中小企業診断士の実際 〜診断士に求められるバランス・スキル

中小企業診断士が、名称独占の経営コンサルタント国家資格であると考えた場合、「国家が認めた知識とスキル」を擁したプロであることが定義されます。

様々な方面で、中小企業診断士が現場で力を発揮するフィールドは広がっています。

また、クライアントである中小零細企業は問題・課題の連続です。その課題を解決する支援がミッションの診断士。

これからますます、活躍の場は拡大するはずです。

まさに、中小企業診断士の仕事は”無限”なのです。

 

さて、中小企業診断士の究極は”町医者漢方医”であることは、変わらぬ主張です。

であるならば、中小企業のあらゆる課題に即時に対応できる「ゼネラリスト」でなければなりません。

つまり、経営の各課題に精通した「現場型」のスキルが必要です。

戦略・マーケティング、財務・会計、オペレーション(運営)、企業法務知識…。

現場型の…の意味は、ある程度(現場で応急対応できるくらい)の、と言う意味です。

 

けっして、税理士に負けないような財務・会計知識が必要な訳ではない。弁護士に負けない法務知識も必要ない…訳です。

ディープなソリューションが必要な場合は、ネットワークを駆使して支援すればいいのです。

クライアントが中小企業診断士に求めていることは、「現場で即解決する方策・戦略を寄り添って支援してくれること」です。

ある一定の分野に特化した専門知識よりも、広く浅くさまざまな知識・スキルを有する方が、現場型の中小企業診断士は喜ばれます。

 

投稿日: 2018年12月30日 | 11:58 pm

中小企業診断士の実際 〜現地現場を現時で取材する

中小企業診断士を生業としている方々の中には、先生としてセミナーの講師を務める方々、公的な業務(委託業務)を中心に活躍している方々、商工会議所などの専門家派遣を中心に収入を確保している方々…さまざまなタイプがいらっしゃいます。

理想的なのは、顧問契約のクライアントを定期的に現地訪問支援し、顧問フィーをいただくことです。

 

顧問契約でクライアントを支援するようになるポイントに、取材力というものがあります。

取材というもの…実は中小企業診断士としての生命線です。

現地現場で現時の事実を確認する…これが取材というものです。

インターネットや、マスコミ記事だけで取材などできるはずもありません。

例えば、コンサルタントがフレームワークとして多用するSWOT分析。

特にSWOTのSW(ストロング、ウィーク)ポイントフレームに書き込むべき分析要因の事実も、現場取材からしか生まれないのです。

取材は、クライアントの内部事情(経営状態)に肉薄(体を張って迫る)することです。

これは、ベンチマーク取材や競合先取材などにも通じる手法であり、手間暇かけたハンドメイドコンサルティングの根幹なのです。

取材は、デジカメやメモ帳などのツールも大切ですが、最も大切なツールは「問題意識を磨き上げたコンサルタントの五感である」ことはいうまでもありません。

投稿日: 2018年12月29日 | 1:47 pm

中小企業診断士の実際 〜クレーム感を対クライアントに持つとき

中小企業診断士として、プロコンとして、クライアントに対してクレーム感を持つことが稀にですがあります。

中小企業の経営者は、すべからく尊敬すべき存在として、診断士はリスペクトしなければならないというのが不変持論ですが、中には例外もあるのです。

もっともよくない事態が、「ちゃぶ台返し」という現実です。

例えば、経営会議(意思決定会議)で決定した戦略実行事項を、経営者の鶴の一声でスクラップしてしまうことです。

こんな時、コンサルタントは出る幕がありません。

コンサルタント、中小企業診断士として、何の価値もなくなる事態になります。

中小企業診断士は、経営の意思決定に対する情報提供と指南役にしか過ぎないからです。

経営の様々な判断、決断をするのは経営者です。しかし、意思決定機関である経営会議の決定事項遵守は、ルールです。

「責任転嫁」型の経営者にも、クレーム感を否めません。

経営は課題の連続です。つまり、うまくいかない場合が多いのです。

うまくいかない時、それをどう乗り切るかが経営なのですから、うまくいかない理由を責任転嫁(社員やメンバーに、ひいてはコンサルタントに)する経営者とは、早晩ご縁が無くなっていきます。

また、ドタキャン型の経営者もよくありません。コンサルタントは、時間を切り売りする専門家です。

明日のスケジュールを平気でドタキャンする経営者にも、「誠心誠意お手伝いして、協力しよう」などというモチベーションは薄くなっていくものです。

投稿日: 2018年12月28日 | 11:41 pm

中小企業診断士の実際 〜診断士として稼ぐという価値

「足の裏に着いたごはんつぶ」などと、時々こき下ろされることがある、国家資格「中小企業診断士」。

つまり「取っても食べれない」資格という意味だそうです。

誰が言い始めたのかは不明ですが、この風評はあながち間違っていないような気がします。笑。

それは、中小企業診断士を”取っただけでは食えない”からです。

一方で、中小企業診断士は「とっても稼げる資格」であるとも言えます。

その条件は、ある努力をしたならば…なのです。

 

