アントレプレナー(起業家)へのエール〜変動費(原価)の本質〜

売上原価の公式はご存知でしょうか?

読んで字のごとく「その売上をたたき出した原価(モトデ)」のことです。ですので、仕入れた額=売上原価ではありません。

公式は、売上原価=期首棚卸高(期首在庫)ー当期仕入高+期末棚卸高(期末在庫)です。

つまり、”期間”という考え方を取り入れる必要があるのです。

 

さて、原価は低いほうが原価率が下がり、粗利益率は上がりますよね。

当然、粗利益率は高いほうがいいのですが、ここに大きな落とし穴があります。

原価を下げるために、取引先に無理な価格交渉をしたり、品質を落とすようなことをしてしまうと、大変な事態を招きます。

原価というのは、いつの時代も、どんな時も「適正原価」という考え方が大切です。

その売上を出すために、もっともふさわしい原価額を設定する必要があるのです。

利益主義、損得勘定で起業してしまうと…

無理な価格交渉は「外部での悪評」を招き、品質を落とすと「客離れ」というもっとも恐るべき事態が待っています。

 

取引先との良好な信頼関係、お客様の満足度を決して裏切らない品質…そんな商売を目指しましょう!

 

投稿日: 2018年9月13日 | 1:00 am

門司港の風 

6〜7年ぶりでしょうか?北九州市門司港を訪れました。

息子がまだ小さかった頃(電車小僧だった頃)、九州鉄道記念館まで遊びに来て以来です。

久しぶりに嗅ぐ、門司港の風のにおい。このレトロな雰囲気の街並みが好きです。

 

門司港に本社を置く、税理士法人TAパートナーズ様から社内セミナーとしてお招きいただいたのが、今回の訪問です。

テーマは、「コンサルティング活動と今後の会計事務所の方向性に関する一考察」というもの。

会計事務所に6年半勤務した経験から、コンサルティング活動の中で得たノウハウなどを約90分にわたりお話しました。

まだまだお伝えしたいことはありましたが、いつものごとく時間配分が難しい。お伝えしたいことの5割くらいは話せたでしょうか?

人に想いを伝えるということは、本当に難しい。

お昼は、門司港の焼きカレーのお店に案内してもらいました。

門司港の「陽のあたる場所」というレストランです。とっても美味しかった。

ビルの7階にあるお店は、大きな窓から門司港が一望できます。

 

いいご縁というものは、いいタイミングでやってきます。今回も、TAパートナーズ様のスタッフの皆様とのご縁をいただき、本当に感謝です。

 

 

投稿日: 2018年9月12日 | 8:20 pm

冒険者たち−9 〜若きチャレンジャーたちの旅路〜

今日は、佐賀市呉服元町でがんばっている「プレス」の仲間たちとの経営会議でした。

このブログでも何度も紹介していますが、若い20代〜30代前半の若者たちが、「衣料プリント事業=PRESS」「カフェ事業=LIFT COFEE」「ダンススタジオ事業=CARPE DIEM」の3つの事業を営んでいます。

メンバーは、事業家で経営者の菊池くんを筆頭に、明るく愉快な若者たちです。

会議では、現状の課題分析と解決方策のディスカッションを中心に、前向きに進めていきます。

そこには、遠慮も気遣いも不必要。課題にまっすぐに向き合い、各ビジネスの”これから”を我が事として考えていきます。

起業(法人化)から約8ヶ月。

それぞれの事業は、課題こそありますが、立派に独り歩きしています。

特に今回の会議で驚いたのは、ダンススタジオのクオリティの高さでした。

佐賀市内のお祭り「栄の国祭=8月4日・5日」で披露された演技です。

動画を添付したいところですが、データ量オーバーでできませんでした…残念…。

佐賀市呉服元町のON THE ROOF3Fにある、ダンススタジオ「カルペディエム」。

本気でホンモノのダンスを、愉しく学びたいという方。

一度、覗いてみませんか?新しい自分を発見できますよ。

電話番号は、0952-60-2358です。

責任者は、北御門はるかさん。とってもチャーミングで、元気で、明るい、プロのダンスインストラクターです。

投稿日: 2018年9月11日 | 7:08 pm

アントレプレナー(起業家)へのエール〜限界利益率とは??〜

起業家が押さえて欲しい未来戦略型経営指数として、損益分岐点を上げましたが、関連する指数に限界利益があります。

公式は、売上高ー変動費(基本は原価)です。

損益分岐点売上高の公式における分母【1ー(変動費/売上高)】が限界利益率と言われる指標です。

※”限界”という言葉が使われてまぎらわしいですが、気にしないほうがいいです。

 

この限界利益というのは、「売上高に占める貢献利益」なのです。

固定費を賄うための利益と言ったら、少し分かりやすいでしょうか?

