経営会議はドラマである

コンサルティング活動の一環では、各種会議のファシリテートの場面が多くあります。

会議のファシリテートは、経営コンサルタントの大切な支援サービスの一つです。

コンサルタントが随所で課題の一石を投じ、頓挫した議論を滑らかに推進し、有効な決定事項を促す…その意味ではまさにプロのなせる技であるといえるでしょう。

下手なコンサルタントが絡む経営会議は、妙な圧迫感が漂います。

結果としていい議論(インプット)ができずに、魂のこもらない決定事項(アウトプット)が産まれます。

そして魂のこもらない決定事項は、実行が遅れたり、履行されなかったりします。

いい会議の成果が産まれ難いのです。

経営会議は、メンバー(プレイヤー)・参画者の”想い”を発現(発言)する場です。

言いやすい雰囲気、発言しやすい空気…そこには時に激しい議論が交わされ、時に笑いが起き、時にじっくりと深考する時間がある。

その時のタイムリーな課題にメンバー全員で向き合う。

他部門(他店舗)の課題を我が事として、しっかりと向き合う。

そこは、メンバーの想いが詰まった、まさにドラマなのです。

おそらく観覧客がいたら、見入ってしまうほど面白い、筋書きのないドラマでしょう。

そんな人間ドラマに、毎日のように携われる仕事に心から感謝している今日この頃です。

投稿日: 2019年4月25日 | 2:30 am

社内表彰制度のススメ

クライアント企業の取り組みとして、社内表彰制度を推奨しています。

企業経営において、定量的・定性的な貢献をしたメンバーに対する”ご褒美”制度です。

社内表彰制度は、定量評価だけで完結してしまうと諸刃の剣となりかねません。

考え方は人事考課・評価制度と同じなのです。

目的はひとつ。メンバーのモチベーションを上げるため…です。

悪例をご紹介しましょう。

その企業は、報奨金制度を設けていました。制度そのものは悪くありませんし、企業努力の一環として良いことだと考えます。

ただ、その評価項目が問題です。その企業が設けていた制度は、「新規(顧客)獲得・契約金額の年額30%を報奨金とする。それ以外は評価に値しない」というもの。

結果、その企業の社風はギスギス感が漂います。

まあ、トップがよく言っていた言葉が「仕事は結果(業績)がすべて」ですから、さもありなん…ですね。

社内のギスギス感は、よくない社風として承継していきます。

そのような企業は、禁欲主義的な社員ばかりが”のさばる”空気感が充満してしまうのです。

社内表彰制度は、定量評価(業績)と定性評価(プロセス)のバランスで設置しましょう。

その方がモチベーションが上がり、結果として良い効果をもたらします。

投稿日: 2019年4月24日 | 2:30 am

ブランディング戦略の最大失敗

中小零細企業が取るべき事業戦略、ブランディング。この「中小企業のブランディング」というものを、生涯かけて追い求めていきたいと思っています。

ブランディング成功すると、「高品質・高付加価値・高価格戦略」が可能になります。

価格競争を回避した、オンリーワン戦略が可能になるのです。

 

ブランディング戦略を立案・実行していくと、“思わぬ落とし穴”に落ちることがあります。

落とし穴は様々な形で、様々な場所にありますが、最大の失敗を教えます。

それは、企業や商品のブランディングばかりが先行して、人財成長が追いつかないことです。

 

なあ〜んだ、そんなことか?と思うなかれ。

人財成長が進まず、足元をすくわれた企業を散々見てきました。

 

末路は、せっかく築き上げたブランドが音をたてて崩れ落ちていきます。

 

理由は簡単な理屈です。

ブランディングという、経営努力をひとつひとつ積み上げていく行為そのものが“人財のなせる技”だからです。

ブランディングばかりが先行してしまうと、中身のないスカスカの品質・付加価値を招いてしまいます。

 

