企業や商品におけるブランドの正体

大学院時代からブランディングに関する研究を継続しています。

中小企業診断士として、中小零細企業の経営実態を追いかけていると、どんな小さな企業でも”ブランディング”戦略が不可欠であることが分かります。

すなわち、ブランド構築・強化に取り組まなければ、高付加価値経営の実現は不可能だからです。

このブログでも何度も主張していますが、中小零細企業の基本戦略は「高品質、高付加価値、高価格戦略」です。

大なり小なり、ブランディング戦略を投じていかなければ、こう価格戦略など夢のまた夢です。

 

では、ブランドとは何でしょうか?

その正体は、「高付加価値化された高品質」です。

付加価値とは?それは、経営者やメンバー(構成員)の”想い、努力、独自のウリ”です。

付加価値を強力にして高める=高付加価値。

また、ユーザー・カスタマー(お客様)の期待を裏切らない高品質が必要です。

しかも、中小零細企業は”とんがるだけとんがった(こだわるかぎりこだわった)”高品質が全てと言っても過言ではないでしょう。

 

ブランディングを、PRや情報発信、営業展開などで実現できる時代は終焉しました。

なぜなら、簡単に模倣される時代だからです。

であるならば、勝負を決するのは品質(クオリティ)だということを肝に銘じながら経営していくことが重要なのです。

投稿日: 2018年11月27日 | 10:52 pm

ポジティブシンキングのススメ

歴史上の偉人から学ぶことが多いと感じる、今日この頃である。

特に幕末から明治維新にかけての激動の時代に、大きなうねりとなる活躍をした偉人の言葉。

好きな言葉・明言は、時代を超えても色褪せることはないと思う。

例えば、

 

「世の人は我を何とも言わば言え、我なす事は我のみぞ知る」ー坂本龍馬

この言葉、小生が放送局を退職して大学院入学を決意したときに背中を押してくれた言葉である。

 

「おもしろき、こともなき世をおもしろく」ー高杉晋作

小生の座右の銘としている言葉。至上の明言であると考えている。

 

「しれば迷い、しなければ迷わぬ恋の道」ー土方歳三

ご存知、新撰組副長の言葉。当時女性にモテモテであったと推察される彼が詠むと、本当にかっこいい。

 

土方歳三の言葉はともかくとして、坂本龍馬、高杉晋作の二つの明言は、ポジティブシンキングの真意を教えてくれる。

この3人に共通するのは、短命であったこと。

 

いつまでも、その言葉のように生きていきたいものである。

投稿日: 2018年11月26日 | 1:00 am

中小企業診断士の実際 〜診断士はクリエイターである

中小企業診断士として中小零細企業の支援をするとき、独自のツールを用意しておくことは必須です。

経営学者が開発したフレームワークを使用することはもちろんですが、できれば独自のオリジナルツールを使いたいものです。

 

ツールというのは様々ありますが、ご紹介しておきましょう。

 

①プレゼンテーションツール…コンサルティング支援の内容や、クライアントに対して提供できる成果・効果を提示できるようなビジュアルツールです。できれば、パワーポイントなどのプレゼンソフトを活用して策定する方が望ましいと言えます。また、言葉・フレーズではなく図形や絵を駆使して分かりやすく策定しましょう。

②調査票・リサーチツール…クライアントの実態や周辺情報の事実確認のため、調査票やリサーチ票も必要です。例えば、CS・ESを測定するためのアンケート・サーベイ票や覆面調査(ミステリーショッパー)のための調査項目票などです。

③各種経営資料フォーマット…単年度経営英計画書やビジョン書、戦略策定のためのワークシートのことです。できれば汎用性の高いフォーマットを策定し、クライアントの業種業態・実態に即してカスタマイズできるようにしておきましょう。

④企画書・提案書…企画書を”見やすく”書くことは、大切なスキルです。表や図を駆使して、見やすい企画提案書を策定しましょう。

⑤事例集…コンサルタントにとって最大の武器は、経験による仮説立ての鋭さであると言えます。クライアントでの成功談・失敗談は貴重なコンサルティングノウハウです。事例集としてまとめておけば、とても便利です。

 

このように、中小企業診断士(経営コンサルタント)は、独自のコンサルノウハウを開発・入手する必要があります。

常に高度な問題意識をもち、もっと見やすく、もっとわかりやすく、もっと使いやすいツールはできないか?を考えておく必要があるのです。

投稿日: 2018年11月25日 | 1:00 am

企業は「人、人、人」〜がんこ寿司に学ぶ経営学

11月22日(木)放送のカンブリア宮殿。がんこフードサービス株式会社の小嶋会長が出演されました。

徹底した(がんこな)おもてなし戦術で、お客様を満足させる商売術は、本当に参考になりました。

がんこフードサービスは、大阪や京都を中心とした関西から関東まで約100店舗を有する一大和食チェーン企業です。

なぜ、チェーン展開にこだわるのか?