診断士という言葉のように(この言葉自体は非常に気に入っています)、「診断する専門家」に固執しては成長はありません。

腕利きのドクターを想像してみてください。

患者様の診断をした後、様々な治療提案をなさいます。

その提案を上から目線でしたり、ひとつの治療方法しか提示しなかったり、薬の副作用ばかり言って脅かしたりするドクターがいたら、信頼できませんよね。

残念ながら、このような先生型の中小企業診断士は、かなりの確率で出現します。

 

中小企業診断士は、「中小企業の個別課題に向けた提案を、どれだけ現場に寄り添い提案できるか」が生命線です。

ですので、企画提案書をバンバン提出しましょう。

当然、コンサルティングはボランティアでありませんから、有料の支援ということになります。

 

中小企業経営者は、さまざまな悩みを抱えています。また、中小企業は問題発生と解決の連続です。

その課題解決策を個別具体的に提案し、現地現場で支援する中小企業診断士は、稼げる資格としてまだまだ活躍のフィールドは広がります。

 

また、診断士の「稼ぎ=フィー」は、人気(=お呼びがかかる)のバロメーターだと認識しましょう。

そして、ひとつのクライアントに長く長く継続支援できている診断士かどうか?も実力・信頼度を図る尺度として重要です。

投稿日: 2018年12月24日 | 2:22 pm

中小企業診断士の実際 〜診断士が仕事を愉しむコツ

中小企業診断士であれ、自称コンサルタントであれ、ミッションの本意は「クライアントを元気にする」ことだと確信しています。

国家資格ホルダーである中小企業診断士は、その活動範囲を中小零細企業の経営支援と位置づけ、現場を駆け回り、個別の課題解決支援に尽力する必要があります。

クラインアントを元気するミッションを遂行する場合、もっとも大切なマインドは何でしょうか?

説得力あるコンサルティング知識でしょうか?違います。

蓄えられた経験からくるノウハウでしょうか?これも違います。

実は、中小企業の経営者がわれわれにもっとも求めていることは、「明るき元気な」ことなのです。

もっと言えば、「中小企業診断士の仕事を愉しんでいること」です。

コンサルタントが、「疲弊した」「陰気くさい」「不潔」…およそ付き合いたくないようなプロである場合、経営者は辟易するどころか呆れ果ててしまいます。

では、中小企業診断士が仕事を愉しむコツは何だと思いますか?

それは、「徹底した事前準備」に他なりません。

支援しているクライアントに対して、その企業が「いい企業になる為の課題」は山積しています。

その課題に向き合った解決方法を事前にどれだけ準備できるか?が診断士の仕事を数倍愉しくしてくれます。

また、その事前準備は書籍やネットから採取した2次情報でありません。

独自に取材し、考察し、収集した1次情報であることがベターです。

事前準備した情報・レポート・企画書・提案書が、クライアントの経営者に喜ばれた時、中小企業診断士としての仕事は数倍愉しくなることでしょう。

投稿日: 2018年12月23日 | 1:45 pm

法律論と現実論と…(経営の建前と実際)

中小企業経営者に散見される現象なのですが、会社を私物化してしまうようなふるまいがあります。

法律上は、企業のオーナー(持ち主)なので”ワガママにふるまう”行為自体は、建前上許されます。

しかしながら、それは未だ家業の領域を脱していないときの話です。

家業から経営になったとき、つまり、社員・スタッフを一人でも雇用した瞬間に、その企業は社長を含めた構成員全員のモノとなります。

引いて言えば、社会全体のモノと言っても過言ではないでしょう。

企業には社会的責任(CSRとも言います)があります。

社会に対して価値を生み出し、投下し、人々に喜びをもたらし、雇用を創出する…これこそがCSRの本質です。

経営者は、恐ろしいほど見られている…。

構成員のモチベーションが、会社の盛衰を決めます。

構成員のモチベーションは、経営者の姿勢・ハートに左右されるということは、このブログで何度も主張している通りです。

投稿日: 2018年12月19日 | 1:00 am

中小企業が、これからの3年間になすべきこと(警鐘)

数日前のブログに、リーダーは部下から「やり方」ではなく「あり方」を見られている…という記述をしました。

企業も、まさにそのことが当てはまります。

つまり、経営のやり方ではなく「経営姿勢」つまり「あり方」が見られているのです。

誰に?