限界利益率が上がると、損益分岐点売上が下がり、利益が出やすくなるのです(あたりまえですけど)。

ちなみに、限界利益率と粗利益率は似てますが、製造業などにおいてその計算方法が違ってきます。

 

ただ、これも覚えておいて欲しいことですが、「原価を下げて、粗利を稼ぐ」というのは、ある意味机上の空論です。

適正原価という考え方に基づかない商売をしてしまうと、品質が下がり、結果として”客離れ”というもおっとも恐るべき事態を招きかねないからです。

投稿日: 2018年9月10日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜損益分岐点は必ず押さえよ!〜

前回のブログで、起業家が押さえるべき勘定科目・経営数値計数知識を紹介しました。

その指標は、現状を認識(現在の商売・経営状態を数値面から認識)するための指標です。

 

では、未来戦略的に押さえる必要がある指標は何か?

それは「損益分岐点売上高( Break even point=BEP)」と言われる指標です。

つまり、毎月(あるいは毎年)どれくらいの売上高を上げなければ、赤字になるか?という指標です。

逆に言うと、その売上を越えれば「それからは利益を叩き出せる」という売上高のことです。

 

計算式は、固定費/【1ー(変動費/売上高)】です。

細かい解説は、次回以降にしますが、最低限の知識として公式を暗記していてください。

 

この指標はとても重要であり、戦略的経営指数としてとても便利です。

しかしながら、この指標を知らない・活用できていない…結果、儲からない商売をしている起業家がとても多い。

やもすると、売上と利益がイコールと思っているのではないか?と思わざるを得ない起業家も何人か会いました。

創業期の場合、「粗利益」や「限界利益」という考え方は、とても重要です。特に、粗利益率や限界利益率を意識した商売をしないと、いつまでたっても儲かりません。

投稿日: 2018年9月9日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜計数知識の最低限〜

これも起業家にとって、あるあるな現象…。

とにかく数字に弱い、あるいは数字に嫌悪感すらあり見たくもない…。

 

起業を志すのであれば、失敗しないテッパン法則として、ある程度の経営計数知識は必要です。

前にも書きましたが、起業するときは大抵の場合ひとりが多く、経理スタッフを雇用する余裕などありません。

ではどうするか?起業家自らが、最低限度の計数知識を身につける必要があります。

しかし、膨大な勘定科目や経営分析指数を全部覚えておく必要はありません。

あくまで最低限度でいいのです。

その最低限度の指数(10項目)を紹介しましょう。

①売上高

②売上原価

③売上総利益(粗利益)

④営業利益

⑤経常利益額

⑥キャッシュフロー

⑦自己資本率

⑧売上高経常利益率

⑨売上高対研究開発比率

⑩売上高借入金比率

それぞれの指標に関しては、深い意味がありますので学習してください。

起業家によくある傾向ですが、「店を出せば(看板出せば)客が入る」「いいモノつくれば(仕入れれば)何もしないで売れる」という楽観主義。

楽観的なのことは大いに結構!悲観的なネガティブシンキングの人は、起業家には向きません。

しかし、ポジティブシンキングとノーテンキは違います

本当にポジティブシンキングの人は、「悲観的に(用意周到に)準備して、楽観的に行動する」人のことを言います。

用意周到な人は、数字にも向き合って経営の面倒臭い部分(数値管理など)にも精通しています。

投稿日: 2018年9月8日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜何をするか?の前に…〜

起業家として事業を始める場合、その動機(目的意識)はとても重要です。

その目的が不純であればあるほど、ステージから退出する(事業継続断念)確率は高くなります。

動機として、もっとも良くない(オススメしない)意識を列挙します。

 

①とにかく儲けたい。事業は何でもいい。

事業の目的が”金儲け”の場合、その事業継続維持の可能性は限りなく低くなります。

もちろん価値観ですから、さまざまな考え方があるでしょう。

しかし、物事の判断基準が損得勘定になった瞬間に、ビジネスリスクは格段に高くなっていきます。

 

②目立ちたい、羨ましがられたい。

結構、こういう方も見ます。はっきり言いましょう。

ビジネスは甘くない!単純に目立ちたいなどの理由で始めるほど、簡単なものではないのです。

 

③サラリーマンがいやだから、とにかく起業したい。

動機の前の動機としては、あるあるだと思います(かつての自分も、そういう意識がありました)。

しかし、その場合は自分のスキル・経験が絶対的に活かせるビジネスモデルの構築が必要不可欠です。

 

④面白いビジネスを思いついた。起業したい。

大切なのは、思いついたビジネスが交換価値としてお金になるかどうか?です。

実際に、こういう起業希望者と面談しますが、事業として成り立つのは難しいのではないかという方がかなり散見されます。

 

起業の場合、その動機(理念=目的)がとても大切です。

例えば、ラーメン屋さんを開業したいと思う方は、「自分が作ったラーメンの味をお客様に喜んで食べて欲しい」という熱いブレない想いです。

つまり、起業意識は「何をするかでなく、何のためにするか?が一番大切」なのです。

その動機が見つからない、あるいは薄っぺらな起業は、ウマくいかないのです。

投稿日: 2018年9月6日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜起業準備のポイント〜

起業を思い立った時、準備に取り掛かります。何事も準備が一番大切ですね。

スポーツでも、準備体操やアップが大切なように、ビジネスで戦おうとすれば事前準備が本当に大切です。

もっとも大切な準備は何でしょうか?