大量仕入れ力を背景とした、「安くて良い食材を直接(漁業者や農業者から)仕入れて、お客様に提供することができるから」だそうです。

お客様第一主義かと思いきや、社員の負担軽減と「おもてなし」に専念するため、和食店に配膳ロボットを投資しています。これで、高齢スタッフの動きの負担が3分の1になったとのこと。

社員勤続表彰制度や福利厚生を充実させ、働きやすい環境づくりも徹底しています。

小嶋会長の「企業は、人、人、人。人財がいれば、お金(カネ)や商品(モノ)も作ってくれる。」という言葉。

小生がよく、クライアント支援の時に訴える主張と全く同じでした(嬉笑)。

いまや社員数3500以上の一大企業となった、がんこフードサービスも、はじめは1963年に大阪市十三に1店舗からスタートしています。

創業当初から培われた、企業は”人ーヒト”という価値観が、躍進を支える最大の秘密なのでしょう。

投稿日: 2018年11月24日 | 1:00 am

中小企業診断士の実際 〜フレームワークは学ぶな!

中小企業診断士として活動するとき、よく手法(方法、ノウハウ、テクニック)を欲しがる方がいます。

名称独占の国家資格である中小企業診断士。

第1次試験の「企業経営理論」では、マーケティングや経営戦略立案の際の各種手法が、体系的に試験科目として出題されます。

例として、SWOT分析やVRIO分析などの各種分析手法。またポーターの「成長戦略」やボストンコンサルの「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」。※興味がある方はご自分でお調べください。

もちろん、理論や手法自体を否定するものではありません。

コンサル現場で実際に活用することも往々にしております.

特にSWOT分析からの戦略立案手法については、共著ですが本を出していますし、頭の中は常時SWOT分析です。

 

ただし、自称超現場型の中小企業診断士があえて提唱します。

「プロコンのキモは手法(やり方)よりも姿勢・ハート(あり方)である」と。

経営の現場に肉薄し、課題解決策を”経営者に寄り添い、一緒にのたうち回りながら立案、実行する”ためには、理論よりも熱いハートが大事です。

熱いハートが、経営者やクライアントのメンバー(スタッフ、社員)の心を揺り動かし、課題解決へと向き合ってくれるのです。

いつの時代も、経営は人間の営みです。

 

フレームワーク(コンサルティング手法)を学ぶよりも、姿勢・ハートを身につけることを第一優先としましょう。

投稿日: 2018年11月23日 | 7:47 am

マークイズ福岡ももち、行ってきました。

11月21日(水)。福岡市中央区地行浜にグランドオープンした、MARK IS 福岡ももちに行ってきました。

ご支援しているクライアント様のショップがオープンし、その取材に赴いたのです。

佐賀市内から三瀬峠を越えて約1時間半。近隣の道路は大渋滞でした。

到着、駐車場に止めたのは14時。

とてもシャープで、オシャレなイメージの大型ショッピングセンターです。

 

入店しましたが、本当に大勢の来店客で賑わっています。

総店舗数163店舗。延べ床面積は125,000㎡は圧巻の広さです。

少しハイテイストなお客様をターゲットにしているのかな?という印象。

ももちという街並み、街の雰囲気、街の所得層にはマッチした店舗テイストだったと感じました。

 

とこで、三瀬峠の下り坂からももちまでの道中。愛車黒のプリウスのアベレージ燃費が77.8kmを記録!

走行距離23.7kmながら、なんという低燃費。

さすが世界のトヨタ!

すげ〜ヤツだぜ!

 

 

投稿日: 2018年11月22日 | 9:05 am

”笑い”の経営学 〜笑う門には福来たる!