世の中のさまざまな人たちに…です。

中小零細企業の場合、その姿は「経営者そのもの」に映ります。

ですので、経営者の「姿勢」「熱意」「誠意」「ハート」などが”白日のもとにさらされる”わけです。

とりわけ、一番よく見られているのは誰にか?その答えは、もっとも身近な存在である”社員”です。

これから3年間の間に中小企業がなすべきこと…第2回目の警鐘は「社員に愛される会社」づくりなのです。

社員(ここでは、パート・アルバイトも含みます)が、所属会社で働くことに大きな喜びと誇りを持っている会社は、社員の退出率(離職率)が減ります。

また、社員が会社に誇りを持っていると「自社の宣伝活動」を自発的に行ってくれるようになります。

その宣伝活動は、そのままリクルート効果を直接育み、結果として人が集まる効果を生むのです。

企業経営の最大で最強な資源は”人=ヒト”である(坂本光司先生)。

この名言がこれからますます、企業経営の業績格差に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

投稿日: 2018年12月18日 | 6:26 am

中小企業が、これからの3年間になすべきこと(警鐘)

以前にも書きましたが、人材の超売り手市場となった現在、中小企業は特に人財重視経営(人本主義)への転換が求められます。

経営者の口からは「人財がすべて」とか「我が社は人財を大切にする」などという言葉を聞いても、その実、損得経営をなさっている社長を見ます。

人本主義経営への転換は、今後3年間の間に中小企業がなすべき経営の根幹として、最優先事項として取り組んでいく必要があります。

これは、警鐘です。

さまざまな取り組み(戦略)が挙げられますが、ここであえて言いたいのは、「テクニック」や「策」ではないということ。

経営手法で、メンバーが大活躍してくれるなどということはありません。

ましてや、「少ない賃金で、いかに効率良くメンバーを遣おう」などいった邪(よこしま)な考えでは、いつまでたっても人財不足で悩んでしまうことになります。

また、最近ではリクルート会社のTVCMも賑わっています。

リクルート会社に、採用戦術を委託することも一つの戦略です。しかしながら、物事の本質を見誤ってしまうと、人財不足の現状からは抜け出せないのです。

人財不足になる要因を正しく現状認識すること。

ここからすべての戦略がはじまります。

投稿日: 2018年12月17日 | 8:14 am

中小企業診断士の実際 〜診断士は「喜ばれる」

いい仕事の定義とは何か?時々考えることがあります。

人にとって、人として生きていく場合、『仕事をする=働く」ということは、本当に価値のあることだと思います。

いい仕事の定義は何か?

まず来るのは、「喜ばれる仕事」ではないでしょうか?喜ばれる=「お役に立つ」という価値です。

中小企業診断士は、まさに「喜ばれる」仕事・職業です。

商売や経営は課題・問題の連続です。まさに、断続的に発生する経営課題に対して、現場にタイムリーに寄り添い、解決策を練り実行具体策を立案する。

そして、実行案のPDCAを回す支援をする診断士は、クライアント様から本当に喜ばれるしごとだな、とつくづく思うのです。

もし、煙たがれるあるいは、クレームをもらう診断士がいたら、それは人間的な・節度的な欠陥が予想されます。

例えば、「上から目線でモノをいう」「時間の約束を守らない」「報告書などの提出物期限を守らない」「挨拶しない」「服装が不潔」…などなど。

およそ社会人としての欠陥ともいうべき点です。

「喜ばれる診断士」を目指しましょう。

クライアント様から「次回の訪問支援も楽しみにしています。」というありがたい言葉をいただいた時、「中小企業診断士になってよかったな」と思えるのです。

「喜ばれ」「愉しく」、そして「お金をいただける=稼げる」中小企業診断士という職業。

これからも、自分のアイデンティティとして高めていきたいと思います。

 

投稿日: 2018年12月15日 | 11:57 pm

リーダーとして部下に見られるポイント

経営者であれ幹部であれ、メンバー(部下、フェロー)から”見られている”ことは必然です。

組織・チームを語るとき、このメンバーからどう見られているか?に着目しないと、いいチーム・いい組織、いい会社づくりはできないからです。

では、メンバーはリーダー(経営者や幹部)のどこを見ているでしょうか?

仕事の技術・知識でしょうか?お客様対応の仕方でしょうか?

また部下への心遣いでしょうか?

まったく違います。ましてや、仕事を獲得してくる営業力ではありません。絶対に。

時々、仕事を獲得してくる営業力に最大の比重を置く人事考課制度を見ますが、広い視野で鑑みた場合、いい組織づくりには貢献しない仕組みです。

さて、リーダーがメンバーから見られる最大のポイントは、”ハート”であることに違いありません。

仕事の知識や技術ではない、”こころ”の部分です。

メンバーからリスペクトされている上司・リーダーは、暖かいハートの持ち主です。

つまり、仕事の”やり方=技術”でなく”あり方=姿勢・熱意”なのです。

 

企業経営も一緒です。

お客様から評価されるポイントは、いい商品を作る技術よりも、お客様に寄り添う姿勢・エネルギーであること…なのです。

 

投稿日: 2018年12月14日 | 6:29 am