重要なのです。

なぜなら、中小企業診断士(経営コンサルタント)はコーディネーターであり、プロデューサーであり、あらゆる場面で登場する課題ソリューションの専門家であるからです。

投稿日: 2019年5月23日 | 11:30 pm

中小企業診断士(経営コンサルタント)とデザイナー

経営コンサルタントという仕事は、つくづくクリエイティブ力が問われる…と感じる今日この頃です。

自分の直感や仮説、経験に基づくノウハウをいかに開発していくか?

常時、問題意識・課題意識を持つべきプロフェッショナルと言えます。

クリエイティブ・スキルこそ、他の士業の方々と差をつける重要なスキルファクターでしょう。

完全な未来創造型であり、クライアントから未来創造のお手伝いを期待されるのです。

クリエイティブスキルで勝負するという点では、デザイナーの方々と類似している点が多いと思っています。

違う点は、開発(クリエイト)したノウハウは、さらにグレードアップさせたり、カスタマイズさせたりすることで、他のクライアント様に役立てることができる点でしょうか?

ただ、ブランディング・マーケティング支援をクライアントで実行していくとき、デザイナーのヘルプやサポートは不可欠です。

「餅は餅屋」という言葉ある様に、それぞれの専門分野を結集して、ブランディングに向き合っていきます。

その際、ネットッワークを組む提携先のセレクトは留意しましょう。

「早い、腕がいい、ヒトがいい」この3つが必要条件です。

小生も、ブランディングメーケティング戦略支援の際に、よく相談するデザイナーがおられます。

彼は真摯に取り組んでくれるし、多様な相談に応じてくれます。

何より、現場に来てくれて同じ空気を吸いながら、情報共有や共感を求めてくれることに信頼感を持っています。

経営コンサルタントの連携先として、とっても重要な連携条件なんです。

 

 

投稿日: 2019年5月20日 | 11:00 pm