結果、足元をすくわれる事態になりかねないのです。

投稿日: 2019年4月23日 | 9:00 pm

リスクの高いクライアント

経営コンサルティングがボランティアではないというのは、以前にも述べました。

プロのコンサルタントである以上、コンサルティング支援は商品であり”報酬”もらう収入源です。

であれば、気持ちよく”いい仕事”をしてクライアントに最大限喜んでもらうことが大切ですよね。

経営コンサルタントを生業にしている人は、様々存在しますが、「クライアントは選別するべきだ」というのが考えです。

また、コンサルタントとして仕事をさせていただく場合、リスク(クレームや短期の契約解除など)の高いクライアントとはお付き合いしないようにしています。

今まで、のべ15年間のコンサルタント経験の中から、導き出した答えがあります。

ひとつは、経営に関する価値観の共有・共感ができない経営者はクライアントとはならないということです。

そして、成功報酬を依頼条項として持ち出してくる経営者も、お仕事ができません。

以前「成功報酬型で高額のフィーを考えている…」と提案してくれた方もおられましたが、即、おことわりをいれました。

経営コンサルティングにとって、成功とは何か?定義ができません。

また売上や利益を成功として定義する経営者もおられます(これ自体は価値観ですから否定はしませんよ…念のため)。

しかし、売上や利益を成功定義としてしまうと、テクニカルなことばかり提案・支援するコンサルティングを提供してしまします。

何度も言いますが、経営は「やり方」でなく「あり方」が評価されるシビアな世界です。

いい会社になるための支援をするのがコンサルタントのミッションでであり、売上や利益を上げることがミッションではないのです。

「利益を上げているからいい会社ではなく、いい会社だから利益が上がる」のです。

投稿日: 2019年4月22日 | 11:30 pm

ロマネコンティの真価

応援している企業に、唐津市城内にあるワインセラーカワハラ(川原酒店)という小さなお店があります。

店主(社長)と奥様、そして後継者の長女様の温かい人柄とワインに特化した品揃えが特徴のステキなお店です。

ご承知のように、ディスカウントストアや大型量販店の酒類の低価格販売戦略により、街中の酒屋さんは姿を消していきました。

そんな中、唐津市のワインセラーカワハラは独自の販売戦略と接客、何より地元に愛される人柄をウリにがんばっている”街のお酒屋さん”です。

店内を紹介しましょう。

店内は、ヴィンテージもののワイン・洋酒から手頃な価格のモノまで揃っています。

手に取りやすい旬のワインです。

マリリンモンローです。陶器入りです(ご興味ある方はお尋ねください)。

小さな小さなお店(企業)が生き残っていきためには、大資本の大型店舗とは違うフィールドで勝負することが必要です。

大型店舗が大きなクジラだとすれば、小さな企業(お店)は雑魚と言えます。

しかし、雑魚は雑魚の戦略・戦い方・生き残り方があります。

機動力を生かしたきめ細やかな対応、希少性の高い品揃え、温かい接客対応…。打ち手は無限です。

ワインセラーカワハラも、地域のレストランや飲食店と連携してワイン会を開いています。毎回盛況でリピートするお客様も多い。

唐津に来る機会があれば、ぜひお立ち寄りください。

ワインセラーカワハラ  847-0016 佐賀県 唐津市東城内15−9

TEL  0955-72-2228

このお店には、すごいワインが置いてありますよ。これです!

ロマネコンティ1985 No.8 6リットル。幻のワイン。

値段は税込37,800,000円!

 

投稿日: 2019年4月20日 | 11:33 pm

ビジネスマッチングという化学反応

コンサルティング手法の一つに、ビジネスマッチングというものがあります。

経営コンサルティングの本質は、「価値と価値を掛け合わせて新しい価値を創る」ことです。

ですので”クライアントの価値”と”ビジネス提携先の価値”とのマッチングは、新しい価値としての化学反応が起きる可能性を、大いに秘めているのです。

今日は、佐賀市内のものづくり企業のマッチング支援のため、糸島のものづくり企業に行ってきました。

マッチングの提案(提携先の探索、調査、コーディネート)は、経営コンサルタント(中小企業診断士)のミッションです。

今回は残念ながら、思い描いたような結果は出せませんでしたが、次の一手(候補先)を模索中です。

これまでもブランディング支援の過程で、ずいぶんビジネスマッチングをコーディネートしてきました。

マッチングにおいて最も大切なことは、品質や納期、価格交渉の落としどころなどではありません。

大切なのは”価値観の共有ができるか?”です。

当方が「徹底的にこだわったものづくり(高品質)でお客様満足度を上げたい」という価値観であった場合、先方が「品質よりも価格」という価値観ならば、マッチングは成立しません。