事業計画?ビジネスプラン?…いや、違います。資金調達です。

2017年中小企業白書においても、起業の創業期〜成長期に関わる最大の課題は、資金調達であるという結果が出ています。

創業期においては60%、成長期においても47.8%という数字です。

いかに、カネに関する課題が多いかが伺えます。

 

政府は、創業を促進するための様々な施策を用意しています。

特に女性起業家には、政府系金融機関の優遇融資制度があります。

ビジネスプラン・事業計画書の有効性が確認できれば、起業に対する比較的小額な融資は容易です。

 

しかし、まれに起業資金を補助金・助成金に依存している起業家も見られます。

そのほとんどが、安定期を迎える前にステージから降りてしまうようなフェードアウトを迎えています。

原因は、融資というリスクをあえて取る覚悟の差でしょう。

つまり補助金はしょせん補助金。事業を補助するためのカネなのです。

創業資金を「あわよくば補助金でまかなって、ノーリスクで創業しよう」とお考えの方は、いずれやってくる資金リスクに柔軟に対応できません。

 

ビジネス・事業は、熱い想いに伴なう”覚悟”がもっとも大切だと思うのです。

投稿日: 2018年9月5日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜起業家の意識特徴〜

日本という国は、起業家が誕生しにくい土壌だと言われています。

事実、2017年中小企業白書によると、「周囲に起業家がいる」、「周囲に起業に有利な機会がある」、「起業するために必要 な知識、能力、経験がある」の三つの項目に着目し、三つの項目いずれについても「該当しない」と回答した人を「起業無関心者」と定義した時、全体に占める起業無関心者の割合の推移を見ると、日本は77.3%で、明らかに先進諸国と低い傾向があります。

つまり、統計上は日本人の8割近い人が、起業(事業を起こす)に興味がないということになるのです。

経営コンサルタントして、起業家の支援をしていると、起業家には独特の意識があることが分かっていきます。

起業家の意識特徴として、

①物事を単純に考えることができる

②自分に自信がある

③人的ネットワークが多い

④ポジティブシンキングができる

⑤問題意識がたかい(上昇志向である)

などがあります。

ただし、この数字は商売を持続させるスキルがあるか?ということに関しての特徴ではありません。

商売を持続させることが”成功”ですから、そのスキルはもっと絞られることになります。

ただ、起業して自分の商売をスタートさせるという行為は、とても刺激的であり、面白く愉しく、魅力溢れることである…ということは間違いないと考えています。

投稿日: 2018年9月4日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜起業はきっかけが大事〜

2017年の中小企業白書によると、日本の開業率はここ数年微増しており、5.2%となっています。この数字は、資本主義の経済大国の中では決して高い数字はありません。

ちなみにフランスは12.4%、イギリスに至っては14.3%となっています。

日本人は、保守的な気質が強いのでしょうか?あえてリスクを取らざるを得ない”起業”という行為は、できるだけ避ける傾向にあるようです。

小生の場合、「将来は独立して何がしかの商売をしたい!」という夢が大学生のころからありました。

4年前に、経営コンサルタントして独立し現在に至ります。

フリーの経営コンサルタント(中小企業診断士という国家資格ホルダーではありますが)の仕事は、ある意味ローリスク・ローリターンのビジネスです。

しかし、サラリーマンとして働いていた時代にと比較すると、自分自身の中小企業経営に関する価値観を何のしがらみもなく主張できるという点で、大変魅力的です。また、独立して本当に良かったと思っています。

人生は一度きり。悔いのない人生を謳歌するためにも、志ある人にはどんどん起業をしてもらいたいと思っています。

また、志ある起業家を支援し、インキュベート(育てる)支援をするのも、小生の大切な仕事であると位置付けています。

「起業して、自分の価値を世に問う」…こんな素晴らしいことはないと思っています。

ただ、起業家がビジネスに興味をもったきっかけという調査結果は、とても興味深い。

40台男性のきっかけは「周囲の起業家・経営者の影響」が40.7%で第1位。「勤務先ではやりたいことができなかった」が29.2%で第2位となっています。

どちらもポジティブイメージとは言い難い、ネガティブイメージ。

「自分の価値や取り組みを世に出して、社会貢献したい」などの理由が欲しいところです。

 

投稿日: 2018年9月2日 | 1:00 am