”笑う”という行為自体を嫌う人はいないと断言できます。

笑いは、人を幸せにし元気にしてパワーを与えます。テレビなどで、お笑い番組を見るのが大好きな自分は、笑いの社風を中小企業経営に取り入れたいと常に考えています。

 

元気のある会社、活気のある会社、風通しの良い会社は”笑顔”があります。笑いに溢れています。

笑う門には福来たる…と言いますが、これは摩訶不思議な現象でもなく、笑いのある会社には”人が集まってくる”という現象を指しているのだと思われます。

かつて小生が勤務した会計事務所。福岡の事務所でしたが、「ここは笑ってはいけない会計事務所か?」というほど暗いオフィスでした。

その堪え難い空気感に、ラジオでもつけて明るく仕事しましょう!と提案しましたが、集中力がそがれるとの理由で却下されたのを覚えています。

 

経営は、人間の営みです。生き物です。

いくらクラウドやIT、AIの発展があっても、商売をするのは人間なのです。

商品は、商売をする人間たちの”想い”の結晶です。

その人間たちが、笑いのある職場に集まってくるのは至極当然の現象でしょう。

 

笑いのある職場・会社づくりは、活気のある会社・イキイキしている会社になるためのひとつの手段だと信じています。

投稿日: 2018年11月15日 | 1:00 am

コンサルティング手法について 仮説からの推論展開

経営コンサルタントして活動するとき、ロジカルに物事を考察するスキルは常に求められます。

論理的に物事を志向していかなければ、課題解決の方向性がいつの間にか違ってくことになりかねないからです。

では、仮説立てから推論展開するとき、思考方法として「演繹法(えんえきほう)」と「帰納法(きのうほう)」の2通りがあります。

難しく考えがちですが、簡単にいうと

演繹法は、「◯◯だから⬜︎⬜︎である」という思考をつなぎ合わせて仮説検証推理していく方法。

帰納法は、実例(事実)から逆算して類似点や模範ポイントを抽出して、結論づけるという方法。

経営コンサルタントとして活動する際、論理的思考法を常に意識していますが、どちらかというと帰納法を多用します。

帰納法:演繹法=7:3…というところでしょうか。

帰納法の場合、実例を徹底的に取材・調査してヒント(推論)を導きだします。

演繹法は、出口の見えない方法を論理的に推察するということで、ある程度の思考力が必要だと感じています。

自分が現場のコンサルティング活動でよく使用する「ベンチマーク」という手法は、帰納法に入ります。

帰納法が、中小企業の経営者にはとても明快で分かりやすい思考法といえます。

 

投稿日: 2018年11月14日 | 7:50 am

中小企業診断士の実際 〜診断士は町医者漢方医である

中小企業診断士をよくビジネスドクターであると仮定する場合があります。

中小企業の改善ポイントを事実確認(診断)し、改善のための施策(治療)を施すという意味では、なるほどドクター(医者)であろうと考えられます。

医者は、さまざまな専門分野がありますよね。

外科、内科、耳鼻科、皮膚科…などなど。

中小企業診断士を、コストカッター的な外科医と比喩する人も居ます。

時にはコストカット(外科的処置)が必要な場合もあるでしょう。

また、内科医として悪くなった箇所(改善ポイント)をゆっくり、じっくり治しながら業績改善を図っていくコンサルタントもいます。

 

自分にとっての医者的な中小企業診断士像は、「町医者漢方医」です。

中小企業は、課題・問題発生と改善・革新活動の連続です。

クライアントの症状(課題・問題)に対し、すぐに現場に赴くような体制・姿勢が大切です。

また、症状(課題)が出てから対処するのでなく、課題・問題が出ないような体質づくりをお手伝い(処方)する漢方医としての存在がマッチします。

この企業体質づくりは、”いい会社”となるためのさまざまな仕組みづくりに直結しますが、最も大切なのは”人を大切にする心ある会社”づくりであると言えます。

投稿日: 2018年11月13日 | 10:42 pm

業績好調の裏に隠された課題

業績が好調な時、企業は問題点に目をくれず、業績拡大に邁進する傾向があります。

しかし、あえて業績好調な時こそあえて課題解決に向き合い、取り組むことを推奨します。

伸びゆく業績の陰に、隠された課題がくすぶり続けて、気付いた時には解決に時間とコストを要する…このような事態がよく見られるからです。

 

例えば、知らず知らずのうちに社員のモチベーションが下がっていた…

気づいたら社内の人間関係が悪くなり、離職率が高くなっていた…

結果、人財が育たない社風が醸成されていた…

 

業績(売上や利益、客数など)はあくまで結果現象。

中小企業にとって、経営理念から始まる単年度経営計画書、同じ価値観で一糸乱れぬチームづくり、各種オンリーワン戦略の立案と展開実行に向き合った結果が業績なのです。

 

好調な業績に隠された課題を、マイルストーンとして振り返るために、経営会議や経営計画書策定研修などがあります。

課題が問題となり、病変と化してしまわないうちに、PDCAを定期的に回していく仕組みづくりが必要です。

投稿日: 2018年11月12日 | 11:55 pm