特に中小零細企業の場合、「高品質、高付加価値、高価格」の信念がブレずに共有できるかどうかがカギとなります。

投稿日: 2019年4月18日 | 6:00 pm

コンサルタントとしてのリフレッシュ法

多趣味を自負しているのですが、趣味の多さには意味があります。

コンサルタントとして、百戦錬磨の経営者と対峙するとき、話題の多さや知識の豊富さ、体験談などで心の接点が深まるからです。

プロコンサルタントとしてリフレッシュ法を持っていることは大事です。

小生の場合は、空手や読書、ギターやドライブ、釣りやアウトドア…など多岐にわたるリフレッシュ法があります。

何もかも忘れて没頭していると、逆にリラックスしているときにいいアイデアや提案内容が浮かんでくることが多いです。

とくに入浴中やドライブ中、読書中などにアイデアが浮かんできます。

ちなみに読む本はノウハウ書ではありません。くだらない本が多いからです。

圧倒的に小説が多いですね。特に頑張っている経営者の物語やノンフィクションはオススメです。

クライアントに対しての”次の一手”の提案内容や、コンサルティング提案企画書の内容など…。

コンサルタントはクリエイティブな発想が必須です。

クリエイティブな発想のためにも、いい趣味、リフレッシュ法を持ちましょう。

投稿日: 2019年4月17日 | 10:09 pm

中小企業診断士の営業力

前回に引き続き、中小企業診断士として”稼ぐ”という行為にスポットを当てたいと思います。

営業力は診断士にとって必要か…?これはどんな士業においても必要なスキルと心得ましょう。

問題は、この「営業力」を勘違いしているコンサルタント(診断士)があまりにも多いということです。

コンサルタントの営業力は、クライアントを言いくるめて(できもしないことを宣って)契約すること…と思っていると大間違いです。

中小企業診断士の営業力を数式で表すと…。

現場観察力(調査力)×ヒアリング力×執筆力(企画書)×プレゼン力=診断士の営業力ということになります。

掛け算ですので、すべてのスキルにおいて0点だと、合計力も0点ということになります。

つまり、バランスが大切なのです。

ひとつひとつのスキルについて、詳細に解説していきます。

投稿日: 2019年4月16日 | 6:00 am

稼げる診断士になるために…。

中小企業診断士という仕事は、士業の中でも最も稼げる(仕事の価値が高い)資格であると断言できます。

よく、「足の裏のごはんつぶ=食えない」資格と言われることがありますが、そんなことは絶対にありません。

要は、稼ぐ(仕事を獲得し、継続する)ためのハート、姿勢、熱意(エネルギー)が間違っているか?不足しているか?の差です。

経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士の仕事は、無限です。

既得権益がある他の法律系・会計系国家資格(弁護士や公認会計士、税理士、社会保険労務士…)に比べて、仕事の制限がないのです。

制限がないからこそ、強みなのです。

中小企業は、問題・課題の連続です。

ということは、課題解決ソリューションを提供する診断士の仕事は、それ自体とても喜ばれるものであるし、報酬をいただける貴重なものなのです。

よく、経営コンサルタント(中小企業診断士)として、稼げるテッパン手法があると勘違いしている輩を見ます。実際、悩んでいるプロコンも多いですね。

しかし、稼げるためのテッパン手法があると勘違いしているしているところが大間違いなのです。

大切なのは、クライアントを我が事として寄り添い、課題ソリューションのために伴走型で奔走する姿勢・ハート(心)です。

ハートを持ち得ずして、ノウハウばかり獲得しようとするコンサルタントは、エセコンであると心得ましょう。

中小零細企業の商品開発のように、コンサルティングノウハウを開発し提供することが、稼げる診断士になるための一番の近道なのです。

投稿日: 2019年4月15日 | 10:05 pm

コンサルティング契約書について想うこと

プロの経営コンサルタントである以上、仕事は報酬が発生していきます。

コンサルティングサービスは、ボランティアではありません。絶対に。

以前、ある経営者がコンサルティングサービスを、お金が発生しない”慈善活動=ボランティア”的な扱いをされていたので、即刻支援を停止したことがあります。

モノがないコンサルティングという仕事は、サービス業の最たるモノということができます。

会計事務所の関連コンサルティング企業に所属していたとき、そのトップは業績主義の輩だったので、契約内容には厳しい管理がなされていました。

独立して今日、丸4年が経過しようとしていますが、小生のコンサルティングサービスは”クライアント様からの要望がない限り”特別な契約書というものを交わさないようにしています。

4年間の間、クライアント側とトラブルになったことはありません(クライアント側の非常識な振る舞いで、損害を被ることはありましたが…笑)。

その振る舞いも、他のスケジュールを入れられなくなるという軽微なものでした。

小生が、契約書は特段必要ないと考えている理由は、”町医者型コンサルタント”を自負しているからに他なりません。

契約書でガチガチに縛ってしまうと、多様化する中小零細企業の緊急性のある要望に応えられないと考えるからです。

やはり、持ちつ持たれつの信頼ある関係性の中で、良好なコンサルティングサービスを提供したいと考えています。

また契約書が実際になくても、日本という国においては信用信頼という絆という”見えない契約書”で十分だと認識しているのです。

投稿日: 2019年4月14日 | 5:55 pm